第6話 ステータス解禁!
赤ちゃんからようぢょへ。
7/27 題名追加
「行ってきまーす」
「あんまり遠くに行っちゃダメだよー」
「はーい」
私は玄関のドアをゆっくり閉めるとそのまま村へ向けて走り出した。
前世、佐藤京子の記憶を引き継ぎ、転生ポイントを貯めないといけないという強迫観念にしばしば襲われながらも私セシルは成長しました。
現在4歳。
結局、魔力を感じた最初の夜から私の意識はずっと保たれたままだった。
あれからいろいろこっそり訓練したり、イルーナにそれとなく聞いたりしてみたおかげで魔法関係のスキルは順調に成長している。しているが、最近少し行き詰まり気味だ。今日はその行き詰まりを解消するべく最近の試行錯誤、昨夜の考察を試すつもりでいる。
ちなみに、現在の私はこんな感じ。
セシル
年齢:4歳
種族:人間/女(管理者の資格)
LV:1
HP:9
MP:21,220
転生ポイント:35
スキル
言語理解 5
魔力感知 7
魔力循環 7
魔力操作 7
魔力自動回復 4
瞑想 9
熱魔法 8
湿魔法 8
空魔法 8
石魔法 8
光魔法 5
闇魔法 5
身体操作 9
投擲 5
弓 7
短剣 7
格闘 5
人物鑑定 6
道具鑑定 4
スキル鑑定 6
野草知識 6
道具知識 5
ユニークスキル
隠蔽 4
神の祝福
経験値1000倍
タレント
転移者
転生者
魔法使い
狩人
私頑張ったよ!!!
ちなみにこのステータスもなんとか自分のことわかりたいと思っていろいろやってるうちに獲得した人物鑑定で見られるようになりました。他人のステータスも見られるんだけど、隠蔽スキル持ってる人には効かなかったりする。
それで発覚したこと。
私がやたらとスキルを覚えてたのはこれ。
「神の祝福:経験値1000倍」
これ絶対チートよね?
ガチなやつじゃん…。
おかしいと思ったよ。やたらスキル覚えるから、この世界簡単すぎるでしょって思ったけど。
なんてことはない。
おかしいのは私だったわけだ。
しかもこの神の祝福ってなに?神様から貰ったスキルってことだと思うけど…こんな依怙贔屓していいんだろうか?
あとこれね。
「転生ポイント:35」
私が貯めなきゃってずっと思ってたのはこれのことだったらしい。実際どこまで貯めなきゃいけないかはまだわからない。
今の人物鑑定やスキル鑑定だとそこまで深くは見られないらしい。
そんなわけで突っ込みどころ満載なステータスになったわけだ。
MPがやたら高いのは私の訓練の成果。風船膨らませるみたいに魔力を…ってやってたらいつの間にか。現在の魔力の塊は私の全身を余すことなく広がっている。現状これ以上増やすことができないのも悩みの種だ。
あとは知らなかったところでタレントというもの。
一種の称号みたいなものかなと思ったが、これもスキル鑑定が手に入ったおかげで判明した。
≪転移者≫:生来のステータスを大幅に向上させる。転移者にのみ転移者と告げることができる。
≪転生者≫:前世でのステータス、知識、経験を引き継ぐ。転生者にのみ転生者と告げることができる。
≪魔法使い≫:魔法の威力を向上させる。
≪狩人≫:遠距離攻撃の命中を向上させる。
これがどの程度の向上なのかわからないが、これもチートの一種なんじゃ?あぁでもイルーナだって魔法使いは持ってるしなぁ。
元々セシルとして持っていた能力を転移者と転生者でかなり上げている。加えて魔法の威力も投擲などの遠距離攻撃の命中も上がっている。ただ同じような転生者にしか転生者と告げることができないっていう縛りはなんなんだろう?よくわからないけど、これだと私は私と同じように転移もして転生もしてる人にしか素性を明かせないってことじゃないの?
これ他のタレントも手に入ったらどんどん壊れ性能になっていくんじゃないだろうか?
