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双帝

 


 大内裏、清涼殿。

 赤き月明かりの静寂の中で、足を止めた。

「これ、は、、、」

 庭先まで飛ばされ、ピクリとも動かぬ者らが、見えた。

「う、、、ぅ、、、」

 呻き声に目をやれば、 柱に背を打ち付け呻く者達。

 その先の広庇に出れば、帝の御座の間。

 視界の端で、朱が弾けていた。

 打ち所が悪かったのか、欄干に凭れるようにして、若い衛士が一人、こと切れていた。

 付近の警護を預かっていて、異変に、我先にと駆けつけたのだろうか。

 明後日の方向を向いた横顔は、まだ幼さを残し、涙が床に染みを作っていた。

 その顏が、

「くっ」

 清親の眼に、幻影を見せる。

 ― 鳳祥院、、、 ―

 右近衛府中将ではなく、一人の友として、清親は、葛藤していた。

 気を失わせてでも、力づくでこの場から、離れねばならないはずだ。

 みすみす戦場に、帝を連れてくる将かどこにいるというのだろうか。

 惨状を前にして、

「、、、やはり、お前を行かせるわけには」

 手で制したのは、将であり友としての、答えであった。

 唇を噛み、顏を背けた、清親。

 策謀渦巻く宮中にあっても、颯爽としたその立ち振る舞いで、どんな相手であっても、まっすぐに眸を射抜く、鬼中将。

 だが今は、その端正な横顔は、苦渋に歪み、

 ― いけないね、わたしは。清親に、こんな顏をさせちゃ、、、 ―

 目の当たりにした帝は、肩を竦めた。

 何が起きても【守り抜く】のだと言う意志によって、伸ばされた、その手。

 ところどころに肉刺が浮かび、癒えぬ傷跡の残る、骨ばって節くれた ―――、手。

 自らを、戦火にくべたとしても、その姿勢は変わらないだろう。

 即位の裏側にあった【粛清】と言う名の戦火によって、【右近に鬼神あり】とまで言わしめた、その強固な意志は、不器用なまでの一途な想いに因るものだと、鳳祥院は知っているのだから。

「清親」

 鍛えてはいても、痩せぎすで華奢な肩に、触れた。

 振り向いた清親の、褐色の眸を見つめ、帝は、微笑んだ。

「わたしはね、大丈夫だから。何があっても、、、」

「鳳、、、」

「【誓い】、憶えてる?」

「【誓い】、、、」

 まだ、帝が鳳祥院と呼ばれていた頃、その慰みにと、仙洞に出入りしていた年頃も同じ者達があった。

 左大臣は、その四男備堂燕倪を、右大臣は、かつての右大将の孫である天部清親を、都守は、その弟子耶紫呂蒼奘を。

 彼らと、仙洞で過ごした最後の日の ―――、【誓い】。

「、、、ああ。忘れるものか」

 頷いた、清親。

 その眸を見つめて、

「わたしは、信じているよ。燕倪も、蒼奘も、君のことも。だから、わたしのことも、信じてほしい」

「、、、、、」

 清親は、言葉を失った。

 手が握られ、下がった。

 肩に置かれていた手は、ゆっくりと離れてゆく。

 傍らを通り過ぎる、帝の背中、

「お前は、私が守るから、、、」

 代わって今は ―――、その背を押した。

「うん」

 大きく頷いて、広庇へ。

「、、、、、」

 線の細い、その後ろ姿。

 清親の目に大きく映ったのは、去り際に見せたその横顔によるものが大きかった。

 それは、確固たる意志を宿した、王たる者の眼差しであった。




 赤き海。

 海雪のように、細やかな青紫の粒子が、舞上がっている。

 どこまでも深い、その大海原で、【真理】の海のその中で、二つの魂が対峙していた。

 コォォオ…ウ…

 一つは、獣のような姿をして、領布を長く、纏っていた。

「何故、と問うのか?」

 もうひとつは、薄墨色の陽炎のように脆弱ながら、人型をしていた。

 ククク……

「ああ、何故だろうな、、、お互い、、、」

 …………

 ぼんやりと、胸の辺りに手を置くと、どこか遠くを見つめながら、

「あたしはとっくに、お前の一部で、お前は、あたしの全てで、、、」

 ぽつりぽつりと、言葉を紡ぎ始めた。

「、、、その実、お前のほうが、あたしを良く知っているはずだ。生まれる、ずっと以前から、お前は、一族と共にあったのだろう?我ら一族の輪廻、その裏側に宿り、血肉を欲し、同胞を屠ってこそ、獲られる対価 ―――、【受肉】。実際、我ら一族は、お前たちによって、齎される祝福や福音は、少なくなかった。だが、その実、お前も悪鬼も、我らの一族にとっては ―――、【疫病神】に過ぎなかった」

