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スキル【万能温泉】で、もふもふ聖獣達と始める異世界辺境村おこし。  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第15話 お礼


「あなた、お願い。目を開けて……」


「お父さん、お父さん!」


「うう……」


 アリオさんのもとへ急いで走る。


 近くで見ると酷い怪我だったけれど、まだ生きている。でも急がないと!


「万能温泉!」


 アリオさんの少し横の誰もいない一角に僕のスキルを使って万能温泉を出現させる。


「な、なんだこりゃあ!?」


「ソ、ソラくん!?」


 村のみんなが突然現れた温泉に驚いて声を上げるけれど、それを無視して温泉のお湯を手ですくって、一気にアリオさんのお腹の傷にかける。


「ぐっ、いってえ~!」


「あなた!」


「お父さん!」


 よかった、万能温泉のおかげでアリオさんが意識を取り戻してくれた。でもまだ傷口は完全には塞がっていない。


「みなさん、怪我をした人は早くこのお湯に浸かってください!」




「……いったい何がどうなっているんだ?」


「よくわからねえが、このお湯に浸かると怪我が治っていくみたいだ。俺の腹の傷がもう綺麗さっぱり消えちまった」


「うおっ、すげえ!」


 アリオさんを含めて、怪我をした人には万能温泉に入ってもらった。6~7人の男性が服を着たまま温泉に浸かっている。幸い万能温泉は複数人で入っても効果があったようで、全員の怪我が治っていった。一番大きかったアリオさんのお腹の傷もすでに綺麗になくなっている。


 温泉は服を脱いで入るものだけれど、さすがにこの状況で服を脱いでいる暇はなかった。ちなみにこの万能温泉はお湯が自動で綺麗になる効果もあるみたいだから、たぶん服を着たまま入っても大丈夫っぽい。


「ソ、ソラくん、これはいったい……」


『やっぱりこうなっちゃったわね』


『ふむ、実にソラらしいことだ』


 村長さんの言葉を遮って、シロガネとクロウがこっちに来た。


「なっ!?」


「子犬と鳥が喋った!?」


「か、身体が大きく!?」


 そしてシロガネとクロウの身体が光り輝き、大きな姿へと戻っていった。


「シロガネ、クロウ、ごめんなさい。他の人にはできるだけ秘密にするって2人と約束したのに……」


『ふふ、いいのよそんなこと。私たちだって、同じようにソラに助けられたんだから』


『うむ。それに今回は大元をたどれば我のせいでもあるからな。この者たちを救ってくれて感謝するぞ、ソラ』


「うん!」


「い、いったいこれは……」




「な、なるほど。ソラ殿は不思議な力を使えて、それによって聖獣であるクロウ様とシロガネ様は助けられたと……」


「確かにあれだけの俺の腹の傷が一瞬で治っちまった……」


 みんなの怪我が無事に治って、今はクロウとシロガネと一緒に村長さんの家に案内された。


 村長さんの他にアリオさんと村の人が数人一緒だ。


『うむ。このことは一切他言無用である。もしそのことを誰かに話せば、どうなるかはわかっているであろうな?』


『もしもソラのことを話したり、危害を加えたりするようなことがあれば、この村ごと消滅させてしまうかもしれないわね』


「め、滅相もございません!」


「そ、そんなことは絶対にしません!」


「そんなことを言ったら駄目だよ、クロウ、シロガネ!」


 大きくなったクロウとシロガネが村の人たちを脅すようなことを言っている。もちろん僕のことを思っていってくれているのは分かっているけれど、それでもそんな怖いことをいっちゃ駄目だ。


「こういう時はちゃんとお願いをするんだよ。村長さん、みなさん、僕たちのことは秘密にしておいてください、お願いします!」


 僕は村のみんなに向かって頭を下げる。


 誰かにお願いをする時はちゃんと頭を下げないといけないんだよね。


『……むっ、ソラがそう言うのならば仕方がない』


『そうね、ソラの言う通りね』


 二人とも僕と一緒に村のみんなに頭を下げてくれた。


「あ、頭を上げてください! 我らの方こそ、村の皆の命を救ってくれて本当に感謝しております! もちろん、ソラ殿のことは絶対に他の者には話さないよう、村の者に徹底させます!」


「俺はソラのおかげで命拾いをした。あのままでは間違いなく死んでいただろう。助けてくれて感謝する!」


 みんなも僕たちに向かって頭を下げる。


 お互いに頭を下げあって、なんだかおかしな感じだ。


「皆様にお礼をしたいのですが、なにぶんこの村は何もない村でして……。もちろんできる限りの物をお持ちください」


「ううん、服もいっぱいもらったし、大丈夫だよ。それにあの温泉はいつでも出せるし、ずっと出せるみたいだから大丈夫。制限みたいなものもないんだ」


 万能温泉はいつでも出し入れできるし、お湯の中の汚れもすぐに浄化されて綺麗になるし、外に出たお湯なんかも次に出せば補充されることがわかっている。


「あ、あれほどの凄まじい治癒の力が無制限に使えるとは……」


「た、確かにそんな能力を持っていることがバレると、大変なことになってしまうな……」


 う~ん、改めて考えてみても本当にすごい能力だよね。


 万能温泉のことは村のみんなに伝えたけれど、僕が迷い人ということは話さないようにクロウから伝えられた。万能温泉は見せたけれど、別の世界の知識なんかがあると知られてしまってもよくないみたいだ。


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