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プロローグ 君に出会ったその日

プロローグ 君に出会ったその日


 少年は小学校の帰りの途中だった。まだ、目新しそうな艶やかに光を反射する黒いランドセルを少年はしょっていた。

 少年は鼻歌交じりに信号待ちをしている。

少年は一人だった。少年の学校生活は順調で、友達も多くいる。だが、今日はいつも帰る友達が用事で速く帰らなければならないそうなので、少年は一人で歩いていた。

少年の周りには男女を問わずに、小学校の低学年の子供がいた。

少年が信号待ちをしてしばらくすると、信号が赤から青に変わる。

そして、少年は横断歩道を渡り始めた。

「きゃあっ」

 誰かが叫んだ。

 少年には誰かが叫んだ理由が分かった。

 信号を無視した大型トラックが少年に向かって突っ込んできているのだ。

『危ないっ!』

 そういわれた瞬間、少年の体はふわっと浮き上がる。

「えっ!」

 少年はとっさに目を瞑った。

 少年に今までに感じた事の無い感覚が生まれる。

『大丈夫だった? 怪我は無い?』

 少年は来るはずだった痛みを感じず、その代わりに優しげな声が響いた。

 そっと目を開けた少年はその声の主を見て呆然としている。

『怪我は無い見たいね。……だめね、信号無視するなんて』

 信号を無視したトラックは、もうどこかへ消えてしまっていた。

周囲からは軽いざわめきが起きている。少年がはねられたように見えて、平気なのが不思議なのだろう。

「あ、貴方は天使?」

 そう思わせるかのような純白の美しい翼が少女の背中から少女を護るかのように生えている。美しい顔立ちをしており、絹のような長い金髪が碧眼をより強調させている。

その少女は少し微笑む。

『そうよ。私は天使なの。でも、驚いたわね私が見えるなんて。普通の人間には見えないのに。この世界で言う「霊感」が強いのかしら』

「?」

 少年は小さく首を傾ける。

『あ、いいのよ。気にしなくて。こっちの話だから。じゃあ、私は行くから』

 少女は軽く手を振って、今にも去っていきそうである。

「待って! 僕の名前は望月疾風。君の名前は?」

『私の名前はアンジェラ。二度と会う事が無いかもしれないけれど、よろしくね』

 アンジェラは微笑む。

 アンジェラは少年が声をかける前に淡い光を帯びて消えてしまった。

 この出会いが、少年の運命を変える事を誰も知らなかった。


お久しぶりです。

また、連載し始めますのでよろしくお願いします。

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