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第13話 初レベルアップ!

本日二話目です。

これの前に閑話を投稿しています。閑話は宝石好きなセシルの一面を出せているかなと思います。

7/28 題名追加

 私は丘の上の木の前で立ち尽くしていた。

 今日は訓練をするつもりはない。

 さすがに昨日あんなことがあったのに今日も変わらず訓練をするほど脳筋じゃないよ。私だってかなり落ち込んでいるし、我ながら精神的に不安定だなーと感じている。

 それはそれ。これはこれ。

 こうして立ち尽くしているのは自分のステータスを見ていたからだ。

 軽く体を動かして、意を決して開いたわけなんだけど…それがこれ。


セシル

年齢:4歳

種族:人間/女(管理者の資格)

LV:13 up

HP:101 up

MP:43,995 up


転生ポイント:53



スキル

言語理解 5

気配察知 4 new

魔力感知 7

魔力循環 8 up

魔力操作 8 up

魔力自動回復 7 up

瞑想 9

火魔法 9 up

水魔法 9 up

風魔法 9 up

土魔法 9 up

光魔法 5

闇魔法 5

身体操作 MAX ⇒身体強化 1 new

投擲 5

弓 7

片手剣 7 new

短剣 MAX up

格闘 9 up

人物鑑定 6

道具鑑定 4

スキル鑑定 6

野草知識 6

道具知識 5


ユニークスキル

魔法同時操作 4

詠唱破棄 4

隠蔽 4


神の祝福

経験値1000倍


タレント

転移者

転生者

魔法使い

狩人


 えっと?

 最近は訓練してもなかなかスキルレベル上がらないなーって思ってた昨日の私カムバーーーーック!

 滅茶苦茶上がってるよね!?

 そしてついにレベル1から脱却!それもいきなり13て。

 HPは10倍、MPも2倍になってる。

 さすが神の祝福、経験値1000倍だね。

 4つの属性魔法ももうすぐMAXになっちゃいそうな勢いだよ。

 身体操作も進化して身体強化になってる。スキル鑑定で見てみたところどうやら身体を動かすのが楽になる身体操作と違って肉体の能力を全体的に引き上げるスキルのようだ。

 短剣スキルはMAXだし格闘スキルもMAX間近。そして見たことのない片手剣スキルまで。何でだろ?

 あー…。そういえばゴブリン倒したときにゴブリンの持ってたショートソード使って1体倒したっけ。

 それにしても軒並み上がりすぎな気がする。

 昨日やったことと言えば、いつもの訓練とガーキン、ブーボウ狩り、ゴブリン退治。ブーボウ狩りまでは割りと落ち着いてたから明らかにゴブリン退治が原因だよねぇ。

 確かに思い起こすと戦ってる最中に頭の中でいつものアナウンスが何回か流れてたような気がする。

 となれば、だ。私のすることは決まってくる。


 ①今まで通り魔法の訓練をする。使用に慣れるため。

 ②いろいろなことを試してスキルを得られるか試してみる。

 ③魔物を倒す。


 ①は今まで通りだし、これは問題ない。②もあれこれと試してみるだけだから大丈夫だと思う。危険なことさえしなければ止められることもないだろう。

 最大の問題は③だよね。

 恐らく魔物を倒すと訓練で得るよりも大きな経験値が入るんだと思う。それとレベルが上がるのは魔物を倒したときに得られる経験値に限定されてるということ。

 自分のステータス強化、スキルのレベル上げ、私自身の経験。これら全てを一気に得られる。但し失敗したり魔物に負ければ命に係わる。さすがに昨日あれだけ両親を心配させた後で「魔物と戦いたい」なんて言ったら…今度こそ怒られるよねぇ…。




「魔物退治したい?うん、いいよー」


 思い切ってイルーナにおどおどしながら相談してみたらあっさり許可が下りた。

 拍子抜けして目は丸くなってるだろうし、口はぽかんと開いたままだ。


「でも、もちろん条件があります」


 指を二本立ててニコニコと微笑んだイルーナは私の視線の高さに合わせてしゃがんだ。

 まずはと私の眼前に指一本立てた。


「一つは私と一緒に行くこと」

「かあ、さんと?」

「うん。これでも私は冒険者ランクBの魔法使いだったんだよー」


 おぉぉ。ここで驚きの事実が発覚したね。

 イルーナが魔法使いであることは知ってるし、魔法の使い方に長けていることもよく知ってる。ランクBというのがどの程度なのかは知らないけど、その前。


『冒険者』


 異世界転生モノにはほぼ間違いなくついて回る言葉の一つだよね!

 やっぱりあるんだ。なんかすごく興味が湧いてきた。でもどのみちしばらくは無理そうだけどね。

 私が驚いてるとイルーナは再び目の前に指立てた。


「もう一つは私と魔法の訓練を徹底的にやること。今のままのセシルちゃんじゃ危なっかしくて見てられないんだよー」

「えぇぇ…これでも私前よりうまくなったんだよ」

「それでも私にはまだまだ敵わないからだーめ」


 これだけ歳が離れてて母親に勝るほどの魔法が使える方が恐ろしいと思わないのかな?

