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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
173/188

沖縄シリーズ第2戦 150の果てに

[ホーム]大連

8星渡(4-1)-アンジェロ(1-0)-7

4大上(3-1)-1瑞穂-野藤-立石(1-1)-小松原

6棚橋(3-2)-佐々沢(1-0)-5

9林(3-2)-8水内

5パウロ(4-1)-6森茂

3古池(3-1)-ドラグノフ(1-0)

7ノーリー(2-1)-李健太郎(1-0)

2清水(3-0)-金重男(1-0)

1汐風-宮畑(1-1)-趙雅憲(1-0)-張尊-近堂(2-1)-4


[ビジター]新京

8武沼

4呉高波

2英

9劉照凱

7七沢

3矢野元

6黄大道

5花田

1際田


新 010 010 000 2 ●際田-中村-阿野-水岡-宗源良 74勝64敗12分

大 003 020 10- 6 汐風(3-1)-○趙雅憲(2-1)-張尊(1)-瑞穂(1)-野藤(1)-小松原(1) 84勝54敗12分


 ついに150試合目の対戦となった。これで4月1日からの長い戦いは一旦終わりを迎える。上位チーム以外はこの試合がシーズンラストゲームである。大連の相手は新京。昨年は2位で、今季は優勝を狙ったが大連、チチハルに抜かれて4位でフィニッシュとなった。投手では水岡、野手では武沼など有力な若手選手は出てきたが、怪我人が多くカバーしきれなかった。


 大連の先発は何と高卒ルーキーでプロ初登板となる汐風有希。甲子園のエースとしてもおなじみの男が、今季最終戦でいよいよプロとしてのベールを脱ぐ。なお星渡は1番に戻った。昨日のような実験的なメンバーではなく、比較的ベーシックなスタメンとなっている。新京はまたも怪我をしてしまった際田が復帰登板。


 汐風のピッチングは、高校時代と比べて全体的に力感が上がっていた。順調に成長しているようでなによりだ。最初のバッターは新京の成長株武沼駿。第1球は146キロのストレートだった。2球目も、3球目もストレート。武沼に対してはストレートだけで押していった。結果は4球目をショートゴロでプロ初アウトを奪った。2回、矢野元にスライダーを狙い撃ちされてソロホームランを浴びて1失点。プロ初登板は3回をこの1失点のみに抑えた。


 大連は3回、汐風の代打宮畑がレフト前ヒットで出塁、星渡はレフトフライも大上がセンター前ヒット、棚橋が四球で満塁のチャンスを作る。そして林がライトへ犠牲フライ。これで同点とすると、パウロが左中間を破る2点タイムリー2ベースであっさり逆転に成功。


 5回表に新京は花田のタイムリーヒットで1点差まで迫るが、直後の5回裏に大連が攻勢をかける。一死後、棚橋と林が連打で一三塁に。パウロは三振でツーアウトとなったが、古池が勝負強くレフト前に落として1点。さらにノーリーもスライダーをうまくライト前に流してもう1点追加した。7回には林のソロホームランが飛び出して6対2とする。試合はその点差で終了した。


 大連は6回に張尊、7回に瑞穂と本来は先発の投手をリリーフに起用した。これはプレーオフをにらんでの事か。8回は野藤、9回は小松原で新京の反撃を断ち切った。また、野手も試合終了時点ではスタメンが一人もいないという派手なメンバーチェンジを行った。これは沖縄シリーズ以降選手枠が拡大したからできる事である。大いに活躍した選手、そうでもなかった選手、今後の活躍が期待される選手と色々出てきた。まさに最終戦。


 沖縄シリーズは唯一連勝した大連が優勝となり、特製のトロフィーと豚肉1年分が贈られた。また、MVPには2試合で5打点を上げた林葉輔外野手が選出され、賞金100万円を手にした。林は清津シリーズでもMVPに選出されたので今年2回目の受賞となる。列島カンファレンスはまだ日程が終了していないので断言は出来ないが、首位打者と打点王の獲得は決定的なのでおそらくシーズンMVPにも選出されるであろう。39歳だが衰えるどころかさらに良くなっている感覚すら覚える。林というしっかりした軸の元で若い選手が台頭して優勝までたどり着いたと言える。


その他の試合結果

80勝58敗12分 奉天 7-2 チチハル 79勝63敗8分

64勝76敗10分 ハルビン 1-5 開城 68勝74敗8分

50勝90敗10分 光州 3-1 平壌 62勝78敗10分

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