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第16話 夢の第一歩

ようやくチートらしいステータスになってきました。

7/28 題名追加

 イルーナとの訓練がひと段落して現在休憩中。

 特異魔法…という名のオリジナル魔法を魔法創造で登録し終わったところである。

 さすがに濃度の濃い訓練というか、教えを受けた後なのでスキルがまた更に大変なことになっているのではないかと危惧してステータス画面を開いたところだった。


セシル

年齢:4歳

種族:人間/女(管理者の資格)

LV:13 up

HP:101 up

MP:43,995 up


転生ポイント:53


スキル

言語理解 6 up

気配察知 4

魔力感知 8 up

魔力循環 8

魔力操作 9 up

魔力自動回復 7

瞑想 9

火魔法 MAX ⇒ユニークスキル 炎魔法 1 new

水魔法 MAX ⇒ユニークスキル 氷魔法 1 new

風魔法 MAX ⇒ユニークスキル 天魔法 1 new

土魔法 MAX ⇒ユニークスキル 地魔法 1 new

光魔法 9 up

闇魔法 9 up

身体強化 1

投擲 5

弓 7

片手剣 7

短剣 MAX

格闘 9

人物鑑定 6

道具鑑定 4

スキル鑑定 8 up

野草知識 6

鉱物知識 1 new

道具知識 5


ユニークスキル

魔法同時操作 4

詠唱破棄 4

隠蔽 4

四則魔法(下級) 7 new

魔法創造 7 new

 圧水晶円斬(アクアブレード)

 不動圧(フリーズ)

 小破爆(バースト)

 閃音炸裂(スタンライト)


 うーん。訓練中にも脳内で何度かスキルレベルが上がった音はしてたからひょっとしたらとは思ってたけど、思った以上の成果らしい。

 新しく手に入ったものの中で凶悪なのはこれかな?


四則魔法(下級):属性魔法を自在に使い熟す者が更に世界の力を手にするための力。熱操作、力操作、植物操作、鉱物操作使用可能。精度はスキルレベルに依存する。


 なんだか段々自分が人外になってきてる気がするよ。

 一応どういうものか試してみたからスキルレベルがもう7になってるわけだけど。

 熱操作はそのまま温度を自在に操作できる。ただ、これはある程度近くにいないとできないし誰かの意思が介在するものには操作の対象にできない。簡単に言えばイルーナの火魔法の温度を下げて無効化、とかはできない。その代わり今ある火の温度を上げたり、更に下げて凍らせることもできる。ある程度近くにいないとできない上に消費するMPの量を考えれば普通に炎魔法や氷魔法を使った方が効率はいいと思う。

 一番役に立つかなと思ったのは自分の周囲の温度を任意に操作できること。これがあればエアコンいらず!気温を少し操作するくらいなら10分で1くらいしかMPを消費しないので、実質無限に使える。あとは操作に慣れていつでもオートで使えるようになれば完璧かな?

 力操作は…これも呆れたけど、力が働く大きさと向きを操作できる。熱操作と一緒で誰かが生み出したものはなかなか変更できないけど、自分で作り出したものや自然に発生したものなら操作は可能だ。

試しにアクアブレードの回転力を操作したら水圧だけで回転させるよりも遥かに回転数が上がって切れ味が増した。

 これに付随ではないが、鉱物操作で石やら金属の操作、加工などが魔力でできるようになった。今までは地中にある石英の粒をそのまま使う程度だったが、大きさを揃えて混ぜることができるし純度も思いのままだ。

 最後に植物操作はそのまま…と言いたいところだが、単に自在に植物を動かすだけのものではなかった。植物を素材に様々なものを取り出すことができる。繊維だけを取り出してロープも作れたし、簡単な服も私のイメージに沿ってなら作れた。麻に近い肌触りで絹のようにとはいかないのはちょっと残念だけど。

 もっとも、絹はカイコの繭から作られる動物性のものだからこのスキルではどうにならないとは思うんだけどね。

 他にも成長を促進させることができるので実や種を手に入れるのも容易になりそうだ。

 ちなみに鉱物操作でとても驚いたことがある。

 地中にある石英の細かい粒を集めてくっつけることが可能だったのだ。

 今私の手には小石程度の水晶の塊が握られている。

 つまりよ?これがあれば小さな宝石の欠片をたくさん集めれば大きな塊にできるということに!!

