まさかの
夏休み前から本格的に話が進んでいる林間学校。その時の班編成の時間なのであるが、
「鳥峨家。俺たちと一緒の班にならない。」
話しかけてきたのはクラスの佐奈蕗だ。
「えっ。いいよ。」
「あと4人どうしよう。」
「・・・。」
もしかしたら・・・。でも、そんなことないよなぁ・・・。ちょっと残念だけど。そのあと同じくクラスの篠原も加わったのだが、これでもまだ3人足りない。32人クラスなので、6人の班と7人の班ができる。
「佐奈蕗。そこってあと何人足りないの。」
そう聞いたのはクラスの早瀬さん。ていうか、クラスの人っていう必要はないか。クラス内でしか班を組んでいないのだし。
「あと3人足りない。」
「あっ。じゃあ、ここに入っちゃえば決まるじゃん。」
そう言って、早瀬さんは強引気味に僕たちの班になることになった。そのメンツを見て正直びっくりした。早瀬さん、薗田さん、黒崎さん。えっ。まさかの。まさかの一緒の班になっちゃったよ。どうすればいいのとも言ってられないけど、本当にどうすればいいの。クラスメイトとしてふつうに接すればいいんだよね。自問自答して、黒崎さんとはとりあえずふつうに接することにする。
「で、誰がこの班の班長になるの。」
「まぁ、決まってるようなもんだよねぇ。」
早瀬さんと薗田さんは声をそろえて、黒崎さんを見た。
「嫌だよ。ていうか、あんたらそのためだけにあたしを入れたでしょ。」
「エヘへ。」
「エヘへじゃない。はぁ・・・。まぁ、だいたいそう言う算段だとは思ってたけど、仕方ないわね。班長はいいとして、副班はどうするわけ。誰がするの。」
「・・・。」
今度は男子が目を合わせる。こう言うことは正直やりたくないのだけど・・・。でも、班長はなんか黒崎さんに押し付けてしまった感がマックスだから、副班は僕がやろうかと思った瞬間に篠原が手を挙げて、結局ただの班員ということになってしまった。
そして、学年で林間学校に行ったのだが、まさか、あんなことになるなんて想像もできなかった。
うわぁ。どこにでもあるストーリー・・・。かぁ・・・。