八雲くんと夏目くん その10。
八雲くんと夏目くん その10。
八雲 「推理小説でやっちゃいけないことってなんだろう」
夏目くん「『ノックスの十戒』や『ヴァン・ダインの二十則』を参考にすればいいんじゃないか」
八雲 「バ……バン?」
夏目くん「ヴァン・ダイン。推理小説家。おまえ古典推理小説を読んだことないのか」
八雲 「ない!」
夏目くん「ないのかよ……」
八雲 「えーと、バン、ヴァンダイン~…。なんかおもちゃ会社みたいな名前だな」
夏目くん「それ以上言うなよ」
【八雲、携帯で『ヴァン・ダインの二十則』を検索中】
八雲 「なんだよこれ! すごい縛りじゃん!」
夏目くん「20あるからな。でも別に守る必要もないと思うぞ。破ってる小説も結構あるし」
八雲 「俺の中でラブロマンス・降霊術・空想科学は捨てがたいんだけど」
夏目くん「もうそれ、ただのファンタジーじゃねえか」
八雲 「だって難しいよ! こんなの相当頭が良いヤツしかムリだよ! 俺にはファンタジーしか書けないよ!!」
夏目くん「ファンタジーも結構な力量がいると思うが」
八雲 「俺はその時の気分の赴くままにぶわーって書きたいの! 緻密に計画立てて書くとかムリ!!」
夏目くん「なあ、八雲、おまえ推理小説って読んだことあるか?」
八雲 「昔のはないけど、最近のとかならあるよ。俺だってちゃんと読んでるんだからな!」
夏目くん「おまえ、推理小説を推理しないで読むタイプだろ」
八雲 「なんでわかんの?」
わたしも基本、八雲くんタイプです。