それ以上に最もわからないのが種族。
種族:人間/女(管理者の資格)
管理者って何?これもスキル鑑定では詳しくはわからないので今のところは放置するしか無さそう。
「さて、と」
村に着いてから今来た方向とは別の郊外へ向かって歩き、人気の無い丘にやってきた。
丘の上に立っている木には的を書いた板やロープで吊り下げた太目の枝などがある。
私の秘密の特訓場だ。秘密と言ったところで丘の上だから見晴しはいいし遠くから見ることもできる。
それでも隠蔽スキルを使っていれば私の姿を見られることはないんだけどね。
「とりあえず、昨夜の考察の続きを」
イルーナがやっていたような火→水→風→地→光→闇の順に手の平に事象を発生させてみる。
これだけで上がるスキルレベルはここまでが限界。恐らくこれ以上スキルレベルを上げるにはもっと強力な魔法を使えばいいのではということ。
ただ強い魔法は知らない。だから強い魔法じゃなくてもできることがあるかもしれないと思ってここで試してみようと思ったわけだ。
右の手の平を上に向けて熱魔法を使う。
この熱は水をお茶が飲めるくらいの温度まで上げることしかできない。なので、もっと温度を上げる。上げたい。
とりあえず、集めてきて積んである枝を当ててみる。もちろん火が点いたりしない。水を沸騰させることもできない程度の熱では仕方ないだろう。まず物が燃える、燃焼には酸素が必要だから右手はそのままに左手から空魔法を使ってみる。左手から少しだけ風が起こるがそれでも火は点かない。
あとは気合。木を燃やす。それだけを考えて温度を上げていく。
チリッ
ようやく枝のささくれた皮の端が少し燃えた。
---スキル「熱魔法」の経験値が規定値を超えました。レベルが上がりました---
スキル「熱魔法」8→9
スキルレベルが上がったところで私は左手の空魔法を更に操作して枝の回りを真空にし右手の熱魔法の温度を更に上げていく。
---スキル「空魔法」の経験値が規定値を超えました。レベルが上がりました---
スキル「空魔法」8→9
顔に照りつける熱が徐々に強くなってきたところで、集めてきた枝が全て炭化した。
「ふぅぅ…成功かな」
---スキル「熱魔法」の経験値が規定値を超えました。レベルが上がりました---
スキル「熱魔法」9→MAX
---スキル「熱魔法」の経験値が規定値を超えました。スキルが進化します---
スキル「熱魔法」はスキル「火魔法」に進化しました。
---スキル「空魔法」の経験値が規定値を超えました。レベルが上がりました---
スキル「空魔法」9→MAX
---スキル「空魔法」の経験値が規定値を超えました。スキルが進化します---
スキル「空魔法」はスキル「風魔法」に進化しました。
お?なんか今までと違うよ?魔法は下級のものから上級に進化するものらしい。じゃあ水と地も試してみなきゃね。
その後試行錯誤してなんとか湿魔法を水魔法に、石魔法を土魔法にと進化させた。
ついでに入手したのが
ユニークスキル「魔法同時操作」「詠唱破棄」
なんか魔法に関してはどんどん常人からかけ離れてきているような気がするけど気にしちゃダメよね、うん。
ということで、次。
熱魔法は温度の上昇だけで普通の火は出せなかった。火魔法になったことで普通の火も出せるようになったので、一先ず手の平の上に火の玉を出す。その上でさっきの熱魔法と同じように温度を上げていく。
炭を作ったときとは違って熱さはまだ感じない。ここから放出、発動すると熱を感じるようになるのは何度か試したことでわかっている。
そして更に圧縮、熱を上げて少し離れたところにある岩にその火を飛ばした。
ボシュッ
一瞬で岩が蒸発しかけてガラス質の妙にキラキラした岩が出来上がった。数千度まで温度を上げることが出来たらしい。
---スキル「火魔法」の経験値が規定値を超えました。レベルが上がりました---
スキル「火魔法」4→7
さて、どんどん試していこう。
水を圧縮して打ち出す。ガラス質の岩を打ち砕くほどの威力になった。
続いて自分の体を圧縮した空気で包んで風圧で自分の体をピンボールのように打ち出す。高速での機動が可能になる。空気の塊で自分を包んでいるが急機動でのGだけは緩和できない。これだけは自分の体を強化しないとダメかもしれない。
今度は砂や小さな石ではなく、タケノコのように岩の槍を地面から生やしていく。1本だけでなく数本。同時に高速で。
スムーズにできるようになるまで繰り返したことで四属性の魔法は軒並みスキルレベルが8まで上がった。
これ以上はまた更なる考察が必要になりそうだ。
下位の熱、湿、空、石魔法もただ使うだけだと8までしか上がらなかったし、間違いないと思う。頃合いを見計らってイルーナに聞くくらいしかできないのはちょっと困ったところよね。
さて!とりあえず、今日の魔法の訓練はここまでかな。
今朝も上げたけど昨夜は寝落ちでしたので本日はもう一つ。