 これは…とんでもないスキルだよ。私にとって今までで一番実用的かつ魅力的、それでいて恐ろしい能力。

 純度も操作できるということは不純物の量や質なんかも操作できるので様々な宝石を意のままに作り出すことができる。さすがに無いものを作り出すことはできないので不純物は減らすことしかできないが。

 しかし繋ぎ合わせられるということは原石内にあるクラックすら除去できることになる。

 例えばエメラルドのようにクラックがあるのが普通、もしくはそのクラックを綺麗に見せるカットをして価値を高めるものがある。勿論、クラックは無いに越したことがないのでそういうものほど希少で価値が高いとされている。


 それを!


 私の手だけで!


 意のままに!


 作り出せるだと?!!?!?!


 気付いた瞬間私は夢にまで見たキラキラの宝石に囲まれて一日中眺めている生活を本気で掴めるところに確実な一歩を踏み出したと確信した。

 今度時間を見ていくつかの宝石を探しに行ってみようかと思う。極小さな欠片であれば川にだってあることもあるしね?


 しかもこれで下級だから、上級になったらどうなるのか想像するとちょっと怖いものがあるね。

 休憩もひと段落したところで、イルーナから声がかかった。


「さってとー。じゃあ次はセシルちゃんの魔力量を増やす訓練をするよっ」


 再び右手に拳を作って空に掲げるイルーナ。

 このポーズ気に入ってるのかな?


「私の今の魔力量ってかなりあると思うんだけど?」

「うん、いい質問です!」


 びしぃっと私に人差し指を突き付けてきた。

 はいはい、人を指差したらダメだよ。

 差された指を取って下げさせると不満そうに腕を組む。

 子どもじゃないんだからもう…。


「多分セシルちゃんは生まれてからずっと自己流で魔力量を増やしてきたと思うのね?」

「うん、気付いたときからなるべくいろいろ試してるよ」

「それだと体の成長と同時に増えていくんだけど、ある程度で増えなくなっちゃうんだよ」


 言われてみれば思い当たるところがある。最近はどれだけ魔法を使ってもMPが上がることは無くなってきている。それでもこの年齢、この体格でここまでのMPがあるのはひょっとするとかなりすごいことなのかもしれない。


「さっきからの訓練でセシルちゃんが年齢の割にとんでもなく高い魔力量を持ってるのはわかったけど」


 あ、やっぱりこのMPって多いんだ。確かにかつて冒険者で慣らしたイルーナとほぼ同じだけのMPを持ってる4歳児っていうのはやっぱり異常よね。


「強力な魔法やセシルちゃんの特異魔法を使うには魔力量はどれだけあっても困らないし、上げられるなら上げてしまおうと思うのです!」


 再び拳を突き上げた。ほんと好きね、コレ。


「母さんの言ってることはわかったよ。確かにアクアブレードは一回撃つだけでもかなり使っちゃうからね。三十回くらい使ったら無くなっちゃうかも」

「…そもそも消費魔力がそんなにある魔法って時点で異常なんだけどね?それを三十回使うことを前提にするのもおかしいことにこの子は気付いてるのかなぁ?」

「え?」

「あ、うぅん。なんでもないよー、なんでもない。それじゃ、どうやって増やすかの話をするよー」

「はーい」

「うんうん、可愛いお返事だねっ。コホン。それで魔力量を増やすには体を大きくする、レベルを上げる以外に体内に蓄えておく魔力の濃度を上げる方法もあるのね」

「魔力の濃度?」

「そうそう。魔力圧縮って言って、自身の魔力をぎゅって小っちゃくして体に入れておくんだよー」


 圧縮、と聞けばパソコンのデータの圧縮が思い起こされる。他にも使ったことはないけど布団圧縮袋とかもかな?

 しかし体内に既にあるものを圧縮するということがイマイチピンと来ない。

 悩んでいると顔に出ていたのかイルーナがクスクスと笑い始めた。


「うふふ。セシルちゃん?魔法の基礎はなんだったっけー?」

「うん?魔法の基礎は…体内の魔力を集中してイメージを膨らませ…あ」


 わかった。

 私の閃きにイルーナも気付いたようでさっきのような笑い方ではなく頷くようにニコニコと笑っている。


「試してごらん?」

「うん!」


 そう、大事なのはイメージ。

 魔法も魔力の使い方も結局はイメージ次第。

 MPを増やしたいとは思っていたのに試すことすらしていなかった。

 自分の中にある魔力を圧縮する。最初は大きな塊をシュッと小さくなるようにイメージしてみた。

 どうにもうまくいかない。そりゃ確かに何もせず圧縮するなんて無理だよね。

 次は踏み固めるイメージ。上からドンドンと押さえつけて土を固めていくイメージで。


---ユニークスキル「魔力圧縮」を獲得しました---


 お?スキルが手に入った。じゃあ続けてやってみようかな?

