プロローグ
「あの~すいません。このカードの買取お願いしたいのですが...」
「了解しました。ではこの番号札を受け取りください。査定が終了したらまたお呼びしますのでそれまでは店内で待機をお願いします~」
俺は店員さんに「はい」とだけ返し、店内にあるカード売り場に歩み寄ると、そこには様々なカードやケースなどが置かれていた。そして俺は有名なポケ○ンやヴァ○ス、遊○王などのブースターパックがたくさん置いてある棚を見つけると「エクスレイ」と声を発した。するとカードを包んでいたプラスチック製の袋が消えた。いや、正確に言うならば「透けた」だ。
俺がこの能力に気づいたのは丁度小学二年生のころ。理科室で授業を行っているときのことだった。
授業中に人体についての本を隠し読みしているとき、偶然「X-ray」なる単語を声にしたとき、自分が読んでいた本が透けて本を支えていた自分の手が視界に映ったのだ。
「...っ?!」
とまあ驚いていると数秒で本は元通りになったのだが「なぜ本が透けて見えたのか」という疑問が残った。だからもう一度本に書いてあった単語を一語ずつ声に出し、「エクスレイ」と声を発したときに本がまたしても透けた。
「「エクスレイ」が透視するためのトリガーか...ならば物は試しに!」
俺は前の席に座る女の子に集中し「エクスレイ」と自分以外誰も聞こえない声で囁いた。すると彼女の体を包み込んでいた白いカーディガンや紺色のジーンズが...
とまあ過去の恥ずかしい記憶をフラッシュバックしていると、
「買取番号12番の方~、査定が終了しました。買取カウンターまでお越しください。」
店内アナウンスで俺の持つ札の番号が呼ばれた。
(結局高額カードは入ってない...か)
少し落ち込みながらも俺は買取カウンターにて手続きを済ませた。最後に俺は現金と買取価格アップのカード一覧表が入った袋を受け取り、店を出た。
なんと今回の買取価格は4万円。通常ならありえない価格だが今回は特別だ。なんせ査定に出したカードは500パックに一枚入ってるかどうかという超希少なカードだ。といっても入手するのに透視能力を使ったのだから俺は幸運の持ち主でも金運に恵まれているわけでもなくただのチーターだが、数時間かけて近場のカードショップを10店舗以上回った努力だけは認めてほしい。
まあそれはともかく、能力発覚から7年たった今「透視能力」は日に日にグレードアップし、今では大きく分けて三つの効果を発揮するようになったのだ。
まず一つ目はさっきカードパックの中身を見るのに使用した、ただの「透視」だ。二年生の時はこの能力の効果対象が単数だけだったが今は複数のものを対象にすることができるようになった。
次に二つ目は「見透かす」という能力だ。これは相手の思考を読むことができたり、なにかをみやぶったりと色々と使い勝手が良い。実際給食で余ったプリンをこの能力でゲットすることができたからとても感謝している。
そして三つ目が「視界補正」だ。これは辺りが暗いとき暗視補正してくれたり、陸上から水の中をみるときに補正してくれたりする。といっても普段は使わないからあまり詳しくはわからないがこれもかなり使える。
何はともあれ、店から自転車でたった4分で家に着いた。
ドアを開けると、母の「おかえりなさい」という声が聞こえた。俺はいつも通り「ただいま」と返すと自分の部屋に直行した。なぜなら四万という大金を所持しているのがバレると天然の母には強盗かなんかと勘違いされそうだからだ。
俺は自分の部屋に入ると机に座り、買取表が入った袋を机の上に置いてから鍵付きの引き出しにこっそりと隠した。
「さて次の高価買取アイテムは何かなー?」と考えながら先ほど机に置いた袋を開けると買取表以外に謎の正八面体の金属製の箱?らしきものが入っていた。
「こんなもの買ったっけ...」
俺は恐る恐るレシートを確認してみる。しかし買取価格以外に何も記されていなかった。おそらく店員が間違えて入れたんだろう。なら置いておくか...いやけれど中身がどうしても気になる。空洞か、または何かが入ってるのか。まあいいや直接開けなければいい話だ。
「エクスレイ!」
「...っ??!!!」
次の瞬間、一瞬にして視界が真っ白に染まった。俺の透視能力による補正があっても全く見えない。そして次の瞬間、途方もない衝撃が体を襲う
そして再び目を開ける。
するとそこはもう自分の部屋ではなかった。
「ここは...どこだ...?」
≪ステータス≫
名前:神崎黒斗
能力:透視
種族:ヒューマン