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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
134/188

これぞエース 吉野泰然自若

[ホーム]ハルビン

7ボルト

9鈴木壮

6井沢

2田坂

3助川

7田中

5南吉展

4竹原

1引田


[ビジター]大連

8星渡(4-1)

4大上(4-2)

6棚橋(4-1)

9林(4-1)

5パウロ(4-1)

7アンジェロ(2-0)-宮畑(1-0)

3柳中平(2-0)-古池(2-1)

2清水(4-1)

1吉野(1-0)-近堂(0-0)-趙雅憲-河剛紀(1-0)-北


大 012 030 000 6 ○吉野(6)-趙雅憲(2)-北(1) 60勝42敗9分

哈 000 000 000 0 ●引田-鄭明真-笠持 49勝56敗6分


 今週はまずハルビンと3連戦を行う。先発は大連が吉野、ハルビンが引田というエース対決。試合は先発からして1点を争う投手戦になると予想されていた。しかしハルビンの勝ち頭である引田が崩れて早々と勝負がついてしまった。


 1回はともに安定したピッチングで三者凡退。しかし2回、大連の5番パウロ・ミネイロが引田のストレートを強引に引っ張ってレフトスタンドに叩き込む今季17本目のホームラン。貴重だと思われていた先制点は想像以上にあっけなく入った。これで引田のコンピュータに狂いが生じたのか、続くアンジェロには四球。柳中平がスライダーを打ち損じてのショートゴロダブルプレーに倒れたためこの回は1点のみに終わった。しかしこの回以降の引田は明確に内容が悪化していった。


 3回は先頭の清水が左中間へ2ベースを打つ。これは内角へのストレートが不要に高くなったものを振りぬいたものだった。続くピッチャー吉野が送って三塁へ。トップに戻って星渡は四球を選ぶ。ここでここ数試合でスタメンに定着した大上がサードへ高いバウンドのゴロを打つ。これが内野安打となって大連が2点目。さらに棚橋の打席で二塁に投げた牽制球が暴投となり星渡が三塁に進み、棚橋のレフト前ヒットで悠々とホームインした。安定感が売りの引田らしからぬミスだった。


 4回は何もなかったが5回にまたも、そして決定的な得点が加わる。一死後、星渡がレフト前ヒットで出塁。続く大上がセーフティー気味のバントをする。捕球した引田は一塁に投げたがこれをファーストの助川が弾いてしまいセーフ。助川にエラーが付いたが引田の送球も左に寄っておりこっちにエラーが付いていてもおかしくなかった。棚橋は引田得意のスライダーに空振り三振を喫したが、4番林が高く浮いたフォークボールを完璧に捕らえてライトスタンドにぶち込んだ。打った瞬間それと分かる3ランホームランで6対0に。エース吉野には十分すぎる援護射撃だ。


 引田とは対照的に吉野はどっしりと構えて安定したピッチングを最後まで続けることが出来た。結局のところはそこが勝因である。エースなのだからいかに自分の実力をフルに発揮できるか。吉野はできたが引田はできずに自滅の道を歩んだ。今日の試合に限ってはそういう事である。


 吉野は6回までで余裕の降板。7回からは趙雅憲や北といった投手を登板させ、すでに戦意を喪失したかのように弱い抵抗しか示さなかったハルビン打撃陣をあっさり抑えて勝利。吉野は13勝目を挙げてチームトップを独走。今後の展開によってはタイトルも見えてくるという良好な数字である。


その他の試合結果

62勝40敗9分 奉天 3-3 新京 55勝49敗7分

48勝56敗7分 平壌 8-1 開城 48勝58敗5分

58勝48敗5分 チチハル 6-3 光州 39勝64敗8分

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