 次は…濃縮?煮詰めるような感じはどうかな?



 おぉ、いい感じ。

 なら、液体から固体に変わるような…?

 あ、ダメだ。これだとなんか詰まっちゃう感じがする。うまく入れることができたとしても取り出しにくくなっちゃいそうな感じがする。

 それじゃ一枚の布みたいにして折りたたむとか?それで最後に布団圧縮袋みたいに隙間を吸い出せばどうだ!?



「ちょ、ちょっとセシルちゃん!?」

「え?……あ…」


 イルーナに声を掛けられ気付いたときには目の前がぐにゃりと歪んだ。

 MPの枯渇ではないけど、急激に最大MPに対して今のMPが極端に減ってしまったときに起こる卒倒。

 二歳くらいまではたまにやってしまっていたけど、最近ではほとんどなかったはずだった。本来MPがゼロにならないと気絶したりはしないのだが、急激にMPが減ったときに一時的に意識を失う現象。

 ほんの数分程度意識が飛んでしまうが、私にとっては慣れたもの。

 完全に意識が闇に落ちる直前に慌てた様子のイルーナがすごい勢いで走ってきたのだけが見えた。




 目を覚ますと真上にイルーナの顔があった。

 いつも見てるけど、穏やかな笑顔でとても綺麗な瞳。もちろんどこの女神だって思うほど顔の作りも綺麗。柔らかな金髪が風に靡いてキラキラと輝いている。

 どうやら意識を失ったあと、イルーナによって木陰に運ばれて膝枕されていたようだ。


「気がついた?」

「…うん」

「もー、いきなりあんなに圧縮したらダメだよー。すっごく心配したんだからねっ」

「ご、ごめんなさい」

「もー…もー!もー!」


 母さん牛になってます…。

 でもいらない心配を掛けたことはやっちゃったなぁって思う。


「でも、魔渇卒倒するくらいなら結構増えたのかもしれないね」

「魔渇卒倒?」

「今のセシルちゃんみたいに魔力を使いすぎたりして自分の魔力量がすっごく少なくなった時に起こるんだよ。意識が無くなったり、目眩や吐き気だけの人もいるよ。だから相当圧縮しちゃったんじゃない?」

「うーん…やっぱりやりすぎたみたい。どんどん小っちゃくなるからつい」

「あはは、わかるわかる。私も昔教えてもらったときになっちゃったからねー」

「えー…母さんも私のこと言えないじゃんかぁ」

「えへへへ、ごめんね」


 ペロっと舌を出して謝るイルーナはとてもかわいい。

 って、自分の母親に私は何を思ってるんだ。しかも同性だから!

 と、とりあえずステータス見てみようかな!

 無駄にドキドキした気持ちを抑えて自分のステータスでMPを確認してみた。


28,154/583,636


 ……あぁ、また盛大にやらかしてる。

 MPが10倍以上になってる。しかもレベルは上がってないわけだからここから更に増えてくわけよね…?

 うん、とりあえず増えたことだし、困ることはないんだしOKよね!


「あ、それと圧縮はたまに気付いてやっておかないと最初はなかなか圧縮された状態で溜まっていかないから気を付けてね。慣れてくると圧縮された状態で溜まるから」

「はーい。たまにやっておくよ」

「でもまた卒倒するまでやっちゃダメだからね!」

「う、わ、わかってるよー」


 この日は私が倒れてしまったこともあり、MPが残り少ないと判断して帰ることになった。

 もう少しくらいならなんとかなったとは思うけど、無理して心配掛けても意味がないので従うことにした。余裕で歩いていける距離だったというのにイルーナに押し切られておんぶされて帰ることになった。

 少し恥ずかしい気はしたけど、大好きな母さんの背中に顔を押し付けて甘えることができてとっても満足でした!

本編でセシルも言ってますが、私も言います。セシルはノーマルです。

いつか誰かと結ばれるとか考えるのですが未だに悩み中です。

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