 クルルル…

 獣が、前足で、大地を蹴る仕草をした。

 人型は、薄く笑ったようだった。

「、、、肯定、か。この地には、そっくりそのままの言葉があった ―――、狐憑き。我らの魂によって封じられ、血肉によって甦る、【古の忘れ神】」

 それから人型は、跪いた。

 右の手の甲に、左の手を重ねると、額の辺りに当てて。

 祈るように ―――、懺悔するかのように。

「あたしは、終わらせたかった。ビューラの苦しみを、自分の苦しみを。だが、その実、受肉への衝動に抗いきれず、あたしだけ、【人】と言う【輪廻】からの【解脱】に逃れた、、、」

 どこか、自嘲気味な笑みが、口元に刷かれて ―――、掻き消えた。

「目覚めてから、理解したよ。あたしとビューラは、元は同じ魂で、お前とあの悪鬼もまた、同じものだったと、、、」

 ……………

 淡々とした、その口調。

 獣は、ただ、静かに耳を傾けているようであった。

「だから、何故だと問うのなら、そこだろう。あたしの魂は不完全で、同じく、不完全なお前と同調してしまうのは、仕方のない事だと。あたしも、お前も、満たされたいんだ。ここが、な、、、」

 額に当てていた手が返ると、そのまま胸の辺りへ。

 細く吊り上がった青き重眸が眇められ、獣が、鼻を鳴らす。

 その眼差しの先。

 両の手指がめり込み、寛げた胸孔。

 その中に、いびつな虹色の輝きがあった。

「鵡吾守」

 まっすぐに獣を見つめ微笑むと、手が、差し伸べられた。

「還ろう。あたしとお前の、あるべき姿に、、、」

 獣の脚が、今居る場所を、蹴った。

 ケ…エェエ―――エ…ン…ッ

 二つの魂が、重なろうとしていた。




 御座の間。

 金色の玉佩が大気を奏で、涼しげな音色を響かせる。

 本来、直接、尊顔を拝謁せぬ措置として、御簾が下げられるはずのその間。

 衝撃で吹き飛ばされたのか、無残に千切れ、あるいは転がっていた。

 赤き月に照らされ染まる、玉砂利。

 薄紅色の世界に祝福された、かつての王が、二頭の闇獅子の守護を得、その御座を前に佇んでいた。

 先の帝と異形を前に、為す術を知らず、闇獅子に睥睨され、身動き一つ取れぬ重鎮らに、近衛、衛士。

 その命を掌中にしたまま、

「懐かしいような、、、」

 朱華色の可憐な口元が、微笑む。

 この惨事を引き起こしている幽鬼とは到底思えぬ、年相応の少年の顏。

 辺りを見回していると、

「兄上」

 声が、掛かった。

「ん、、、?」

 振り向いた先で、

「お久しゅうございます」

 広庇に立つ、面差し似た若者が、会釈したところであった。




 その頃、広庇へ至る角に控え、太刀の柄に手を置く清親の元に、

「右中将」

 充慶が、稀水を伴い現れた。

 袖に隠した手には、霊符を挟んでいる。

『お静かに』と、ばかりの褐色の一瞥。

 その傍らで脚を止め、その間を窺えば、

 ― なんとッ、、、確かに、先の帝、朱羽威しゅうい陛下ではないかッ、、、 ―

 息を呑んだ。

 稀水も同じようで、声にこそ出さなかったが、その顔色は、みるみる青ざめていった。

 ― だが、おかしい。これは、幽鬼の気配というよりも、、、 ―

 堂々とした、その立ち姿。

 一片の穢れ無く、神々しささえ、漂っているのだった。

 ― 鬼気が、感じられない。まるで生霊のような、、、むッ ―

 目を凝らす先に、闇に蟠る獅子の姿。

 ― あれは、確か、、、大陸から持ち帰った文献の中で見た、マギの神獣シンか?! ―

 深き山に棲む、樹海の王。

 それが二頭、従っているようだった。

「っ、、、」

 充慶は、手にした符に力を込めた。

 冷たい汗が、額から頬を伝い、襟に染みを作っていく。

 ― 討つべきは、【使役主】ただ一人。どこだ?【あの方】は、どこにいる!? ―

 辺りを見回しても、その姿は無い。

 精神力が、森羅万象による元素の使役を左様するとも言われる、陰陽術。

 式を放つべきか、否か。

 手の内を知るであろう【その者】が、みすみす姿を現すはずも無いが、探さずにはおられない。

 ― こうなれば、シンを討ち、先の帝を結界に封じるしか、、、 ―

 手の中で、符が五枚になった。

