今日も彼女はすくっている
よく一緒に食事する友達の話。彼女はスープを飲むとき、いつも別に小皿を頼む。小皿にスプーンで一口分だけスープを掬って移すと、その一口分は残すのだ。ずっと気になっていた俺は、ある日それはなにをしているのか聞いてみた。彼女はこういった。
「いつも溺れている人がいるから助けてるの。間違って食べちゃうのもイヤだし」
「煮えてはいないんだ」「煮えてたら死んじゃってて動かないでしょ? 変なこと言わないで」「ああそっか」
今日も彼女は最初の一口分を横の小皿に救っている。
よく一緒に食事する友達の話。彼女はスープを飲むとき、いつも別に小皿を頼む。小皿にスプーンで一口分だけスープを掬って移すと、その一口分は残すのだ。ずっと気になっていた俺は、ある日それはなにをしているのか聞いてみた。彼女はこういった。
「いつも溺れている人がいるから助けてるの。間違って食べちゃうのもイヤだし」
「煮えてはいないんだ」「煮えてたら死んじゃってて動かないでしょ? 変なこと言わないで」「ああそっか」
今日も彼女は最初の一口分を横の小皿に救っている。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。