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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
161/188

先制されても焦らず 予定調和の逆転勝利

[ホーム]光州

8吉田

6真野

7佐藤

9小金井

5久保岡

3大深

4白知秋

2竹田

1山西


[ビジター]大連

8星渡(5-2)

5大上(3-1)-4森茂(1-1)

6棚橋(4-3)

9林(4-1)

3パウロ(4-1)-5

7アンジェロ(4-1)-1野藤-比山

4近堂(3-0)-古池(1-1)-3

2清水(4-1)

1吉野(2-1)-李健太郎(1-0)-平野-水内(1-0)-7


大 000 112 110 6 ○吉野(6-3)-平野(1)-野藤(1)-S比山(1) 74勝52敗12分

光 003 000 000 3 山西-●李吉男-ラスター-宮内-河原林 45勝83敗10分


 エース吉野を投入して磐石の勝利を狙った大連だが光州の抵抗に遭い苦戦した。しかしそのまま負けるとはとても思えないという感覚は常にあり、最終的にはやはり逆転した。13連戦のスタートは2勝1敗と及第点の滑り出しを見せた。しかし本番はまだまだこれからである。


 3回裏、吉野はこの回先頭の白知秋に四球を与える。竹田は三振でワンナウト。ピッチャー山西は送りバントで、吉野は二塁に投げたもののセーフ。フィルダースチョイスとなりピンチを広げる。そして迎えた光州の新たなトップバッター吉田春樹。この吉田は打撃も守備も積極的なプレーが身上の選手で、現在の島田代理監督になってから積極的に起用されるようになった選手の一人である。その吉田が吉野の初球外角へのストレートを振りぬいた。打球は思いのほか伸びてそのままライトスタンドへ先制の3ランホームランを叩き込んだ。


 まさかの展開で大量リードを奪った光州だが、その直後に先発山西が崩れる。4回表、先頭の大上に今日初めてとなる四球を与える。ここから急激に山西のコントロールが乱れ始めた。棚橋の打席の2球目に大上が盗塁を成功。3球目は暴投となり三塁まで進む。そして棚橋のライト前への流し打ちが決まってこの回1点を還す。その後林も四球でチャンスを作ったがパウロ、アンジェロが倒れてこの回はここまで。


 5回は一死後に清水、吉野のバッテリーが連打でチャンスを作る。トップに戻って星渡の一二塁間を破るヒットで清水がホームイン。これで2対3と1点差まで来るが、大上のショートライナーで飛び出していた吉野が刺されてこの回も1点だけで終了。そして山西はこの回限りで降板した。山西の調子を見てもこれは間違いではなかった。しかし続くリリーフ陣が火に油を注いでしまった。


 光州の2番手李吉男は先頭の棚橋をレフトフライに抑えたが、林にライト前ヒット、パウロにはストレートを狙われてフェンス直撃の2ベースを打たれて二三塁。そしてアンジェロはスライダーを叩いてレフト線に落とす2点タイムリーを放ち一気に逆転する。李はここで降板させられる。3番手はラスター。1年間一軍で投げてきたがはっきり言って満足のいく成績とは行かなかった。本来期待されていたセットアッパーや抑えではなくビハインドのロングリリーフが主な役割となってしまった。来季の契約は微妙である。


 そのラスターは6回こそ抑えたが、7回一死後に星渡に四球、大上にレフト前ヒットを打たれる。棚橋はセンターフライも林にライト前タイムリーを打たれて5対3に。8回は4番手の宮内が古池に3ベースヒットを打たれ、清水のファーストゴロの間に6点目を追加した。この宮内や河原林といったリリーフを勝ち負け関係なく投入せざるを得ない苦しさは今季の象徴である。


 試合は大連が6対3で勝利。リードされても慌てずに1点ずつ還していき、逆転に成功した。こうした展開でもバタバタせずに安定感のある試合運びが出来るようになるとは、成長を実感させる試合であった。奉天とのゲーム差は相変わらず2のままだが、雲行きはそれほど悪くない。


その他の試合結果

60勝68敗10分 ハルビン 0-4 奉天 76勝50敗12分

56勝72敗10分 平壌 1-2 新京 67勝59敗12分

73勝57敗8分 チチハル 5-7 開城 63勝67敗8分

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