 稀水に目配せすれば、稀水もまた、心得て、大きく頷いたのだった。

 右の袖を振らんとして、

「ッ」

 充慶は、白銀の一閃を見た気がした。

「、、、、、」

 傍らで、褐色の双眸が、眇められていた。

『動くな』と、言っている。

 ― 誰であろうと、邪魔はさせん、、、―

 帝の命令一つで、その太刀は容易く抜き放たれることだろう。

「う、、、」

 ― これは、、、殺気ではないかっ ―

 狂気とも取れる、眼差しに居竦まれた、充慶。

 その意志を垣間見て、充慶は無言で、霊符を袖に仕舞った。

 清親は、太刀に手を掛けたまま、殺気とは裏腹に、

「どうか、信じて、、、」

 低い声で、そう乞うたのだった。




「ん、、、」

 艶やかに、甘やかに、潤んだ紺碧の双眸が、頭上より降り注ぐ赤き光を見つめていた。

 その光の中で、遙絃が浮かんでいた。

 怒涛のように押し寄せた闇の大波は、吹き上がった闇と合流したのか、辺りを見回せば大小の瓦礫が取り残されたように、辺りに点在していた。

 天地も、無い。

 侵蝕された異界とでも言おうか、ただ、差し込む赤い月明りが、辛うじて地上を指示しているようであった。

「寝覚めにしては、最悪の気分だ、、、」

 緩慢な仕草で肩の辺りを揉めば、豊かな金色の髪が、流れていく。

 コォォオ…ン…

 体内の奥底で、獣神 ―――、【鵡吾守】もまた、同意したようだった。

 大きく伸びをしながら、

「胡露の淹れる白茶の香りが、懐かしいな、、、」

 霊紫を振りまきつつ、微笑む。

 見回せば、すぐ近くの瓦礫に、ひっそりと佇む鬼神らの姿があった。 

「約束を、違えてしまったぞ、、、」

 あまり、自由がきかない中、

 ― 今更、空狐化したところで、ヨルの思う壺だな。これ以上、霊紫をくれてやるわけにはいかん。さて、、、 ― 

 再び、紺碧の眸を、閉じた。

 秀麗な横顔は、瞑想しているようでもあった。

 その耳に、聞き覚えのある音が、近づいてきた。

 ― あいつらに、この場は、預けるとするか、、、 ―

 程なく、

『遙絃!?』

 馬蹄の響きの中に、その声が聞こえた。

 力強い、その走り。

 今、自分のせいで、止めるわけにはいかない。

 ゆらり…ふわり…

 九尾を振りながら、ひらひらと手を振った。

『遙絃、、、』

 互いをよく知る、胡露のことだ。

 眷族の長としての命令は、絶対。

 先刻、別れ際に伝えた想い ―――、伝わっているだろう。

 遠ざかる馬蹄の音と、よく見知ったいくつもの気配を見送って、

「ふ、、、」

 蠱惑的な唇に、薄笑みを刷いた。

 鵡吾守と馴染み、再び一つとなった魂の感触を、今は、楽しんでいたかったのかもしれない。




 衣擦れの音と共に、白銀の玉佩が、冴え冴えとした澄んだ音色を響かせる。

「このような日がくるとは、まるで夢を見ているようにございます」

 居合わせた者達が、息を潜める中、帝は、御座の前に進み出た。

「ご機嫌麗しく、朱羽威しゅうい兄上、、、」

 その面差しに己を見たのか、少しだけ驚いた様子だったが、

「ああ、、、」

 すぐに穏やかな笑顔で、頷いた。

「久しいな、、、明弖瑠あてる

 それは文字通り、『会えば解る』と言うのかもしれない。

 互いが ―――、互いの。

 二人同時に生を受け、兄は、生まれながらにして東宮となった。

 かたや弟は不吉な鏡子として、目も明かぬうちから、半ば幽閉されるように仙洞に封じられ、言葉を交わすことなく、現在に至る。

 年の差こそ感じられたが、面差しよく似た二人であった。

 グル…

 ゥウウゥ…

 二頭の闇獅子が、鼻に皺を寄せた。

 低く呻くのを、

「いけないよ。ラトリ、シンハ、、、」

 諌めるその横顏は、柔和に尽きた。

 その言葉に、闇獅子が、肩の力を抜く。

 腹這いになると、一頭は腕の辺りの毛繕いをはじめ、もう一頭は大きなあくびと共に、前肢に頬を預けてしまった。

 その間に、

「やはり、落ち着く、、、」

 先帝は、濃色こきいろの龍袍の裾を払い、御座に座ると、感慨深げに脇息を撫でる。

 しばらく、その感触を確かめていたかと思うと、

「、、、、、」

 すっ、と背筋を伸ばし、顎を引いた。

 まっすぐに、前を向けば、

