ファイナル後(完)
Aruru
lion
kurogon
******* 旅立った者・・・・・
見送った者・・・・・
集まった者・・・・・
分かれた者・・・・・
新しいスタートが
それぞれの時を刻み続けていた。
そしてまた、再び交じり合う刻。
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------------ 3
------ 年 ------
後 ------------
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アルル君がミンタさんと共に
島を旅立って3年・・・・
楽隊を解散し、戻ってくる日がきました。
久しぶりにリオン宅に連泊。
もちろんミンタさんも一緒。
前日に20歳になったアルル君。
島の仲間の計らいで、
会場を借り切って盛大なパーティが開かれました。
リオン 『ついにこの日が来たんだな。』
アルル 『あーーーー。』
『これでやっと、ミンタを幸せにしてやれる。』
リオン 『十分、幸せにしてやってるように見えるけどなっ。』
控え室で正装をしている。
普段めったに着ないので、何かと手際が悪い。
別の控え室はというと・・・・・
カーラ 『きれいねーー♪。』
『衣装屋 “DEMI” からの
特注品なのよネ。それ。』
**イラスト提供 でみ氏**
衣装屋DEMIのスケッチブックを見ながら
細かい装飾品の角度や
帯の長さを調整しているところです
カーラ 『いいなぁー笑』
ミンタ 『えへへへへっ。』
『アルルが選んでくれたのよ。』
『私だけのウエディングドレスぅ~♪』
カーラ 『デミって言ったら、私たち風女の憧れだわね。』
(火属性のカーラさんですが、隠れた風の属性も持っています。)
ミンタ 『うん。そーなのぉ。』
『だから、大切にするんだぁ~っ♪』
カーラ 『私には、少し小さいかなぁ・・。』
ミンタ 『えぇーーーーーーっ。』
『使うつもりぃーーwww。』
カーラ 『駄目かしら????。』
ミンタ 『だめぇーーーーw。』
『絶対駄目ぇーーw。』
昨夜の誕生日会から
ほとんどの者が寝ていない。
久々に会えた上に、一大イベントを3つも用意していた。
1つ目・・・・島民復帰。
2つ目・・・・アルル君の20歳のお祝い。
3つ目・・・・。
カーラ 『とうとう、先越されちゃったのネ。』
ミンタ 『ゴメンネ。お姉ちゃん。』
カーラ 『幸せにならないと、恨むわよ。』
ミンタ 『ちょっとぉーーー、怖いってw。』
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集まりの鐘が響く。
そろそろ式が始まると・・・・・・・・・。
メインの2人を待ちわびる会場。
そして、その扉の前に2人がいた。
アルル 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
緊張しているのか、ガチガチのアルル君。
ちゅっ
ミンタさんが軽いキスをした。
アルル 『うがっ・・・』
『ふうぅーーっ。』
まるで特効薬のように、アルル君の緊張がほぐれる。
ちゅっ
アルル君もお返しをした。
ミンタ 『ヒャッ』
2人、呼吸を合わせる。
アルル 『開けるゼ。扉っ。』
ミンタ 『うん、行こっ。』
扉が開く
そう、今日は血結びの祭。 《結婚式》
胸を張り、堂々と歩むアルル君。
ぴったりと寄り添い、
夢が叶う瞬間を心待ちにしているミンタさん。
まつりごとの証人《牧師》は、
クロゴンが快く引き受けてくれました。
証人の前で両膝をつき誓いを立てる。
その2人の首をつなぐように
証人の手によって1本の帯が巻かれる。
クロゴン 『風竜王の慣わしにのっとり
2人の血結びの祭を行い、
命尽きるその一瞬まで
共にあることを認めます。』
2人に近づき、小さな声で言う。
クロゴン 『おめでと、アルルさん。』
『幸せになってくれよ、ミンタちゃん。』
小さくガッツボーズのアルル君。
参列した未血式の女性には
クロゴンから小さなリボンがふるまわれた。
式に使ったものと同じ帯で作られた、
幸せを呼ぶリボンが・・・・・・。
