黒い薔薇の姫は、泡沫を噛る。
ある日、俺は少女――アンナと出会った。大雨の日だった。少女は人を殺していて、俺に死体処理を手伝わせてきた。しかし、俺には作戦があった。少女と死体処理をして、少女が俺から目を離した隙に逃げる。というものだった。だが、俺の良心は寧ろアンナの心配をしてしまっていた。雨に濡れて風邪をひかないのかと気遣ってしまうほどに。そして家にアンナを上がらせてしまう――。次第に、俺とアンナは想いを通わせていくが――そんな二人を世界は許さなかった。どんなに悲しくて苦しい運命が待っていようが、俺はアンナと共に生きることを決意した。たとえ、二人を引き裂く運命が訪れたとしても。
プロローグ 「出会いは最悪だ」
2021/03/25 18:47
(改)
1話 「家でのひと時」
2021/03/25 19:37
(改)