表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル【万能温泉】で、もふもふ聖獣達と始める異世界辺境村おこし。  作者: タジリユウ@6作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/93

第19話 万能温泉のお湯


「それでは乾杯!」


「「「乾杯!」」」


 村長さんの音頭で今日の晩ご飯が始まった。


「うわあ~昨日のご飯よりもおいしいね!」


『うむ、これは悪くない。野菜が明らかに昨日のものよりも美味だ!』


『そうね、こんなおいしい野菜を食べたのは初めてかもしれないわ!』


 今日の晩ご飯はクロウが狩ってきてくれたイノシシとシカのお肉と万能温泉のお湯で成長した野菜だ。


 2人の言う通り、昨日のお野菜よりもシャキシャキして歯ごたえがあって、味がとても濃厚になっている。昨日の野菜でも十分おいしいと思っていたけれど、まだまだ上があったみたいだ。


 この野菜は間違いなく元の世界で食べた野菜よりもおいしいと思う。


「うおっ、こりゃうまい!」


「ええ、本当に野菜がとてもおいしいわ!」


「それにこんなにたくさんの量を食べられるなんて最高だぜ!」


 村のみんなもすごく喜んでくれている。そういえば、昨日よりもご飯の量が多い。あんまり作物の育ちが良くないって言っていたし、普段はお腹いっぱい食べることができないのかもしれない。


「これもソラ殿のおかげですな」


「ああ。まさか朝植えた種がもうあんなに育っているとは思わなかったぜ」


 朝収穫した畑に新しく種を植えて、そこに万能温泉をかけたら、今日の夕方にはすでに芽が出てだいぶ成長していた。やっぱり万能温泉には植物の成長を促進させる効果があるみたいだ。


 成長日記をつけるために朝顔を育てたことがあるけれど、あの時よりも早いスピードで成長していた。確かにこれなら、今までの何倍もの早さで野菜を収穫することができそうだ。


「他の畑も明日がどうなるか楽しみだぜ!」


 万能温泉をかけた方が成長は早くなって、味がおいしくなることがわかったから、畑の全面に万能温泉のお湯をかけた。元の野菜の成長速度と比べるために10分の1くらいはそのまま残しておいて、畑全体にかけてみた。


 もしも畑全体が今日と同じように成長してくれたら、みんな今日みたいにいつでもお腹いっぱい食べることができるのかな。


 他にもいくつか試してみたことがあるから、明日がどうなるか楽しみだね。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「ふあ~あ。おはよう、クロウ、シロガネ」


『うむ、おはようソラ』


『おはよう、ソラ』


 朝目を覚ますと、昨日と同じように僕の両隣にはクロウとシロガネがいてくれた。2人の温もりと柔らかさに包まれて、毎朝幸せな気分で起きられるね。




「おはよう」


「ソラお兄ちゃん、クロウくん、シロガネちゃんおはよう!」


「アリオさん、ローナちゃん、おはよう」


 朝家の外に出て、みんながいる方へ行こうとするとアリオさんとローナちゃんがいた。


 みんなはクロウとシロガネのことを様付けで呼ぶようになったけれど、ローナちゃんはそのままの呼び方をしている。エマさんはちゃんと様付けで呼びなさいと言っていたけれど、当のクロウとシロガネは気にしていないみたいだ。


「シロガネちゃん」


『はいはい、甘えん坊ねえ~』


 そしてローナちゃんは小さくなっているシロガネに抱き着いて抱っこをする。最近はここがシロガネの定位置になっている気がする。


「畑の成長具合はすごかったぞ……。とりあえず、まずは見てくれ」


 アリオさんについていき、村の畑へと移動する。


「うわあ~すっごいね!」


『これはまたなんとも……』


『本当に魔法よりもすごいわね』


 昨日は3分の1だったけれど、今日は畑全体がさらに大きくなっているように見える。それに昨日種を植えていた場所もすごく伸びていた。


「昨日植えたこの作物は本来なら種を植えてから収穫まで100日くらいはかかるんだが、10日分くらいの成長速度だな」


「そんなに成長したんだ!」


 つまり10倍くらいの成長速度になるのか。僕でもそれくらいの計算はできる。


『ソラの温泉があれば、それだけで食料問題も解決するな……』


『ええ。怪我や呪いを解除できるだけでもとんでもない能力なのに、とんでもないわね……』


「しかもこのやせ細った土地でもこれだけ大きな実を付けるんだから本当にすげえ!」


 みんな畑の成長速度にとても驚いている。


 よかった、僕も役に立てたようだ。やっぱりご飯がお腹いっぱい食べられることって大事だよね!




「ソラ殿、ちょっと来てもらってもいいだろうか?」


「うん」


 昨日と同じように畑を手伝わせてもらっていると、村長さんが僕を呼びに来てくれた。そのままクロウとシロガネと一緒に万能温泉を配置していた場所に向かう。


「昨日ソラくんの温泉からお湯を汲んで、服を洗っていたの。さっきまでは服の汚れがすごく落ちていたんだけれど、急に普通の水に戻っちゃったみたいね」


「そうなんだ」


 万能温泉のお湯を汲んで洋服を洗うと浄化の力で汚れが落ちていく。昨日から大きな桶にお湯を移して、洗濯用に使ってもらっていたんだけれど、エマさんが言うにはいきなりその効果がなくなってしまったみたいだ。


「ずっと効果が続くかと思っていたけれど、そうじゃないみたいだね」


『そういえば、昨日温泉からお湯を汲んでからちょうど1日くらいが過ぎたわね』


『なるほど。もしかするとソラの温泉の効力は温泉から離れれば、1日しか効力が持たないのかもしれぬな』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