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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
150/188

秋分の戦い 力を見せたチチハル

[ホーム]チチハル

6万城原

8和泉

9吉住

3星野

7折口

5丸木

4楚明英

2李秀一

1リー


[ビジター]大連

8星渡(4-2)

4大上(3-1)

6棚橋(4-1)

9林(4-2)

5パウロ(4-0)

7アンジェロ(4-0)

3古池(3-1)-ドラグノフ(1-0)

2金重男(2-0)-清水(1-0)

1赤坂(2-0)-平野-伊東-立石(1-0)-野藤


大 100 000 020 3 ●赤坂(5-4)-平野(1)-伊東(1)-野藤(1) 68勝47敗12分

斉 000 031 00- 4 ○リー-朴幸久-S通 67勝54敗6分


 先週やったばかりなのにまたもチチハルと対戦。そしてこの3連戦がチチハルとの今季最終カードとなる。チチハルは現在3位でプレーオフ進出も十分射程距離に入っている成績である。そして今日の先発投手はエースのリッチ・リー。球威、コントロール、タフさなど投手として必要な要素をすべて兼ね備えた投手でチームを支えている。また、今日からサードに丸木が復帰し、より万全なチーム状態となった。大連は赤坂が先発。


 試合はまず大連が見せ場を作る。初回、先頭打者の星渡が第1球のストレートを振りぬいてライトフェンス直撃の3ベースヒットでチャンスを作る。リー得意の威力あるボールに押されて大上はセカンドフライ、棚橋はピッチャーゴロに倒れたが、4番林が一二塁間をうまく抜くヒットで先制点を挙げた。しかしその後はリーのパワーが出てなかなか追加点を奪えなかった。


 リーのパワーピッチングで流れを寄せたチチハルが本格的に反撃を開始したのは5回。先頭の楚明英がライト前ヒットで出塁。李秀一はレフトフライも、ピッチャーのリーがレフト前に鋭いライナーを飛ばして一二塁とする。トップに戻って万城原がライト前ヒットで楚がホームインし同点。さらに和泉四球で満塁とする。赤坂は吉住を三振に切ったものの4番星野に三遊間をしぶとく抜かれてランナー2人がホームイン。1対3と逆転される。


 6回、大連は先頭の大上が四球で出塁。棚橋は三振も林のセンター前ヒットで一三塁とした。ここでパウロがリーのカットボールを叩いて三塁線に痛烈なライナーを放つも、チチハルのサード丸木がジャンプしてキャッチ。そのままサードベースを踏み、飛び出していた大上は戻れずダブルプレーとなってしまった。逆転直後の反撃がこう潰れては勝てるものも勝てない。その裏に丸木は試合を決めるホームランを放ち復帰をアピールした。赤坂はこの回にワンナウトも取れずに降板した。


 大連は8回にようやく反撃。一死後に星渡がショート内野安打で出塁。大上のショートゴロでランナー入れ替わり。そして3番の今日ここまでノーヒットだった棚橋が意地を見せた。初球のストレートは見逃し、2球目のカットボールはファールですぐ追い込まれたが、3球目の外角低めへのストレートを振りぬき、レフトスタンドへ希望を残す2ランホームランを放った。しかし後1点届かなかった。林はワンポイントリリーフで登板の朴幸久の前に三振。そして9回はストッパー通順平の前に三者凡退となりゲームセット。


 今日は丸木復活の引き立て役となった大連。幸いにも奉天も敗れたためまだ首位はキープしているが、今日のような試合をしているとその内順位は降下していくだろう。少なくとも今日はチチハルのほうが1戦にかける集中力が上だった。首位といってもそれはいわば砂上の楼閣に過ぎず、今にも壊れてしまうような不安定な代物である。どこまで守りきれるのか。


その他の試合結果

63勝53敗11分 新京 4-2 奉天 68勝48敗11分

43勝74敗10分 光州 3-5 開城 57勝63敗7分

52勝66敗9分 平壌 1-1 ハルビン 55勝62敗10分

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