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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
103/188

8回の被逆転劇 台湾遠征連敗

[ホーム]台北

9斉藤

D王啓人

8マクギャリー

6渕崎

4尹浩二

3陸文保

5石崎

7マイルズ

2加藤

1メディック


[ビジター]大連

8星渡(4-1)

3柳中平(4-2)

6棚橋(5-0)

9林(3-1)

5パウロ(4-1)

7アンジェロ(5-0)

Dドラグノフ(3-1)-古池(1-0)

2金重男(4-1)

4本郷(3-1)-高遼二(1-0)

1瑞穂-野藤


大 000 010 000 1 瑞穂(7)-●野藤(1-2)

台 000 000 02- 2 メディック-平岡靖-○黒谷原-S落合


 台北との2試合目に大連の劉監督が繰り出したのは瑞穂。ここまで3勝6敗と勝ち星には恵まれていないもののローテーションに定着しており重要な戦力となっている。迎え撃つ台北は3年目となる外国人投手ロジャー・メディック(29)が先発。不規則に変化するストレートとチェンジアップ、カットボールなど多彩な変化球で打たせて取るピッチングが身上のタフな投手である。


 試合は投手戦となった。メディックは多少のヒットは承知の上で、タイムリーヒットをより少なくする投球術を心得ている。よって一見大連がメディックを攻めているように見えても実は彼の術中にはまっていたのだ。例えば2回、先頭のパウロが初球のチェンジアップをレフト前に落として出塁した。続くアンジェロはサードゴロに抑えたがドラグノフは四球で一二塁。さらに金重男にも四球を与えて満塁とするが本郷をピッチャーゴロに仕留めてダブルプレーで攻撃を終了させた。とにかくゴロを打たせる技術がある投手である。


 瑞穂はコントロールが大きな武器となっている。本人の性格もその通りなのだろうと思わせる慎重で丁寧なピッチングでこちらもスコアボードに0を並べた。試合が動いたのはバッター個人のパワーによるものであった。5回表、ツーアウトまでは簡単に与えたがここで登場したのが大連の4番林。多彩な変化球を持つメディックだが読み合いにかけてはプロで20年以上生き抜いてきたベテランに一日の長がある。最初から狙い球はスライダーだったようで、カットボールなど狙い以外の球はうまくカットして9球目にスライダーを投げてきた所をうまくすくい上げてライトスタンドまで運んだ。さすがの技量である。


 メディックは6回で降板。しかし台北はリリーフも安定していた。7回に登板した平岡靖成は昨日登板した平岡順太朗とは同姓だが年齢は25歳と37歳と大きく離れており、血縁関係もない。追加点を取れない大連。その報いは8回に訪れた。疲れの見えてきた瑞穂に代えて野藤を投入した大連だが、結果的にこれが裏目に出た。


 先頭打者の斉藤は1-2からうまく粘って四球。王啓人が送り、3番マクギャリーのセカンドゴロの間に斉藤は三塁に進んだ。そして渕崎。彼に対しても野藤は慎重すぎた。ボール先行のピッチングから甘く入ったストレートを狙われてセンターに抜ける同点タイムリーヒットとなってしまった。さらに尹浩二にライト前ヒットを打たれて一三塁。こうなると止まらない。陸文保のゆるいゴロはタイムリー内野安打となり逆転を許してしまう。


 8回は黒谷原一、そして9回はオールスターにも選出された落合高麿がそれぞれ大連打線を3人で抑えてゲームセット。台湾遠征は連敗に終わった。これで大連の通算成績は43勝30敗7分となった。次は千葉へ向かい連戦を行う。そしてそれが終われば本拠地大連に戻る。

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