八雲くんと夏目くん その11。
八雲くんと夏目くん その11。
八雲 「小説の中でマスコットキャラとか作ったら人気出るかな」
夏目くん「ゆるキャラみたいなのか?」
八雲 「そうそう。サイズはうんと小さくして」
夏目くん「中の人を考えなくていいのが小説のいいところだな」
八雲 「中の人とか言うな。そんなもの存在しない」
夏目くん「…………」
八雲 「憐れむように見るな! それと無言はやめて!」
夏目くん「おまえ、いい年して……」
八雲 「年とか関係ないだろ! いいんだよ。夢は大事にしようよ! ネズミランドでもキャラに出会えたらテンションあがるだろ!」
夏目くん「彼らはどんな状況でも自分の仕事を忘れない、真のプロフェッショナルだと思う」
八雲 「だからそういう斜め方向から見るなって! 素直に感激しとけよ!」
夏目くん「感激も感動もしてる。年間パスポートを所有しているくらいだ」
八雲 「大好きじゃないか!!」
夏目くん「ああ、本当にすごい世界だ。ネズミがイヌを従えるだけでなく、クマまでも手中に収めた時は身震いをした。とんだ下剋上だ」
八雲 「やめろー! おまえみたいなヤツがいるから、夢の国が捻じ曲がって伝えられるんだ!!」
夏目くん「年間パスポートを所有する俺に向かってひどい言い草だな。俺はあらゆる方向から分析し解析を試みている。行けばいくほど実に興味深い世界だ」
八雲 「俺、絶対おまえと一緒に行かない。俺の中の夢の世界が汚れる」
夏目くん「おまえはただ目の前にあるものに反射的に心が動いているだけだろ。俺はなぜ感動したのか、そこから先を検証し始めるだけだ」
八雲 「どこかの産業スパイかよ!」
夏目くんはとっても夢の国が大好きです。




