プロローグ
あまりにも短い人生だった。齢17で命を落とすなんてあまりにも早すぎると思う。
まったく、神様がいるなら一言、いや山ほどの文句を言いたいところだ。
…
?「いやぁ、本当に申し訳ないと思ってますよ?ただ決まっていることは変えられないんですよ~。
人生っていうのは私たちでも干渉しすぎると…そのぉ、問題があるっていうかぁ…ね?」
実際に居たみたいだ、神様という存在は。実際に神様にあってみると存外文句よりもいたことへの驚きで
言葉が出てこないんだと初めて知った。しかし、それはそれとしてこんな若さで死んだことは変わらないのだから、やっぱり文句の1つは言わないと気が済まない。
まゆ「だ、だからって17歳って、今どきの成人ラインすら踏めてないじゃないですか!もっとなんとかしてせめて、せめて18歳までは生きられなかったんですか?」
?「そのぉ…できる限りは手を尽くしてたんですけどぉ…できないものはできなくってぇ。怒りもりかいできるんですけどぉ…あきらめてもらうしかないんですぅ…」
とのことらしい。一体どんなことに手を尽くしたのかが疑問に思うが、まあその辺は神様パワーがどうのこうのという話らしいので私では理解できないだろう。
?「なので…せめてもの償いに私からの提案なのですが…」
まゆ「提案…ですか?」
?「はい、まゆ…さんは確か人間界で流行している乙女ゲーム?をいつもプレイされていましたよね…?その世界で新しい人生を送ってもらおうかなぁ…なんて思ってるんですけどぉ…」
驚きの発言が神様から飛び出した。ゲームの世界に転生…そんなこと可能なのか?
衝撃のあまり私は数秒固まってしまった。
?「えっと、もしかしてあんまりですか…?そのぉ、それならまた別の案を考えますけどぉ…」
まゆ「あ、いや。ちょっとびっくりして言葉が…」
?「そ、そうですよね…急にこんなこと言われたらびっくりしちゃいますよね…ご、ごめんなさい…」
この神様、話していてわかったが基本的に気が弱い。こちらとしてもこんな気が弱そうな神様に喧嘩腰で話をするのは気が引けてしまう。私もなるべく穏やかに会話をするのを心がけよう。
まゆ「その、ゲーム世界に転生させるっていう案自体はそこまで悪いものじゃないです。ただ、何個か聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
?「あ、はい。質問によってはもしかしたら答えちゃいけない規則とかもあるので…答えれる範疇でなら…」
まゆ「まず、名前だけでもきいていいですか?」
?「あ、ごめんなさい…ずっと名乗らずにお話しして…その、私の名前はラフィって言います…よろしくお願いします…」
まゆ「えっと、ラフィ…様?もし仮に元の世界に帰りたいって願ったらそれは叶えられますか?」
ラフィ「それは出来ます…ただぁ、その場合は記憶を洗浄して完全に新しい人間に生まれ変わることになります…そ、そっちが良ければ転生先を元の地球にしますけど…どうされますかぁ?」
まゆ「記憶をリセットかぁ…なら案の乙女ゲーム世界も記憶をリセットして生まれ変わるんですか?」
ラフィ「あ、そっちは記憶を保持したままの転生に出来ますぅ…その、世界が別の軸…いわば異なる世界線っていう形になるのでぇ…持ったままでも大丈夫な感じなんですぅ…。」
ラフィ「元の世界に記憶を持ったまま転生させちゃうとその人に大きなバグ…っていう表現がわかりやすいかなぁ…そういう言わば異変が起こってしまうんですぅ…な、なので記憶を保持する場合は別世界じゃないと原則いけないんですぅ…」
なるほどバグ…ね、大体理解はできた。なら次の質問だ
まゆ「じゃあ、質問を変えるんですけど。乙女ゲームの世界はいわばゲーム世界じゃないですか。
そんなところに転生なんて可能なんですか?」
ラフィ「あ、それは大丈夫ですよぉ。世界っていうのはとっても不思議なんですぅ…誰かが今と違う別の今を考えるとするじゃないですかぁ…そうやって考えられた世界って元の世界から枝分かれして新しくううまれるんですよぉ…だから今回みたいに乙女ゲームの世界が元の世界から枝分かれして別世界に存在してる…っていう感じなんですぅ…」
…難しいことを言ってるがまあ、なんとなく理解できた。…いやちゃんと理解できてはないけどそんな深く理解できるとも到底思えないからまあいいや。
まゆ「わかりました。なら、その乙女ゲーム、QUEEN OF YOUの世界への転生でお願いします。」
ラフィ「か、かしこまりました。今ならどのくらいの階級とか選べますけどぉ…どうしますかぁ…?」
階級まで指定できるとはなんて行幸、なら選ぶのは一つだろう。
まゆ「なら、一番上の階級がいいです。どうせなら一番上の階級で今度の人生こそ心の底から楽しんでやるんだから!」
ラフィ「わかりましたぁ、なら転生までの手続きをしなくちゃいけないのでちょっと待っててくださいねぇ…」
さて、ついに私の第二の人生が幕を開けようとしている。QUEEN OF YOUの世界でい一番上といえばやはり国王の第一婦人および王太子の第一妃だろう。QUEEN OF YOUにおける第一妃は大変性格の悪いペリネというキャラクターだ…ペリネにだけは絶対に生まれ変わりたくはないものだ。
そうこうしてるうちに
ラフィ「て、転生の準備が完了しましたぁ…ご準備できればこちらのベッドに横になってもらっていいですかぁ?今から意識を世界に送りますのでぇ…」
まゆ「あ、はい。わかりました。…よい、しょっと。」
ラフィ「では、第二の人生をお楽しみくださいぃ。ちなみに送られた向こうの世界でのあなたの…」
そこで驚きの名前を最後に、私の意識は遠く離れていくのだった…
ラフィ「あなたの名前は、ペリネ・レヴィネーロさんですよぉ」
初めまして、おきさかろびと申します。
この作品が人生初めての執筆活動ということで大変緊張しておりますが、ぜひ多くの人の目に留まるような
作品に出来たらと思っております。
(ちなみに私事ですが、はめフラと悪役令嬢転生おじさんに大変感化されて執筆を始めたので似たような表現が出てきてしまったら申し訳ございません。まあ、設定の大本が完全に影響されてるので、温かい目で見守っていただければ幸いです。)