 まぁでも、イルーナだし?そうだ、折角だからイルーナのステータスを見てみるとこうだ。


イルーナ

年齢:21歳

種族:人間/女

LV:39

HP:317

MP:48,357


スキル

言語理解 3

魔力感知 6

魔力自動回復 3

火魔法 4

土魔法 2

光魔法 2

杖 6

小剣 2

野草知識 5

鉱物知識 4


ユニークスキル

魔力運用 2

魔力圧縮 3

詠唱破棄 1

氷魔法 1

天魔法 2


タレント

魔法使い


 なんていうか、私の母さんは素でチートな感じでした。

 嘘です。これはちゃんと努力した結果だと思うよ。

 これを見ていなければ「すごい魔法使いなんだよー」なんて穏やかで間延びした声で話すイルーナを信じることはできなかったと思う。

 今までも何度か見たけど、どうやったら身に付くかわからないスキルもあったので今までイルーナにスキルのことについて聞いたりはしていなかった。彼女のユニークスキルを見れば私自身もイルーナに本気で教えてもらいたい。


「わかった。母さんと一緒に訓練する!」

「うふふ、じゃあ訓練で私が合格出すまでは絶対にお預けね」

「うん!絶対すぐ合格するよ」

「できるかなー」


 楽しそうに笑うイルーナの前で両手をグーにして握り込んで意気込みをアピールした。嬉しそうに頭を撫でられた。私には勿体無いほどに良い母親すぎてどんどん好きになる。

 ランドールももちろん頼りになるし優しい良い父親だと思う。ちょっとイルーナと私にベタベタしすぎかもしれないけど。

 両親って、こんなにいいものだったんだね。

 そう思うだけでちょっと涙ぐんでしまいそうになるが、ぐっとこらえて笑顔を向けた。


「でも今日はキャリーとユーニャの様子を見に行きたいから、明日からでもいい?」

「うん、私はいつでもいいよー。今日はお昼ご飯作るから食べてからいってらっしゃい」

「うん、母さんありがとう」


 良い母親には良い娘でいたいと思うのは普通のことだと思う。

 だからちょっとのことでもありがとうを伝えようと、今決めたのだった。



 イルーナと二人でお昼を食べた後、私はいつもの鞄を掴んで家を出た。

 まず行くのはキャリーの家だ。

 訓練ではないが早速獲得したばかりのスキル身体強化を使って走ってみる。


「おぉっ!?」


 すると以前とは比べものにならないほどのスピードで走ることができた。特に息が上がるようなこともない。

 歩いて30分ほどかかる村の中心までの距離をわずか5分ほどで駆け抜けることができたのだ。

 これスキルレベルが上がったらもっととんでもない性能になるんじゃないかな?


 村の中心から少し歩いてキャリーの家の前に着いた。

 家の作りは私が今住んでる家とほとんど変わらない。この村の中の家はほとんど変わらないが、唯一例外があるとしたら村長の家とコールが住んでる店舗兼自宅の建物くらいだろう。


「キャリー、いるー?」


 入口のドアをドンドンと叩きながら中に呼びかけてみる。しかし、中からは返事がない。

 昨日の今日で普通に遊びに出たんだとしたらなかなかの猛者だ。


「あ、セシルちゃん。こんにちはー」

「こんにちはキャリー。遊びに来たよ」


 突然声を掛けられたが驚きもせず答える。

 実は気配察知が働いて家の裏からこちらに来る気配を感じていた。

 心なしが元気が無さそうだけど、いつものように花が咲いたように笑っている。

 キャリーには笑顔がなによりも似合うね。


「…セシルちゃんも昨日のこと、怒られた?」

「え?うん。でもこっぴどくってほどじゃなかったかな」


 そう告げるとキャリーはきょとんとした顔をした後すぐに


「えーーーーー!私なんてお父さんからすっごく怒られたんだよ!」

「あははは。多分それが普通なんだと思うよ」

「むー…。それで許可が出るまで矢を毎日作ってろって。もーーーーー、面白くないよーーーー」


 プリプリと音がしそうなほど怒るキャリーを見て私はほっと一安心した。

 生きてるよね。うん、私はちゃんとキャリーを守れたんだね。

 そんなことを考えてると無意識に自分とほとんど背丈の変わらないキャリーの頭を撫でていた。


「セシルちゃん?」

「私、キャリーが無事だったことが嬉しいの。頑張って良かった」

「えへへ。でも今度は私がセシルちゃんを守れるくらい弓の使い方をいっぱい練習するから」


 微笑むキャリーをそのまま撫で続けながら私も同じように微笑む。

 「生きてる人の笑顔を誇りに」か。キャリーの笑顔を守れたことがとても誇らしいよ。

 折角こんなチート能力があるんだし、そのために何かできることがあるかもしれないね。ちょっと気になることもあるし、もっといろんなことができるようになるのは悪くないかもしれない。


「折角来たんだし、セシルちゃんも弓の使い方教えてよー」

「…うん、いいよ。じゃあビシビシ厳しくしちゃおうかな!」

「えーーーー、優しいのがいいよぉ」


 キャリーの膨らんだ頬をつつきながら二人で一頻り笑うと並んで家の裏へ回った。

 しばらくキャリーの弓の練習に付き合い、母親が帰宅したところで私は挨拶をしてキャリーの家を後にした。



本日もありがとうございました。

感想や誤字脱字報告、評価、指摘などいただけるとやる気が出ます。

ちなみに話はゆっくりと進んでいきます。本編と言える年齢は15歳以降だと思っていますが書きための時点でもまだその年齢に到達していません。気長にお付き合いください。

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