龍の好きな人って…?
美羽はあの後 亜紀と別れて店を出た。
-----亜紀ちゃんの言っていたことが気になって仕方ない---
とりあえず、借りたビデオを観て気持ちを落ち着かせることにした。
ビデオのタイトルは「瞬間の輝き」という、マイナーな映画だが結構感動する物語で、美羽の一番のお気に入りなのだ。
---そういえば龍と初めて一緒に観たビデオもこれだったなぁ…。アイツ、ボロボロ泣いていたっけ…。---
美羽はふと、そう思った。
と同時に美羽の携帯が鳴った。
相手は。。。”龍”。。。
美羽は一瞬出るのを躊躇したが、彼が電話をかけるということは何かあった時くらいしかなかったので、何かあったと思い、勇気を出して携帯を耳に当てた。
「もしもし、…何かあった?」
【もしもし。お前さぁ、今日あのビデオ屋行ったか?『瞬間の輝き』借りに行ったらもう無かったから…。もしかして…と思ってさ】
「あぁ。行ったよ。これからそのビデオを観ようかなぁって思ってたとこ」
【ハァ…やっぱり。…んじゃあ、今から行くわ】
「えっ?ちょっ」【ブチッ…ツーツー…】
「もう!なんなのさ。。。龍のやつ」
美羽は半分戸惑い、呆れつつ携帯をテーブルに置いてビデオを観る準備の続きをしはじめた。
ーーピンポーン。ーーー
「あっ誰か来た。はぁい」
玄関を開けるとそこに立っていたのは。。。
「よっ!」
龍だった。
「よっ!って・・・あんた来るの早すぎ!!」
「だって走ってきたもん」
「そんなに見たかったの?ビデオ、、、」
「うん…あと、なんとなく…」
「なんとなく…何?」
「いや、、何でもない。早速見ようぜ!」
龍は早々とテレビの前を陣取った。
「ぷっ…ガキ…」
「ん?何か言ったか?」
「なんでもない。」
美羽は、龍にはまだ好きな人は居ないと思った。
なんとなく美羽は安心した。