「っ、、、」

 清親は、ただそれだけで、控えていた者たちが、次々と膝をつくのを見た。

 古参の者の中には、涙すら浮かべる者もいた。

 今でも、変わることなくその身に纏う、絶対的な覇気 ―――、高貴なる者の姿。

 そんな兄の横顔を、弟は静かに見つめていた。

「余は、物心ついた頃より、ここに座っておったよ」

「はい、兄上」

「母上の寵愛も、重鎮らの賞賛も、余と言う全てが、ここで始まったのだ」

 血で血を洗う権力争いの末、幼くして帝位に就いた、先帝。

「ずっと、続くものだと疑わなかった、、、」

 その御世は、愚帝と影ながら謗られた父とは違い、平穏そのものであった。

「皆から、民の暮らしぶりを聞くのは、嬉しくもあり、楽しみでもあった。そなたは、どうだ?」

「兄上と、同じでございます。行幸の折に垣間見る、子らの健やかなる姿こそ、守るべきこの国の宝、そのもの、、、」

 満足げに、大きく頷くと、

「飢えに苦しむこと無く、戦に怯えることも無く、最大の脅威となりうる、大陸の加護も得たとなれば、国全体に活気が漲る。余にとっても、これほど嬉しいことは無い」

 居合わせた面々の顏を、一人ずつ、見つめていった。

 ある者は畏れに顏を伏せ、ある者は感涙に打ち震え、ある者は ―――、恍惚の内に時を忘れた。

 誰もが、この時ばかりは、惨劇の犠牲となった物言わぬ骸らのことなど忘れ、先帝の言葉に、姿に、酔い痴れていたのかもしれない。

 迷い無き、真っ直ぐな眼差し。

 それこそが、絶対君主としての星の下に生まれた者の姿であった。

 その顏が、

「ひとつだけ、どうしても手に入らぬものがあった、、、」

 ふと、陰りを帯びた。

「遥か高みより、燦然と輝く【龍玉】。余は、、、」

 それまでにこやかに、語りかけていた先帝が、額を押さえた。

 ところどころで、短い、苦鳴が漏れた。

 居合わせた者達は、例外なく、胸が締め付けられる感覚すら、共有していたのかもしれない。

「余は、、、」

 絞り出したその声は、掠れ、

「その輝きを、喰らいつくしてしまったのかもしれぬ、、、」

 震えていた。

「精錬研磨されし、その精神すらも、余のただ一つの我儘で蝕み、その忠義に甘んじたのだ」

「兄上、、、」

「まこと悍ましきは、人の業。余が、この国の平安を乱す化け物と化したる今もなお、その者は、余に従い、闇すらも呑み込もうとしておる、、、」

 立ち上がった、先帝。

 矢をつがえ、しかし、戦意を喪失した衛士や近衛に、微笑んだ。

「【楔】となる余の呼び掛けに、【計都】は成ると、言った。なれば ―――、」

 そのまま、くるりと振り向いて、

明弖瑠あてるよ。そなたには、余を討つ覚悟はあるか?」

「朱羽威兄上?!」

 青みがかった黒き眸で、そう問うた。

「、、、く」

 苦鳴が、喉の奥を鳴らせる。

 政とは、無縁の暮らしの中で、欲も見せず、そのまま花鳥風月をこよなく愛する、弟。

 国を救うために、その手を、兄の血で汚す覚悟を、問うた。

 ― 兄上を、討つ、、、わたし、は、、、 ―

 俄かには、答えられぬ問いであった。

「、、、、、え」

 唇が震え、喉が鳴いた。

 首を振るだけで、精一杯であった。

「、、、そうか」

 朱羽威は俯き、少しだけ、残念そうなため息が、辺りに滲んだ。

 再び顔を上げた時、

「それほどの気骨なくして、この座に納まっていると言うのなら ―――、余が統べようか」

 その双眸は、血の色に染まっていた。

「あ、兄上、、、」

 傍らを、闇獅子を従えた朱羽威が、通り過ぎんとして、帝は堪らず手を伸ばし、

「うッ、、、ぐッ、、、」

 その身は、目には見えぬ衝撃波により、吹き飛ばされていた。

 控え、居並ぶ重鎮らの只中に、吹き飛ばされた元へ、

「鳳祥院ッ‼」

 血相を変えた清親が、恐れ戦き硬直した一同の中から飛び出した。

「稀水ッ」

「はッ」

 その身を守らんとして、充慶と稀水が、帝を抱き起す清親の前へ。

「み、帝をお守りしろッ」

「帝をっ‼」

 呪縛から解き放たれたかのように、衛士らが人垣を作る。

 清親の背に庇われながら、

「なぜ、です、、、兄、上っ‼」

「鳳祥院⁈」

 帝が、手を伸ばす。

