異世界1日目 5
よろしくお願いします。
「すみませーん。」
「おう、好きに見てっていいぞ。」
門番さんと違って、無愛想なおじさんが店主さんらしい。好きに見ていいということので、とりあえず見て回ることに。
壁に剣や槍、盾やハンマーなどが立てかけてある。防具類は価格だけが書かれていた板があった。
「うーん、どうします?」
「あー、どうするか?」
冒険者ギルドで冒険者になるのに銀貨3枚が必要になり、今日泊まる場所のことも考えると、あまりお金は使えない。
「ナイフは絶対にいるとして…」
解体用にナイフは絶対に必要なので、買いたいのだが、一番安いナイフで大銅貨8枚だったのだ。ちなみに剣は銀貨9枚なので、絶対に買えない。
「おーい、これとかどうよ。」
そんなことを考えながら、店の中を見ていると、ルリさんが手を振っていたので、見てみることに。
「あー、木の棒かー…」
「でも、これしか選択肢がないぞ?」
それは、いわゆる木刀に近い形をしていた。ただ、ほとんど木の棒ではあったが。
金額は大銅貨1枚。確かにこれならナイフと合わせて買っても問題はない。
「…これとナイフにしますか。」
「まぁ、そうするしかないな。」
結果、私たちは壊れたら困るので一番安いナイフを2本と木の棒を銀貨1枚と大銅貨7枚で買い、店を出ることに。
「よし、行きますか。」
「おう、そうだな。」
とりあえず、武器も買ったので、冒険者ギルドに行ってみることに。
「おー…」
冒険者ギルドは、町の中心部にあった。中に入ってみると、椅子や机が並んでいて、冒険者らしき人たちが談笑している。
「すみませーん。」
「はいはい。どうしましたか?」
私たちは奥のカウンターらしき場所に移動し、受付の人に話しかける。
「新規登録したいんですけど…」
「あー、ちょっと待ってくださいね。」
そう言うと、受付の人がカウンターの下をゴソゴソとして、紙を4枚差し出してきた。
「新規登録には、銀貨3枚と名前、得意なことを書いてもらう必要があります。」
「はい。」
予め用意していた、人数分の銀貨を渡すと、代わりに紙を渡されたので、それぞれが名前、得意なことを書いていく。
「はい、ありがとうございます。」
全員が書き終わったので、受付の人に渡すと、紙を持ってカウンターの後ろの方に行く。
「はい。これが冒険者カードです。」
「あ、ありがとうございます。」
少しすると、受付の人が4枚の金属っぽいカードを持ってそれぞれに渡してきた。
「ちなみになんですけど、泊まる場所でおすすめってありますか?」
「うーん、そうですね。あ、東の門の近くにある『ゴブリンぶっ殺す!』がおすすめですね。」
「え?『ゴブリンぶっ殺す!』?」
「はい、変な名前ですけど、料金も含めて良心的ですよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
東の門ってことは、入ってきた門の近くにあったのかな?
「じゃあ、次は泊まる場所の確保かな。」
「まぁ、変な名前だけど行くしかないか…」
冒険者カードも作ったので、おすすめされた宿に行ってみることにした。
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