八雲くんと夏目くん その9。
八雲くんと夏目くん その9。
八雲 「推理ものを書いた! 読んでくれ!!」
【夏目くん、また勢いよく紙をめくり読んでいく】
八雲 「謎解きのところはヒントで絵を入れてみたんだ! 親切だろ!」
夏目くん「『かたぎぬはきかたくぬしききたんぬこきのたなぬかき。ひただぬりきにたごぬ。みきぎたにぬさきん。』」
八雲 「そうだ! その謎を解くヒントが左下の絵だよ!」
夏目くん「この鉛筆だかシャーペンだかで描いてるヤツか?」
八雲 「それだよ! それを見たらすぐ分かるだろ?」
夏目くん「これは何か新種の生物なのか? 俺はこんな奇妙な生き物を見たことがない」
八雲 「なんてこと言うんだよ! 俺が一生懸命描いた渾身の力作をっ!!」
夏目くん「ヒントというかミスリードというか。いや、この生物の正体も分からないからミスリードにもならないな」
八雲 「なんで分かんないんだよ!!このままじゃ解けないじゃん!!」
夏目くん「『鍵は隠し金庫の中。左に5。右に3。』」
八雲 「解けてんじゃん!!」
夏目くん「『たぬき』を抜いていけばいいんだろ」
八雲 「そうだよ!絵はたぬきだよ! 夏目、分かってたんだな!」
夏目くん「いや。絵は全く関係ない。文章見てたら「たぬき」がずっと順番に入ってたからそれで分かった」
八雲 「えー。俺は絵を見て解いてほしかったのにー。たぬきはちょっと難しかったかな。次はきつねにするよ」
夏目くん「そういう問題じゃねえよ」
わたしは赤も緑も好きです。