表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キライ姫  作者: たまねぎ
18/29

《番外編》勇者様の捨てたもの (Ⅲ)

シリアス&ネタバレ注意!

自分に“勇者”になる資格があるのだと知った時、一筋の光明を見た心地がした。


私を導く光は既に優しく降り注いでいたのに。


私は神が私に与えた聖なる力を捨て“勇者”になった。


捨てしまったのだ!彼女が尊いと言った力を!



私は寝台に投げ出していた腕を上げ自分の手を見た。



かって私は癒やしの力を持っていた。


この手のひらから生み出される光が傷を直し病を癒やした。


その力にどれほどの価値が有るというのか?


私はそう考えていた。


だから交換したのだ、秘技をもちいて破壊の力に。


小さな擦り傷を直す程度、止まらない咳を止める程度の力は思いのままに物を切り裂き、他者の命を簡単に奪う大きな力に変わった。


その圧倒的な変化に私は有頂天になった。


そして傲慢になった。


自分の欲の為に他者を傷付ける事を恥とし、傍らに静かに寄り添う幸福にただ満足する価値観を捨て去った。


魔王討伐の旅は魔王を倒す事が目的では無く、倒そうとしたと対面を整える言い訳の為に送り出されたのだと気付いても、無責任な思惑を超えて成功し帰還してみせ鼻を明かしてやると豪語できるほどに。



旅立つ前から感じとった違和感の正体を私は早々に気付いた。


“旅の仲間”は私を含めて四人。


魔法術士のキャサリン、


女司祭のエリー、


剣士のディオナル、


そして私、


余りに少ないその人数。


距離を置きついてくる後方支援の小隊は、我々の支援が目的なのでは無く逃げ出さないよう監視するために付いて来るのだと気付いたのは“仲間”の実力が無い事に気付いたのと同時だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