 人垣によって阻まれてしまった、その向こう。

「わたしには、分かりません。ようやくこうして、逢えたというのに、、、自らの心に気づいていながら、なぜそうまでして、兄上―――ッ」

「、、、、、」

 その魂の叫びを聞きながら、闇獅子を従え、赤き望月が見守る庭先へと舞い降りた時、

「余は、ここにおる ―――、【ヨル】」

 その双眸から、二筋の赤き涙が頬を伝うのを、帝は確かに、感じていた。




 グゴゴ…ゴゴッ………グォゴゴゴ―――ッ‼

 突如、地鳴りが、帝都中に響き渡り、

 ギシッ…ギシシ…ッ…

 メキッ…バキッ…

 激しい縦揺れに、家屋の最奥で息を顰めていた人々は、恐怖した。

 柱にしがみつく者、往来へと駆け出す者、念仏を唱える者から、倒壊したいくらかの家屋の下敷きとなる者まで。

 それは、堅牢優美な御所も例外ではなく、皆、その場にうずくまるようにして、揺れが収まる時を待っていた。

 ほんの、少しの間であった。

 それなのに、永遠に続くかのような、得体のしれぬ恐怖に囚われながら、庭先に隠れ、うつ伏していた衛士は、顔を上げ、

「ヒッ…ぃいいいっ」

 今度は、後ろにのけ反って、尻餅をついた。

 ゴッ…オォオオオ―――ンッ

 突如として、すぐ鼻先の大地が裂け、亀裂となって、割れた。

 ― 冗談じゃねぇッ、、、せっかく、持ち場から逃げ出したってのによぉっ ―

 庭木を呑み込み、いくつかの社殿を噛み砕く。

 哀れ、逃げ遅れた幾人かが、為す術なく、滑落。

「うあっ、、、あ、、、ッ」

 恐怖に射抜かれた、衛士。

 その視線の端。

 丁度、大地についた手の辺りで、何かが、蠢いた。

「ひ、うッ」

 赤き月明かりに長く伸びた、己が影。

 蠕動している ―――、別の生き物のように。

「わああぁあぁッ」

 夢中で大地を蹴り、後ろに這いずらんとするのも虚しく、【それ】は、生きとし生ける者の影を従え、現世の扉を抉じ開ける…




 揺れが収まり、頭を振る。

 瞼を押し上げようとして ―――、重い。

 重く、眩暈すら覚える。

 体が、視えない力によって、押さえつけられているようだった。

 それにすら抗うように、末端に力を込めれば、体が持ち上がり、目は限界まで見開かれた。

 大きく口を開けると、

「ウぐォ…オオオ…」

 産声を、挙げた。

 それから、重苦しい具足を纏った己が姿を、見つめた。

 これが手と言うものか、これが足と言うものか。

 闇であったものは、不便極まりない肉体を忌々しく感じながらも ―――、歓喜した。

 土の臭い、風の温かさ、大気に満ちる狂気。

 腰に帯びた、長いもの。

 抜き放たれたそれは、白金の輝きを放ち、赤き月と同じ眸の己が顔を、映し出した。

 ぶん、と振るって、反動で大地に転がった。

「ひゃ、は、、、ははは、、、」

 自然と、笑みがこぼれた。

 手にした刃の使い方は、なんとなく理解した。

 この身に巣食う闇が、囁くのだ。

 斬って斬って斬りまくれ…

 我らがそうされたように…

 捧げよ…

 その恐怖を…

「ひ、ひゃひゃ、、、ひゃ、、、」

 立ち上がり、よろりとした。

 彼方で、うめき声が上がった。

 見れば、同じく、赤き眸の同胞が、目覚めるところであった。

 互いに、目配せをし、顔を上げた。

 社殿に、潜む気配があった。

 まっとうな、気配。

「うひ、、、ひ、、、っ」

 口から、涎が垂れた。

 拭う間もなく、駆け出して、足をとられた。

「がふ、ぅ、、、」

 土の味を感じながら、乗っ取った衛士は、目を眇めた。

 馴染むまでは、いまだ少し、かかりそうだった。




 大気が咽び、大地が震えた衝撃に、一同が眼を閉じた後、訪れた ―――、静寂。

 噎せ返るような、夏花の香りに目を開けた時、

「お待たせ致しました。猊下、、、」

「うむ」

 赤き花弁にも似た蝶が舞い寄る庭先に、白き衣の若者が、膝をついていた。

 庭は、巨大な亀裂によって蹂躙されていたが、幸か不幸か、その美しさは健在であった。

 そこだけ乱れの無い、白き玉砂利の敷かれた庭先に、凛として立つ先帝が、真紅の天鵞絨で葺かれた階段を上り、闇色の玉座に座す様は、優雅すらあって、誰もが言葉を失っていた。

