第1話「夢月との出逢い」
1
ある日。夢幻館に住む姉妹、夢幻姉妹の妹の方である夢月は、1人で夢幻世界をお散歩していた。
ふと空を見上げると、上空になにか光る物が…
「って、落ちてきてるじゃない!?」
咄嗟に防御体制をとる。目の前に墜落してきたのは、なんと旧型の──もう魔界でもなかなか見ないくらい古い──バスであった。
「あれ?人間、乗ってる…?…おーい、そこの人間、生きてるー?…返事が無いわね…
仕方ない、とりあえず夢幻館まで連れていきましょう…」
夢月は手慣れた手つきで乗務員用のドアボタンを使用し、車内に入る。
「にしても古いわね…魔界どころかこっちや幻想郷でもなかなか見ないわよ、こんな骨董品。…広告を見た感じ、『外』から来たのかしら…?」
快調に車を飛ばし、夢幻館へと向かう。
2
「姉さん、ただいま〜」
「あら、おかえりなさい夢月。」
夢月を出迎えたのは、姉の幻月。この夢幻館の主で、最凶と名高いあの幻月である。
「ん、夢月?それは?」
「ああこれ?人間…多分『外』から迷い込んで来たわ。」
「そう…じゃああとは夢月に任せるわ。」
「ん。任せて…」
そう言うと、夢月は部屋から出ていく。
「『外』から迷い込んだ人間かぁ…厄介なことになりそうね…
夢月、ほどほどにしときなさいよー?
はぁ…ちょっと結界を強化しないといけないわね…めんどくさーい…」
3
「ん…!?ここは何処!?貴女は何者!?」
「あっ、目を覚ましたのね…
ここは夢幻館。私はここの主の妹、夢月よ。貴方、この近くで墜落してきたバスの中で気絶してたから…」
「えっ…助けていただきありがとうございます…。
夢月さんですか…。夢月さん、ここはどの辺でしょう…諏訪ですか?松本ですか?それとも甲府ですか?」
「すわ?まつもと?こうふ…?
……あー、貴方『外』から来た人間ね…。ここは夢幻世界。貴方達の住む世界とは違う、俗に言う異世界ね…。
貴方の名前は?」
「あ、寺島 優斗です。
…それにしても、異世界…ですかぁ…。」
「もう、そんなに怖がらなくていいのよ?もっと私にも気軽に話して、ね?」
「…分かった。」
「じゃ、優斗?ちょっとこっち来てくれる?」
「…?あぁ…」
突然、夢月に押し倒される。
「!?」
「ごめんなさい、実は私、『悪魔』なの。というわけで、ちょっと残念だけど、貴方を襲うわ。
──覚悟、しなさい?」
────to be connected…
次回はまだ未定です。
…かなり気まぐれな更新になりそうです。しばしお待ちを。