ちょっと寄り道
短いですがアクセス数が凄く増えたのに浮かれて投稿しました!いつもありがとう御座います。
マティス・ビドロは上級兵士達が夢見る成り上がりを体現しようとしている男だ。
決して恵まれていたとは言えない生い立ちから彼は這い上がってきた。
子爵位の貴族だった彼の祖父が横領がバレ爵位を剥奪されてしまった事から彼の苦難は始まる。
平民の身分に落とされやさぐれた父親とその息子(マティスの父親)は僅かに残った財産を食いつぶしサッサと病死。
貴族出身の母親が身を粉にして働きマティスを女手一つで育てたが、その母も彼の成人前に亡くなってしまった。
成人前に両親に先立たれた彼は兵士補佐(兵士では無くその補助をする仕事・備品の管理など)として働きながら学校に通い、成人すると同時に一般兵士となった。
此処まではよくある話。
しかし彼はただ生活の為だけに働くだだの一兵士で終わらなかった。
所属した部隊の中でめきめきと頭角を表し入隊後一年を待たず上級への入隊が認められた。
そしてあれよあれよと言う間に15番隊隊長の地位にまで登りつめた。
上級兵士15番隊とは戦時には1番隊(先鋒部隊)と5番隊(鎮圧部隊)を支援する部隊で、切り込みの“動”と抑え込みの“静”を兼ね備えた上級兵士の中でも更に優秀な人材が配属される。
そのエリート集団を指揮するマティス・ビドロには近い内に間違い無く騎士の称号が授与されるだろう。
そして騎士団へ所属すれば更に上を目指せる。
彼は将来剥奪された貴族位を取り戻すだろう。
何で私がこんなにマティス・ビドロの事を知ってるかって?
好みだから情報集めたに決まってるだろ!
ド・ストライクだっちゅうの!!!
嗚呼あの角と牙が無いのが不自然に見える厳つい顔。
敵の手足を素手でもぎ取りそうなあの太い腕。
地面にめり込まないのが不思議な大柄な身体。
油断すると公衆の面前で飛びかかってしまいそう。
ハアハアハアハアスウハアスウハア…。