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第162話 王都管理ダンジョン 13

GW連続投稿中です!

 白鎧王を倒して、回復を待っている間に気になったことがある。

 戦帝化を使ったことによるレベルダウンについてだ。

 今回初めて使ったスキルなのでどのくらいの下げ幅があるのか不明だったのでなんとなく自分のステータスを開くのが躊躇われた。

 かと言って確認しないわけにもいかないので覚悟を決めて自分を鑑定してみることにした。


セシル

年齢:13歳

種族:人間/女(管理者の資格)

LV:918

HP:180,677

MP:1,548M

転生ポイント:1,531k ▼


スキル

言語理解 8

補助魔法 MAX

付与魔法 MAX

威圧 MAX

投擲 MAX

弓 MAX

槍術 8

棒術 7

格闘 MAX

魔闘術 MAX

人物鑑定 9

道具鑑定 9

スキル鑑定 MAX

宮廷作法 9

料理 6


ユニークスキル

炎魔法 MAX

氷魔法 MAX

天魔法 MAX

地魔法 MAX

理力魔法 MAX

空間魔法 MAX

超剣技 8

隠蔽 MAX

探知 MAX

異常無効 9

錬金術 7

魔道具作成 9


レジェンドスキル

魔力闊達 7

聖魔法 5

邪魔法 5

四則魔法(上級) 1

新奇魔法作成 8

戦帝化 3

egg -


神の祝福

経験値1000倍


タレント

転移者

転生者

剣闘マスタリー

格闘マスタリー

魔ヲ極メル者

理ヲ修メル者

狙撃手

錬金術士

魔工技師

蛮勇

突撃者

鉄壁

残虐

憤怒


 あー。

 うん、わかってる。

 ダンジョン入る前に比べたらかなりレベルは上がってる。

 けど、戦帝化を使う前に比べると実に四百くらいはレベルが下がっている。

 あれだけどうしようもないくらい強かった白鎧王をほとんど一方的に倒してしまえるほど強化されるけど、長く使えば使うほど弱体化してしまう両刃の剣のみたいなスキル。

 ほんの十分くらいしか使っていないはずなのにこの下がり方は危険だ。

 今後も本当にヤバい相手にしか使いたくないね。

 それにしてもスキルの使用は極短時間だったにも拘わらずレベルが二つも上がっている。

 レジェンドスキルはかなり使い込まないとレベルが上がらない。実際新奇魔法作成はあれだけ新奇魔法を使ってるのになかなかレベルMAXにならない。

 まぁあんまり戦帝化は使い込みたくないし、レベル上げをしようとは思わないけど。

 あとは…転生ポイントの右、だよね。

 なんだろ?この「▼」は?

 私の意識がその部分に集中したところ、自分のステータスを表示していた白いボードが切り替わって別の説明が出ていた。


「うわっ?!」

「セシル?どないしたんや?」


 突然声を上げた私に地面に転がっていたアイカが顔だけこちらに向けた。

 それを両手を振りながら「なんでもない」と言って意識をステータスのボードに戻した。

 そこに書いてあったことは私に衝撃を与えてきた。


 転生ポイントが基準値を超えました。

 以下の特性を得ることが出来ます。

 種族人間から英人種へと進化可能。

 種族特性としてユニークスキル闘技、並行思考が獲得されます。身体能力、魔力が向上します。

 注意。下位種族と子を為すことは不可能です。上位種族とは可能ですが、技能継承のためには同一種族に限定されます。

 進化しますか?


 いやいや、ちょっと待って待って。

 何を言ってるの?

 人間から進化?まだこれ以上になるっていうの?

 しかも今度こそ間違いなく人外になっちゃうでしょ?!

 更に結婚して子ども作るには上位種族としか無理ってどういうこと?そんなことになったら普通の女の子としての幸せは諦めなきゃいけないんじゃないの?

 私がそう思ったところで白いボードに追加で文字が刻まれた。


 現在英人種の人口は1,641人です。


 …こんな機能あったの?

 他にもいろいろ確認したいことあるんだけどそれも回答してくれるのかな?

 そう思ってeggについて意識を集中してみたけど、回答は出なかった。結局この進化に関することしか答えてくれないみたいだ。

 さて。

 それはともかく得られた回答からすると英人種はそれなりの人数がいるみたいだし、私みたいに転生ポイントを貯めて進化したのだとしたらそれなりに強い人も多いと思う。

 ひょっとしたら私を守ってくれるような人もいるかもしれないし、相変わらず頼りないリードに期待しすぎるよりよほど現実的かもしれないね?