 やわらかな風が巻いて、朱金の髪が、一際紅く染まり、靡く。

「では、参りましょう。遥か、その高みへ、、、」

 白き衣の袖が振られ、傍らへとその華奢な体が舞い上がった、刹那 ―――、

 ゴゴ…ゴゴォオアアア―――ッ‼‼‼‼‼

 再び襲った、横揺れに、一行は声も無く、等しく絶望を見る。

 亀裂から噴き上げる、巨大な闇色の結晶。

 その禍々しき姿と、断末魔にも似た、轟音。

 赤き月明かりすら遮って、更なる闇を齎す、暗黒物質。




 茫洋と、それでいて昏き陽炎を纏い、天を覆わんと現れたのは、峻険で切り立った絶壁を城壁とした浮城であった。

 その城影は御所を覆い、帝都を染め、見上げた人々の心に、絶望の影を落とす。

 誰もが項垂れ、空を見上げることをやめた。

 口を引き結び、目をと閉じ、恐怖に射抜かれたまま、時を、自らを、大切なものを、失わんとしていた。

 漂う、あまい夏花の香り。

 無気力に、人たるものの全てを侵蝕する、その香り。

 皆、眸から生気を欠き、地に伏せて、

 ゾゾゾ…ゾゾ…

 体の下で、何かが蠢いたようだった。

 自らの影が、その肉体を乗っ取らんと、自我を獲たことに、人々は気づくはずもなかった。

 破眼の余韻は、ゆっくりと、そして確実に、精神を、記憶を、蝕んでゆく ―――、弱き者ほど、早く。

 一人、二人と、屈強な猛者らも、膝から崩れて行く中、

 ― この香りは、やはり先代の‼くっ、、、間に合わないッ ―

 充慶が、袖で口許を覆った時には、すでに遅かった。

 指先が痺れ、霊符が、袖から床へと散らばる。

 傍らの稀水も膝をつき、項垂れていた。

 そのすぐ後ろで、誰かが、立ち上がる気配が、あった。

「、、、、、」

 白銀の玉佩が、澄んだ音色を響かせ、涼やかな衣擦れの音に、辛うじて繋ぎとめられた意識は、その背中へと注がれた。

 皆の眼の前。

 広庇に進み出て、両腕を広げた時、華奢なその背中の広さに、人々は気づいたのかもしれない。

 その背に負っている ―――、責務を。

「ほ、、、」

 くらりと遠のかんとする意識に、清親は頭を振った。

 手足に力が、入らない。

 皆を守らんと、腕を広げた、その龍袍の背中。

「いけ、、、な、い、、、ほ、、、」

 ふるえる、唇。

 言葉にならず、清親は、視線を落とした。

 柄に、手は、置いたままだった。

 柄を引き上げると、数多の死線を共に越えてきた天部家の家宝、【青蛾】の濡れ光る刀身。

 ― 痛みなら、、、 ―

 その刀身を、構わず握り込もうとした時だった。

 巻き上がる、金色の閃光。

 吹き抜けた風が、噎せ返るそうな夏花の香りを、攫っていく。

 眩く迫り、人々を呑み込む、光の洪水。

 そのただ中で、

「ふ、、、」

 かつて、鳳祥院と呼ばれた帝だけが、その眸を穏やかに眇め、微笑んでいた。




「鳳祥院ッ」

 迫る、光。

 その光に呑まれるよりも先に、異変に反応した清親が、自ら呪縛を振り切り、弾かれたように両手を伸ばしていた。

 光の中で見失うその前に、佇むその身を掻き抱かんと、触れた指先に力を込めた。

 確かなぬくもりを、腕に、繋ぎ止める。

 太刀と共に生きると決めた清親にとって、それは皮肉なものだった。

