八雲くんと夏目くん その17。
八雲くんと夏目くん その17。
八雲 「理系男子主人公が活躍する話を書いてみたいな。科学の力で事件を解決! みたいな」
夏目くん「どうやって解決するんだよ」
八雲 「科学式を使っての実験をして問題を解明したりとかさ」
夏目くん「おまえが今いってるのは『化学』のことか?」
八雲 「ん? あれ科学でしょ?」
夏目くん「最初のは『科学』で、式を使う方は『化学』。「ばけがく」だろ」
八雲 「どう違うの」
夏目くん「……おまえ、よくそれで理系男子が主人公の小説を書きたいとか言えるな」
八雲 「え? なんだよ! どっちも一緒だろ!」
夏目くん「科学は自然や物質を扱う「自然科学」という分野。化学は物質の特性・構造が変「化」するのを研究する学問のこと。で、さっき言った「自然科学」は、自然や物質を扱うから、物質の変化を研究する「化学」は「自然科学」の一部ということになる」
八雲 「つまりどういうこと?」
夏目くん「科学の一分野の中に化学がある」
八雲 「なんか前回の言葉のトリックみたいだな!」
夏目くん「あれは単なる言葉遊びだろ。これは分野の話だ」
八雲 「ってことは、生物や物理も科学の中にあるってこと?」
夏目くん「そういうことだな」
八雲 「夏目すごいな」
夏目くん「すごくねえよ。むしろおまえは高校の時なにをやっていたんだ」
八雲 「理科系はほとんど勉強してなかったから記憶にない。俺、文系だったし」
夏目くん「……それで理系男子を書くのか」
八雲 「何度も言うな! いいだろ! 理系男子かっこいいじゃん!」
夏目くん「今のままじゃ、理系の力を発揮することはないな」
八雲 「じゃあさじゃあさ、もう一個! 『細菌』と『ウイルス』の違いは?」
夏目くん「毎年流行るインフルエンザはどっちだ?」
八雲 「インフルエンザウイルスっていうからウイルス!」
夏目くん「じゃあ食中毒の原因になることが多い、サルモネラや病原性大腸菌は?」
八雲 「大腸菌って言ってるから細菌!」
夏目くん「そうだ。でも二つの性質は全く違う。『細菌』は、自分で増殖する能力を持つ単細胞生物。『ウイルス』は、自らの細胞を持たず他の生物を媒介しないと増殖出来ない。媒体の細胞の中に入り込むことによって、自らのコピーを作り増殖する」
八雲 「つまりどういうこと?」
夏目くん「人や動物などの細胞の中で増えるのが『ウイルス』。細胞がなくても増えるのが『細菌』。もう少し言ったら抗生物質が効かないのが『ウイルス』。抗生物質が効くのが『細菌』。あとの細かいことは自分で調べろ」
八雲 「夏目、やっぱすごいよ!俺、いつでも手洗いうがいだけを気をつけていたよ!」
夏目くん「まあ、予防は大事だよな」
八雲 「よし! 夏目!理系男子はおまえ書け! 俺が許す!!」
夏目くん「どこ目線で言ってんだよ」
花粉症を調べていたらいつの間にかここに迷い込んでました。