「なんやさっきから表情がぐるんぐるん変わって…何見てん?」

「んー、ステータスに進化しますかって出ててね」

「…なんやそれ?そんなん初めて聞いたで?」


 すると神の眼を使って私を舐めるように見つめてくるアイカ。

 普通の鑑定と違ってアイカの神の眼で見られても違和感はないけど、さすがにこうマジマジと見られるとちょっと身体が引き気味になってしまう。


「ホンマや…。んでどうするん?」

「進化すると普通の人間とは子どもが出来なくなるかもしれないんだよね。上位種族としか駄目なんだって」

「なんやそれ?じゃあウチらみたいな人を探さなアカンってことかぁ」

「…そもそもアイカとクドーが上位種族に当たるって今初めて知ったけどね…」


 いつものようにケタケタと笑うアイカ。クドーも話は聞こえているだろうけど我関せずを貫いている。

 さすがの私もアイカからクドーを取ろうとは思わない。

 二人がそういう雰囲気になったところを今まで一度も見たこともないけどさ。


「まぁ別にえぇんちゃう?人間とも恋愛出来ないわけやないんやし」

「うん。でももうちょっと踏ん切りがついてからにするよ」

「それもセシルの自由や。…ほな、そろそろ採取も始めよか」


 そう言って勢いをつけてアイカが立ち上がるとすぐ後にクドーも続く。

 私も少し遅れて立ち上がると壁に向かって歩き始めた二人についていくとある程度離れたところで立ち止まった。

 そのまま二人は壁まで到達すると採取のための準備なのかいくつかの道具を魔法の鞄から取り出して足元へと置いた。


「セシル、今から壁を破壊する。ここなら魔物は寄ってこないかもしれないがもし来たら対処してくれ」

「うん、そういう約束だからね。任せて」


 クドーは一つ首肯するとその手に巨大な杭がついたようなハンマーを取り出した。


「大貫鎚『ドルトガ』。……ぬぅぅぅぅぅぅああぁぁぁぁぁっ!」


ドォォォォォォォォン


 クドーが振り下ろしたハンマーは迷宮金で出来た壁を大きく穿った。

 壁から剥がれ落ちた迷宮金をアイカが何かの道具で処理して手際良く空間魔法で作った亜空間へと放り込んでいく。

 アイカの処理速度は凄まじく、クドーも次々にハンマーで壁を破壊していく。

 既に幅五メテル分は壁が剥がれ落ちていて、その向こう側は土の壁でもあるかと思いきや、真っ黒な空間だけが見えていた。

 少し聞いた話だけどダンジョンマスターの作るダンジョンの壁の向こうは亜空間になっており、そこへ落とされると二度と戻ってこれないのだとか。

 私は二人がそこに落ちないことを祈るのみだ。

 そして私には私のやることがある。


ガチャガチャッ ガチャン


 私達の周りには迷宮の壁を破壊したことによって大量の魔物が寄ってきていた。

 ひょっとしたらドラゴンが現れるかもと思っていたけど、この層での雑魚扱いになる魔物はリビングアーマーのようだ。

 普通のリビングアーマーなら素手でも破壊可能だけど、ここのはそうもいきそうにない。

 例えば先頭にいる鎧は黒光りする無骨なもの。普通の人間があんな鎧を着てしまったらまともに動くことも出来なさそうな代物だ。あれはアダマンタイトで出来た非常に硬い鎧だと思っていいと思う。他にもミスリル製のものもいるし、見ただけではわからないような金属のものまで。オリハルコン製のリビングアーマーは今のところ現れてはいないことが救いだろうか。

 とにかくアイカとクドーが採取を完了して、その後こいつらを全滅させることが勝利条件であり、私達がこの迷宮に入った最大の理由でもある。

 私達と言っても戦えるのは私だけ、対するリビングアーマーは今でも百体はいるのに二人が壁を破壊し続ける限り増えていくという無茶苦茶な状況だ。

 でもやるしかない。

 私は両頬を手のひらで叩いて気合いを入れると両手に魔力を集中させながらリビングアーマー軍団へと突撃していった。


「二人ともなるべく早く片付けてよね!」




 自分の魔法を便利に使う訓練をしていてよかったとかなり本気で思った。

 空間魔法で収納する訓練という地味なものだったけどね。

 それをしていたことで継続する集団との戦闘でも戦利品を地面へ放置せずに済む。

 何が入ったかはよく覚えていないのでダンジョンを出たら私とアイカは広い場所で亜空間へと収納した物の仕分け作業を行う必要があるだろう。

 そして目の前にいたリビングアーマー軍団も今はもういない。

 アイカもクドーもその場に倒れ込んでいる。

 迷宮の壁を破壊する作業も迷宮金をその場で錬成して持ち帰れるように処理する作業もかなり消耗するらしい。

 話だけは聞いていたけど、二人ともさっき白鎧王と戦ったときみたいにぴくりとも動かない。

 私も大量に襲い来るリビングアーマーを撃破し続けることに疲れて地面に仰向けで寝ている。

 倒した数も二百から先は数えるのを止めてしまった。

 時間で言えば鐘半分くらいでしかないのだけど、非常に長く感じた。

 ちょうど短大での講義一コマ分全力で戦い続けていたことに。


「疲れた…」


 私が呟くと二人からも「あぁ」とか「ホンマやな」と返事が聞こえてきたけど、それ以上の会話をするつもりがないのか本当に疲れて喋るのも億劫なのかわからないけど、ぱったりと口を噤んだ。

 またしばらく休んで回復したら最奥の部屋へと向かう。

 それをもってようやくこのダンジョンアタックも終わりになるのだ。

 あと少し頑張ろう。

今日もありがとうございました。

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