 両の腕は今、ただ一人の為に差し出され、背後を晒している。

 どこまでも無謀で、無防備な、まさに捨身であった。

 朝敵の前ともなれば、瞬きすらしない、鬼中将。

 その両手は今、ただ一人の男の背に回り、母が子を守る如く、しっかりとその身を掻き抱いているのだった。

「、、、、、」

 帝は、その温もりの肩越しに、前方を見据えていた。

 やがて、光が収まり、辺りに静けさが戻った時、

「清親、見てごらん」

 その手は、艶やかな清親の黒髪を、さらりと撫でた。

 柔らかなその声音に、顏を上げ、振り向けば、

「あ、、、」

「ほら、ちゃんと、駆けつけてくれたよ。わたしたちの友は」

 赤き月夜の静寂を引き裂くように、力強い馬蹄の音が、近づいてきたのだった。




 帝都を襲った巨大な地震、御所すらも呑み込まんとする、その亀裂の淵。

 断崖絶壁のそこを、苦も無く駆け上がってきたのは、漆黒の体躯の【鋼雨】。

 雄々しい鬣を振り乱し、天に向かって嘶き、前肢を高く掲げると、

 グブルルルッ…グルッ…

 鞍上の主を、地上へ。

「、、、、、」

「、、、、、」

 揃いの白き髪に、黒白の衣。

 淵を前にして、一人は膝をつき、一人は佇んだ。

 蝕みの作用を相殺させているのか、一人は、仄白い月光にも似た冴えた銀光を、一人は、淡く木洩れ日にも似た金色の光を、帯びていた。

 リ…ロン…ロン…リリ…ィィン…

 ロロ…ン…ォ…オオ…ン…

 その光が触れ合い、共鳴し、澄んだ音を反響させる中、

「ウルグァァァア―――ッ」

「あひっ、、、あひやっははははっ、、、」

 庭先に駆け込む、衛士がいた。

 赤き眼で、泡を吹きながら、太刀を振り回している。

 もう一人は、宮仕えの宮女だろう。

 衣も肌蹴け、髪み乱れた、あられもない姿で、ふらふらとこちらへ向かってくる。

 咄嗟の事に、誰も反応できない中、

「ぬんッ」

 白銀の一閃が、風となって吹き抜けたようだった。

 鳥にも魚にも似た、巨大な何かが、滑空していった。

 崩れ落ちた衛士の傍には、そこから飛び降りた大柄の男。

 同時に、崖から飛び出したのは、朱金の猛虎 ―――、何故か背に、水干の異形の童を負っている。

 女の背に素早く回り込むと、

「ひあっ、、、」

 その背にいた童が、肩の辺りを軽く叩いた。

 崩れゆくその身を、巨虎が受け止め、大地に横たわらせると、水干の童が、女の乱れた衣の裾と襟を戻してやった ―――、いつもは直される側のせいか、今日ばかりは、能面のような貌が、どこか誇らしげに見えた。

 鋭い牙が剥かれ、虎の顔が近づく。

 くん、と鼻先が動き、

「心配ない。陰氣は消えた。生きている」

 銀仁が、燕倪を見上げて言った。

 当人は、気絶したままだったのが、幸いした光景であった。

 一先ず、大太刀を鞘におさめると、

「何をぼさっとしているッ!!動ける者は、動けない者を連れ、今すぐここから退避するんだッ」

 よく通る声が、辺りに響き渡った。

「赤目は、憑かれているだけの人だッ‼くれぐれも殺すな‼これよりは、単独行動は禁ずる‼衛士、近衛、武官らは、人命優先‼陰陽星読両寮も、彼らの眼となり助力を惜しむな‼文官、宮女らは、生存者を集め、ひとまず怪我人の手当てを‼」

