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スキル【万能温泉】で、もふもふ聖獣達と始める異世界辺境村おこし。  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第65話 また行きたい


「いやあ~ソラの温泉は本当に沁みるぜ!」


「うむ。本当に疲れが消えていくようじゃな」


 村長さんの家でエルフの里のことを話したあとはいつものようにみんなで温泉に入っている。


「しばらく入らなかっただけで、この温泉ってやつが本当に恋しかったからな。ソラが戻ってきてくれて助かったぜ」


 そんなことをいうアリオさん。僕たちも一晩入らなかっただけでだいぶ不快な気分だったから、その気持ちも分かる。これだけ気持ちのいい温泉なら毎日入りたいよね。


『うむ。その気持ちは分からなくない。我も今ではソラの温泉なしでは耐えられぬかもしれぬ』


「クロウは大袈裟だよ」


 クロウはいつものように小さな姿になって温泉に浸かっている。


 でも確かに毎日入っているこの温泉に入れなくなったら大変だ。


「それにしてもエルフの里かあ。いつかは俺もいってみたいところだぜ」


「とっても綺麗な場所だったよ」


「セリシア殿と出会った時も驚いたものだが、それほどのエルフが生活しておるとはのう」


 そういえばエルフという種族は珍しいんだっけ。セリシアさんや他のエルフのみんなに囲まれてそんな感じは全然しなかった。


 いつかはこの村のみんなで一緒にエルフの里に行ければいいなあ。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「アリオさん、セリシアさん、おはよう!」


「おう、ソラ。クロウ様とシロガネ様もおはようございます」


「おはようございます」


 昨日は疲れたこともあってぐっすりと眠れた。野営をして夜空を見ながら眠るのもいいけれど、やっぱり自分のおうちだと安心してぐっすりと眠れる。


 安心したおかげでいつもよりも遅くまで眠ってしまった。畑の方へ行くとみんなはもう動き始めているみたいだ。


「昨日植えた作物がもうある程度芽を出していますよ」


『あら、早いわね』


 僕は疲れが限界で温泉から出たらすぐに寝ちゃったけれど、あのあとみんなはエルフの里からお土産でもらってきた種と苗を村の畑に植えて万能温泉のお湯をかけてくれた。


 そのおかげでもう畑には芽が出てきている。


「ちょうど畑を広げておいて良かったぜ。コショウや他の作物も植えておいたぞ」


 コショウや他の作物は僕たちがエルフの里へ行く直前に収穫していた。僕たちがいない時にも作物を育てていたらしいけれど、やっぱり気候が合わないコショウなんかは万能温泉のお湯がないと育たなかったみたいだ。


 だけどいいこともひとつあって、これまで作物を育てていた土壌がよくなっているらしい。たぶん万能温泉のお湯を毎日かけた続けたおかげかもしれない。やっぱりこの温泉には聖天の樹の穢れを取り除いたり、土壌を豊かにする効果があるみたいだ。


「エルフの里で食べたお野菜や果物はおいしかったからね。ルミエオレンの実は本当に甘かったから楽しみだなあ」


「ルミエオレンの木も本当はあの森でしか見かけない木なのですが、ソラくんの温泉の力があればきっと大丈夫だと思います。ただ、実を付けるまでに長い期間が必要だったと思うので、収穫は少し先になるかもしれません」


「へえ~そうなんだ」


 そういえば果物の木は普通の野菜よりも大きい気がする。万能温泉のお湯をかけると成長速度は何倍にもなるけれど、それでもしばらくはかかりそうかな。


 それでも他の野菜は早ければ数日で収穫できるはずだから楽しみだ。やっぱりいろんな種類の野菜を食べられるのは嬉しい。


『あとは小屋であるな。エルフの里で食べたあの魔物の卵はなかなか美味であった』


『卵は栄養もあるし、定期的に手に入るといいわね』


「クルックスはこの辺りにも生息しております。狩りをするついでに森で捕獲してきてもいいですね」


『ほう、この辺りにも生息しているのか。それなら話が早い、すぐに捕獲しに行こう。他にもちょうどいい魔物がいないかも探してみるか』


『あら、それじゃあクロウに任せようかしら』


「私もクロウ師匠にお供します!」


 あの大きなニワトリさんみたいな魔物はアゲク村の近くにも生息しているらしい。


 このあとクロウとセリシアさんたちで森まで行くらしい。昨日エルフの里から帰ってきたばかりなのに元気だなあ。




「それでね、大きな木の上に家を建てて暮らしていたんだ。階段もすっごく高いところにあって少し怖かったなあ」


「いいなあ~。ローナもいつかエルフさんの里に行ってみたい!」


「うん。すっごく楽しかったよ。今度この村にも来てくれるみたいだから、その時に聞いてみよう。でもここから結構遠いんだよね」


『そうね。ローナはもう少し大きくなってからよ』


 畑仕事をしながらローナちゃんにエルフの里のことをお話ししてあげた。ローナちゃんもエルフの里に行ってみたいらしい。僕ももう一度行ってみたい。


 でもクロウとシロガネがすごいスピードで進んでくれて3日くらい掛かったから、村のみんなで一緒に行くのは少し難しいかもしれない。


「おお~い、狩りに行ってたみんなが帰ってきたぞ」


 みんなと一緒に畑仕事をしていると、村の入り口から声がした。クロウやセリシアさんたちが帰ってきたみたいだ。


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