表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジェームズ・ルコルベックの素敵な冒険  作者: 主道 学


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/3

笑うトパーズ

 ジェームズは、宝石のことなら宝石に関わる者が一番良く知っていると考え、屋敷からそう遠くないところまで歩いて行った。そして、メインストリートの中央にある宝石の老舗『エアリス・ジャーン』本店にたどり着いた。


 幾分、古い宝石には呪いがあるという噂もあるが、この歳ではさほど怖くはなかった。


 粉雪の舞う首都ロンドンは、今日もいつものように活気が溢れている。冬のメインストリートは、昨日の夜から降る雪によって、いくらか地面にも真っ白な雪が積もっていた。街行く人々はロングコートが目立ち。もうすぐクリスマスシーズン到来を知らせていた。


 宝石店エアリス・ジャーンに入る際に、入り口回転式ドアから一人の女性が急いで駆けてきた。ジェームズは咄嗟に横へどいてやると、女性は立ち止まりかけこちらにお辞儀をした。


 そんなハプニング以外はいつもの日常だ。


「失礼! 今、急いでいまして!」


 その女性はよほど急いでいたようで、すぐにロンドン駅の方へと走って行ってしまった。

 言葉の訛りからすると、どうやらフランス人だろう。どこか陰りがある痩せ細った顔だったが、とにかく美しい女性だった。

 ジェームズは、少しびっくりしていたが、そこまで観察しながら、気を取り直して店内に入った。


 店の中は、大勢のお客がいるというのに、シンと静まり返っていた。ショーケースやショーウインドーの中の種々雑多なとても高価な宝石は、白い照明を受けてなおさら美しい輝きを放っている。


 ジェームズは、とにかく八宝石の情報を得るために、まずは店員に聞いてみることにした。

 石にも種類があるので、八宝石にも色々な種類はあるはずだ。

 宝石店エアリス・ジャーンは、老舗といわれているだけあって、ジェームズが話し掛けた店員の一人も、洒落た高級の服を着こなしてはいるが、どこか物腰がすごく柔らかだった。


「宝石? いえ、八宝石を知りたい? そうですか、八宝石の事をよく知りたいのですね」

「ええ。あの、八宝石を知っているのですか? もし知っているのなら、どんな些細なことでも構いません。私に教えて下さいませんか?」

「ええと、あそこに八宝石の一つがあったのです……。ですが、すみません。今しがた売れてしまったようですね」


 ジェームズは、びっくりして、店員が向いている先の陳列ケースを見てみると、確かに八宝石のタグがあった。

 タグには、八宝石のダイヤモンドと書かれ、値段はたったの1ポンドだった。


「はて? どうして、こんなに安いのですか?」

「ここに置いてある宝石は、全て価値のあるものだけなのです。けれども、八宝石は八つ集めないと価値がない。だから、1ポンドというわけなのです」 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