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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
117/188

熱いシーソーゲーム そして逆転へ

[ホーム]京城

4辻

8朴慎一

7高添

5羅久聖

3バンカー

Dコリス

6羅慧聖

9砂子

2山根

1ディアス



[ビジター]大連

8星渡(4-1)

3柳中平(4-1)-水内

6棚橋(5-2)

9林(3-1)

5パウロ(5-0)

7アンジェロ(4-2)

D古池(3-1)-立石(0-0)

2清水(4-2)

4大上(3-0)-宮畑(1-0)-森茂

1フローデセン-小松原-比山


大 011 000 002 4 フローデセン(7-3)-○小松原(1)-S比山(1)

京 100 001 100 3 ディアス-土門-西坂-●安部


 京城の先発は25歳と若いロアン・ディアス。これでも入団して4年目の、育成枠から這い上がってきた選手である。長いリーチを巻きつけるようにして投げ下ろすフォームが特徴で、かなりクセのあるボールを投げる。大連の先発はフローデセンで外国人対決となる。


 試合は序盤から一進一退の攻防が続いた。先制したのは京城。1回裏、先頭の辻がライト前ヒットで出塁。朴慎一はサードゴロでランナー入れ替わり。高添は三振も羅久聖がライトオーバーのタイムリーを放った。しかし大連もすぐさま反撃に転じる。一死後、アンジェロがレフト線を破る2ベースでチャンスを作ると、DHに入った古池がストレートをセンター前に弾き返して同点に追いつく。さらに3回には星渡のホームランが飛び出して2対1と逆転に成功する。


 この状態でしばらくゲームが進んだが、このまま終わらないのが京城である。6回に羅久聖の今季9本目となるホームランで同点に追いつくと、7回には羅慧聖、砂子の連続ヒットでワンナウト一三塁から山根がスクイズを決めて勝ち越しに成功する。京城はディアスを下げて7回は土門也斗、8回は西坂有司、そして9回には安部隼人を繰り出してきた。この磐石とも言える面子に対して大連は常に攻め続けた。それが9回の展開を呼んだと言えるだろう。


 土門に対しては先頭の星渡が12球粘った末に四球を選んだ。しかし柳、棚橋、林と倒れて得点には結びつかず。8回の元チームメイト西坂に対してもアンジェロ、清水がヒットを打つなどいいところまで攻めた。守備でも8回に高添が打ったあわやセンター前の強烈なゴロを棚橋がうまく裁いてアウトにするなどいいところを見せた。


 そして9回、京城の抑えの切り札安部に対して大連打撃陣が襲い掛かった。先頭の星渡は粘ったもののセカンドゴロ。続く柳が華麗なる流し打ちを見せてレフト線上に落ちる2ベースを打ち視界が開けた。直前に好守備を見せた棚橋が打撃でも今日2安打目となるセーフティーバントを見せて一三塁。そして4番林を迎える。


 安部の武器はストレートと140キロを越えるフォーク、そしてタイミングを狂わせるカーブもやっかいな変化球である。まず初球、2球とストレートで押してカウント1-1となった。3球目はフォークだったが見て2-1に。4球目は低めのボールをスイングして2-2、5球目はフォークを見て3-2となった。続く6球目はフォークだったがやや高く入ってしまった。この失投を林が見逃すはずもなく、バットから飛び出した速い打球はセカンド辻の頭上を越えて同点タイムリーヒットとなった。


 続くパウロはセンターへの大飛球。朴はよく追いついたが二塁ランナーは三塁まで進んだ。そしてアンジェロは敬遠でツーアウト満塁に。ここで今日1安打の古池に代打でベテランの立石が登場。安部は慎重なピッチングを見せたが立石が微妙な球をうまくカットしてフルカウントに。そして運命の11球目、ストレートが外角に外れた。押し出し四球で4対3とついに逆転した。9回裏はもちろん比山が登板。一死後コリスにヒットを打たれたがそれだけ。最後は砂子を三振に抑え、4戦目にして京城から今季初勝利を手にした。これで大連の通算成績は50勝36敗8分となった。


 最後の最後で大連が力を見せた。接戦を制した、しかもストッパー安部からの逆転劇だったというのは大連にとってもかなり自信につながる試合となっただろう。対抗戦も後は海洋リーグ列島カンファレンスをホームに迎えての8試合となった。怪我人が多く出たり夏バテした選手が出たり色々あったが、これからが東洋一のチームとなるには一番重要な期間である。しかし今日のようにチーム一丸となって勝利のために戦えたなら、必ず結果はついてくる。それだけの力を大連の選手たちはすでに持っている。

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