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ページ1 高校入学

 僕が入学したのは、地元の進学校だった。大学に進学したいからたいう立派な理由ではない。単に、近くで友達がいっぱいいたからだ。そんな僕でも、高校生活は少し楽しみだった。だって、いろんなアニメとかドラマの高校生は楽しそうじゃん。しかし、すぐにそんな希望は崩れ去っていく気がした。僕のクラスの担任になる先生がこう言ったのだ。

「皆さん、ここは進学校です。必死に勉強して、大学目指して頑張りましょう。」

 いや、大学入学するためにこの学校来てないし。さっきもいったよね、心の中でだけど。普通の人なら、こんなこと思わないだろうけど僕は違う。しかも、聞いて欲しい。この話を、入学式での校長、そして、学年担任の先生までもが口裏を合わせたように、同じ話をするのだ。最初から勉強の話なんて気持ちが落ち込む。

 

 入学式などが終わり、いよいよクラスでの時間となった。ようやく、勉強という悪魔の呪文を聞かなくてすむ。最近はやはり、自己紹介から始まった。ここでも、僕はネガティブだった。マイナスな方にしか頭が働かない。ここで嫌われたらどうしようとかきもいとか思われていないかなとか、そんなことばかり考えてしまう。しかも、僕は出席番号が早いほうだったのだ。地獄だ。

「えー、趣味は、音楽を聞くこと。得意なことはルービックキューブです。これから、よろしくお願いします。」

 やばい、失敗した。得意なことは、もっと普通なことにしておけばよかった。けど、ルービックキューブというのは嘘ではない。好きなアニメの中にルービックキューブを揃えるキャラがいて、それに憧れて練習して会得したものだ。けど、この場合はもっとスポーツとか明るいものにすべきだった。暗いやつだと思われる。案の定、周りは少しざわついていたが、何もつっこまれることはなかった。僕の出番が終わり次の人の自己紹介へと移った。ひとまず、自分の出番が終わってほっとした。

その後、他の人の自己紹介をじっと聞いた。クラスの中にも、いろんなやつがいた。その頃流行っていたドラマの言葉をつかったり、友達100人作りますっていったやつもいた。僕もそれくらい言えれば、人気者になれたのに。


 その日の帰りに、僕に話しかけてくれたやつがいた。そいつの顔を見るとどこか見覚えがある顔だった。あ、友達100人作るっていっていたやつだ。やばい、なにか言われると怯えた。しかし、そいつはこう言った。

「ルービックキューブできるんだろ?今度持ってきてやってくれよ。」

 予想外過ぎる言葉が飛んできて、びっくりしたのだ。でも、すぐに嬉しくなって、

「わかった!今度持ってくるね。」

 と気がついたら言っていた。それきりで、その日別れたが次の日から学校少し楽しみになった。





 あ、1分以内でルービックキューブ揃えられるんだけど、引かれないかな。



                      

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