異世界1日目 1
よろしくお願いします。
気が付くと、私は周りが木で囲まれた草原に立っていた。
自分の手を見てみると、少し小さくなった手が見える。
そのまま衣服などを確認していると、私に近付いてくる人たちがいた。
2人は耳が長いので、【常識】の中にあった耳長族だろう。残りの1人は普通の人に見える。
「あなたは、陸歩さんですか?」
「あれ?その喋り方は委員長ですか?」
「あの、どうしましょうか。」
「おーい、どうする?」
どうやら、一緒に転生したのは、委員長の井上三樹さん、人見知りな斎藤六花さん、ギャルな相園瑠璃さんだったらしい。
「とりあえず、全員でスキルとかの確認でもします?」
「あー、しておいた方がいいだろうな。」
私の言葉に瑠璃さんは同意してくれたが、委員長と六花さんは首を傾げた。
私と瑠璃さんは顔を会わせると、同じことを思ったのだろう。委員長と六花さんから少し距離を取る。
「委員長と六花さん、もしかしてなんですけど、【常識】と【鑑定】取らずにスキル決めましたか?」
「え?【常識】なんてありましたか?」
「あ、あの、取ってないです。」
どうやら、委員長の方は鑑定は取っていたようだが、六花さんはどちらも取っていなかったらしい。
「とりあえず、何のスキル取りました?」
「あ、はい。」
私が六花さんに聞くと、少しして半透明のパネルのようなものが出てきた。どうやらステータスを表示してくれたらしい。
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名前ーリッカ
種族ー人族
スキルー【幸運.8】【頑強.2】【早足.1】【裁縫.1】【土魔法.1】【土魔法の才能】
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ステータスを見た私と瑠璃さんは顔を会わせると、お互いに安堵した。どうやらハズレスキルは取っていないらしい。
「すみません、そろそろ私にも説明を…」
「えっと、何だったんですか?」
委員長と六花さんから質問がきたので、私が追加されたスキルについて説明していくと、2人とも段々と顔色が悪くなっていく。
「…取らなくて正解でした。」
「…よかったです。」
委員長は迷って取らなかったらしい。もし取っていたら、スキルによっては即死もあり得たので危ない所だった。
「ちなみに私のスキルがこれです。」
説明を聞いた委員長は、自分のステータスを見せてくれた。
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名前ーミキ
種族ー耳長族
スキルー【収納.5】【鑑定.5】【採取.1】【集中.1】【水魔法.1】【水魔法の才能】
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「…2人ともかなり個性的な振り分けにしましたね?」
「異世界と言えば収納と鑑定じゃないですか?」
「わ、私は自分の運のなさをどうにかしたくて…」
委員長の異世界の知識がラノベ寄りなのは置いておいて、六花さんの理由があまりにも切実だった。
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