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何が近づいてくるのか。
分類の更新である。
つまり図書館でいえば配置変えである。
ここ日本では決まった周期で遺伝子の継承の偏りを防ぐために独自のアルゴリズムで剪定が行われる。
ゆみこはそもそもメタ的存在なのでこの世界システムからの干渉は受けないが、ゆみこは新人の犬憑きなので場合によっては削除の対象になるかもしれない。
アルゴリズムは複雑極まる設計なので予測はゆみこの搭載する頭脳では計算予測不可能だ。
まゆこ「どうして表立って更新が行われるようになったんだろう」
ゆみこ「何らかのバグだろう」
とにかく犬憑きの日記やまゆこの夢からしか世界にはアクセスできない。
ゆみこ「夢に出てくる男と話して欲しい」
まゆこ「ガッテン承知」
スヤッと夜は快眠のゆみこ。
さっそく男に出会う。
まゆこ「こんにちは」
夢の中で犬になったまゆこは話しかける。
男「やあ、こんばんは」
まゆこ「あなたは誰ですか?」
男「私が古賀康弘といいます」
まゆこ「こがさんですね、何してるんですか?」
男「娘を探しています」
まゆこ「一緒に探しましょう」
そこで目が覚める。
まゆこ「古賀さんという名前の人だった」
ゆみこ「む」
まゆこ「古賀康弘」
ゆみこ「それ、私のパパだ」
まゆこ「ええ!?」
ゆみこ「喧嘩してんだ。だから私は普段は旧姓」
まゆこ「ふ、ふーん?」
ゆみこ「でもどうしてパパが」
まゆこ「ゆみこを探してるって」
ゆみこの父は日本のシステムの頂点を司っている。
それが図書管理システムなんて末端まで降りてきて、この世界のメタであるゆみこを探しているなんて、変だ。
バグの原因はトップがこんなところまで降りてきていたからだろう。