たまたまこの祭りに遭遇した異世界の絵描きがいた。
その絵描きは<人間>という種族だと聞く。
大小様々な竜や獣が祝う中
メインであるだろうつがいのドラゴンを見ていた。
薄藍色の男竜と、薄桃色の女竜がゆっくりと寄り添う。
はやし立てる周りの者達。
拍手や歓声が鳴り止まない。
メオトと思われるその二竜が一つに合わさった。
恐らくそれは《キス》
その途端、ワーワー、ギャーギャーと騒ぎ立てる取り巻きの者達。
手をたたき鳴らす者や、飛び跳ねる者や、花を投げ散らかす者。
言葉は分からないが、とても楽しそうであった。
数日後、一枚の絵がそっと置かれていた。
人間の言葉で「いつまでも、お幸せに。」と書かれていたが
この世界の住人の誰もが読めなかったという。
いや、たった一匹、四足の巨竜は読めていたのだが…。
**謎絵師U-ki氏より、お祝いの一枚。感謝。
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式も終わり、久しぶりに自宅へ帰るアルルミンタ夫妻。
アルル 『なんか・・・・
妙にピカピカなっているような????。』
ミンタ 『別に変わってないように想うわよ???。』
島のみんなで、アルル宅を磨き上げたことは
後日知ることになります。
2人中に入る。
そして驚く。
何もかもが2セットになっていた。
アルル 『リオンめ、やってくれる(笑)。』
ミンタ 『そこら辺に隠れてたりしてネww。』
アルル 『ありうる(大笑)。』
フラリと、よろけるミンタさん。
さすがに疲れている様子。
アルル 『うりゃっ(笑)。』
ミンタ 『あんっ。。わたし重たいよ・・。』
アルル 『夫の言うことは素直に聞くもんだゾ。』
ミンタ 『揺れるハート』
お姫さま抱っこされたまま
寝室へ運ばれていく。
両手が使えないアルル君の代わりに
ミンタさんが扉を開ける・・・。
アルル 『何だこれは??????????』
ミンタ 『まぁーー。』
驚くのも無理は無い。
今まで1人用のベットだったのが
部屋一面、とてつもないサイズのベットに変わっていた。
出入り口に少しのスペースがあるだけで、
あとはベットのマットが部屋一面にびっしり。
恐らく、10人くらいは一度に寝られる広さです。
そして、入り口に置手紙らしきものを発見する。
リオン --手紙--
『どう??
気に入ってもらえた???。』
『フカフカのベットの海で
2人一緒に泳いでみてニャ。』
PS--
『歌いの木の下で、またあそぼーニャン。』
ミンタ 『泳ぐって・・・』
『およぐって・・・・・・・・(赤面)』
アルル 『ぷっw。』
『まっ、いいじゃん
とりあえず、休めよ。』
ミンタ 『さみしぃ。』
『傍にいてくれる??。』
真っ赤な顔をして、アルル君をつつく。
外はまだ明るい。
柔らかい午後の日差しが、窓から差し込んでいる。
アルル 『いてやっから・・・』
『とりあえず、寝ろ。』
ミンタ 『うん、いてね。』
2人仲良く、
広いベットの真ん中あたりに身体を置いた。
ミンタさんを包み込むように
翼を広げるアルル君。
その大きな胸に、潜り込むようにして眠っていくミンタさん。
寝息を聞きながら、
アルル君もまた、夢の中へ・・・・。
翌朝、眼を覚ましたとき、
服も、リボンも、帯も、バンダナも・・・
首のチョーカーさえベットのあちらこちらに散乱していました。
どこの海を泳いでいたのかな???????。笑
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出会ったころ、
何かとアルル君を引っ張りまわしていたミンタさん。
いつも困り顔で
『まっ、いいかぁーー』ってつき合わされてきたアルル君。
そんな、恋に消極的なアルル君はもういない。
いきなりミンタさんの手を握る。
アルル 『ホラ行くゼっ。』
『今夜こそしとめてやっからなっ♪。』(子孫的な意味)
ミンタ 『もぉ~~っ。』
『待ってよぉ~~(汗)。』
おしまい
ここまでたどり着けたこと
クロマさんに感謝すると同時に
支えてくれた多くの仲間に この場を持ってお礼を言わせてもらいますね。
心より、>ありがとう