骨の髄まで刻み込んでやんよ
私の両頬に手を添えたままジーニアスが唇を離す。
「私を無視した罰だよ」
…ちゅ~された…ちゅ~されたよ私。
うわ~ん、ひどいわ、私のまだ誰にも許した事の無い唇が!
……なんてカマトトぶるつもりはないが…。
天上に咲く華の花弁のごとき私の唇には、今まで厳選した相手にのみ触れさせてきた。
二歳の時に、私自ら熱き口付け与えた警備兵の男(既婚・56歳)から始まり、チャム(♂3歳2ヶ月)、大道芸人(独身・40代)、ミーちゃん(♀?生後4週間)、侍従長(当時45歳)、ココンメ納入業者の男(自称25歳・絶対に嘘)など、私が気紛れに与えた情け(ちゅ~)を受ける栄誉に浴した者はこれまで居たが、こんな無礼な奴は初めてだ。
思わず平手…なんて可愛いものでは済ませません、グーで行きました。
こう見えてそこらの娘さん達よりは身体鍛えてるから私。
お綺麗な顔破壊してやるつもりで手加減無くいきました。
それなのに!
あっさりとかわした挙げ句にその鉄拳を掴まれる。
「怖いね」
クスクス笑うな!
私はそう怒鳴ろうとした。
ここは少なくとも色恋を持ち込む場所じゃ無い。
みんなが自分とこの国の運命の為に一心不乱に成すべき事を成す所。
言わばジーニアスは悪意無くこの場所とここに集う人々を馬鹿にしてる。
そんなジーニアスの後ろには人影が。
またウジャウジャと護衛騎士がついて来てる。
その中に私はカイル君を見つけた。
はは~ん、さては私がここに居るってジーニアスに教えたのアンタだね。
誰にも居場所言わなかったのに押し掛けて来たから変だなとは思ってたけど。
カイル君、あの別れた後こっそり私の後つけたね。
…やってくれちゃったねカイル君。
大切な王子様の為にもう手段を選んでられなかったんだろうけど、罰として君の事はリリスに報告をしておく。
主従カテゴリーで乳兄弟を強姦する攻め役になっちまいな。
そしてジーニアス。
あんたアタイの絶対聖域に踏み込んじまったね。
…ふふふ…やっちまったね。
あんた私を怒らせちまったんだよ。
…思い知らせてやんよ。
じぶんち(レデル国)がちょっと金持ちだと思ってアタイの国舐めてっとどうなるか。
アタイの国が平和ボケしたノー天気な国だと思ったら大間違いザマス!!!
イバネス国をガッツリ支える縁の下の力持ち、国軍上級兵士の脇汗の露にしてやんよ!!!




