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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
111/188

夏の夜空に散った打ち上げ花火

[ホーム]大連

8星渡(4-0)-ドラグノフ(1-1)-大上

3柳中平(4-0)-曽剛仁(0-0)

6棚橋(5-1)

9林(5-1)

5パウロ(3-1)

7宮畑(4-2)

4本郷(4-2)

2清水(4-3)

1フローデセン(2-1)-立石(0-0)-伊東-黄直哉-金重男(1-0)-野藤


[ビジター]元山

6若葉

5杣山

3平

4ベイツナー

9キングマン

7市田

8李現拓

2周裕正

1葵


元 210 010 201 7 葵-○酒井-王謙当-田村尊-Sコルビオーネ

大 000 301 010 5 フローデセン(6-4)-●伊東(1-2)-黄直哉(1)-野藤(1-1)


 高校野球の季節だからというわけでもなく、元山の先発はルーキーの葵雄一である。元山の投手陣は高卒ルーキーに頼らないといけないほどの層しかないという苦肉の策だが、ここまで4試合で2勝1敗と奮闘している。まだまだ線が細いが質のいいストレートを持っているし、スライダーはプロでも十分に通用するレベルにある。エースとなりうる素材だけに、怪我に気をつけて精進していってほしい。大連の先発はフローデセン。また、昨日2点タイムリーを放ったアンジェロはスタメンを外れて宮畑が入っている。キャッチャーは清水。


 試合は派手な展開となった。先制したのは元山で、初回に内野安打で出塁した杣山を一塁に置いてベイツナーがホームランをレフトスタンドに叩き込んだ。今季は怪我で出遅れたベイツナーだがそのパワーは驚異的である。さらに2回には周裕正のタイムリーも出て3点リードする。


 元山先発の葵は大連打線を3回まではうまく抑えたが2順目になるとやはりプロの打者は適応してくる。4回、先頭の棚橋がチーム2本目となるレフト前ヒットで出塁。続く林はストレートを捕らえて右中間フェンス直撃のタイムリー3ベースで1点を返した。これで大連のギアが入ったようで、パウロはキャッチャーフライに倒れたものの宮畑がセンター返しのタイムリーヒット、本郷もセーフティーバントで続く。清水はセカンドゴロでツーアウト一三塁。そしてピッチャーながら打撃にも定評のあるフローデセンがパワーでレフト前に落とす同点タイムリーヒットで3対3に追いつく。葵は次の攻撃で代打を出され、結局4回3失点で降板となった。直後に元山は若葉の3ベースでチャンスを作り杣山の内野ゴロの間にホームイン。


 元山の2番手は酒井。5回は3人で抑えたが回をまたいでの6回は球威がやや落ちており、パウロと宮畑に連打を浴びる。本郷は送りバントを決めて二三塁として、清水が三遊間を破るゴロでパウロが生還。そして何と宮畑もホームを狙ったがかなり浅い位置で市田は捕球しており、無謀だった。案の定ホームで憤死してしまう。昨日は打撃重視で孫武文だったが、それなら成功していたかも知れない。しかし今日は守備重視で市田だったのでアウトとなった。結局この回は1点のみで逆転ならず、これが勝負を分けた。


 大連がフローデセンの次に繰り出したのは僅差の試合での登板が増えた伊東。しかし今日の伊東はややコントロールが甘く、元山打線の餌食となってしまった。ベイツナーはレフトフライだったがこれは相手の打ち損じ。続くキングマンにスライダーをフェンスまで運ばれて、ワンナウト二塁となる。ここで守備で好返球を見せた市田が打撃でもしぶとく流し打ちを見せてタイムリーヒット。ツーアウト一二塁として代打の孫武文がレフト前にタイムリーヒットで市田生還。これで4対6となる。


 元山3番手の王謙当は安定したピッチングを見せて大連打線をシャットアウト。後は田村尊、コルビオーネとつないで元山が勝利を収めた。大連は8回に清水のタイムリーが出たが、9回に李現拓今季2号目のホームランを打たれて万事休す。これで大連の通算成績は46勝34敗8分となった。


 元山に打ち負けた形の大連。星渡、柳中平の一二番が揃って無安打では下位打線の奮闘があっても厳しかったか。また、6回に見せた宮畑の走塁ミスは猛省を促したい。投手は先発ももうひとつだったが、リリーフが踏ん張りきれなかったのが痛かった。しかしここで朗報。故障で離脱していた小松原が来週から一軍に復帰する。今季は質のいいストレートを武器に貴重なセットアッパーとして活躍していた小松原の復帰はチームに勢いをもたらしてくれるだろう。野藤などやや疲れの見えるリリーフ陣にとっても負担軽減となりそうだ。

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