 業丸の柄に手を掛けたまま、采配の声を上げる、その姿。

「燕倪、か、、、」

 ほっとした、清親。

 燕倪の檄によって、それまで呪縛に掛かっていた人々が、弾かれたように動き出す。

 最前線の人垣となっていた中から、一人の若者が、駆けつけた。

「御無事で、少将」

「おう、憂愈」

 にかっ、と笑った燕倪に、ほっとした様子の若者。

 そのすぐ後ろに、

「ああ、少将っ」

「少将ッ」

「お戻りでッ」

「道武、飛雲、輝智」

 よく見知った顔が並んだ。

「お前ら、よくここにいてくれた。だが、まだまだこれからだ。気を抜くな。頼りにしているぞ」

「はっ」

「はいっ」

 すぐさま、各々の任を全うせんと、駆け出す中、

「憂愈」

 その肩を、燕倪が掴んでいた。

「はい、少将」

 そのまま引き寄せ、やや小声で、

「このままじゃ、社殿がもたんかもしれぬ。お前は、一先ず、どこか安全な場所を確保してくれ。皆を、できるだけ混乱させないようにな。退路が確保されたら、、、」

 打って変わった姿に、燕倪の直属の部下でもある憂愈は、小さく肩を竦めて、言葉を遮った。

「まずは、女子供から。少将の考えは、我らに浸透済みです。万事、お任せを」

「お、おう」

 言葉を待たずに駆け出してゆく、その後ろ姿。

 出来のいい部下に感謝しつつ、鈍色の双眸が、広庇の一画を見つめた。

 鳳祥院の視線とぶつかって、無言で笑みを交わす。

 それだけで十分で、

「お前らしくも無いな、清親」

「あ、、、」

 この一言だけで、全てが伝わる仲であった。

 燕倪の声に、我に返った、清親。

 太刀に手を掛け、

「行くぞ、鳳祥院」

「お、わっ、、、」

 帝の腕を掴んだ。

 それは、文字通り力づくであった。

 一人、二人と、その身を囲むように、近衛らが付き従う中、

「右中将、こちらです」

 後宮の退避を終えた琲瑠が、篝火の下で大きく手を振った。

 燕倪は、視線の端で、一行を見送ると、

 ― 清親。鳳祥院を、頼むぞ ―

 細く、息を吐き出した。

 夜気が、肺腑に染みわたる。

 指先が、業丸と同化する ―――、感触。

 今だ影を潜める星明かりを集めて、それでも青く澄み渡った青鈍の双眸を、頭上へと据えたのだった。




「蒼奘」

 その名に応えたのは、膝をつき、俯き気味の黒き冥衣の男 ―――、蒼奘。

 聞き覚えのある声音は、

「陰陽頭」

 天羽充慶のものであった。

「ここは、僕達が。陰陽、星読両寮の指揮をお願いします。新たな結界を敷き、広げていってください。死人や雑鬼が活性化すれば、心弱き者から蝕まれます。目に見えぬ脅威なれば、要らぬ混乱が起きるでしょうから」

「だが、、、」

 充慶は、天地から降り注ぎ、込み上げる、苦鳴を聞いていた。

 咆哮にも似たそれは、紛れも無く ―――、

「地仙らすら、今や落ちたも同然のこの状況で、策があると言うのか?!」

 ―――、両地仙の叫び。

「ぬ、おっ」

 奏伯の手から、【白きもの】が伸びた。

 鞭のように撓ると、充慶の足元の土を穿ち、跳ね上げ、

 フゥウウウ……

 そのまま、砂色の体毛の巨狗となると、銀鼠の隻眼でもって、睥睨する。

 ― 高位の狗神、か、、、 ―

 それ以上は、侮辱と捉えるとばかりに牙を剥いた、胡露。

 充慶は、意に介さずとばかりに、空を見上げた。

 赤き浮城【計都】が、陽炎の如く揺らめき、空を覆っている。

「銀仁」

 奏伯に呼ばれ、巨虎がその場を離れた。

 胡露の前に割って入ると、

「参りましょう、充慶殿」

 蒼奘、奏伯の意を酌んで、促す。

「、、、、、」

 充慶は、まんじりとせず、浮城を睨んでいる。

 そこに、偽りを見出さんとしているような、真摯な感情を見て取った、銀仁。

 琥珀の双眸、その瞳孔が、引き絞られる。

 低く喉を鳴らし、充慶の眼を射抜くと、

「総崩れにする、おつもりか?そんな事では、誰も守れはしない。一族を危険に晒した、かつての我のように、、、」

 結論を迫るように、鋭い牙を剥く、銀仁。

 震える拳を、

 ― 民、同朋、一族、、、ッ ―

 身を切る思いで、袖に仕舞った。

「彼の君は、儂の師でもある。鬼道の弟子の一人として、大師を諌め、鎮められると言うのならば、この身を賭しても構わぬ、、、」

 内心を吐露する、その横顔は、苦渋に満ちていた。

 深く、夜気を吸い込んで、吐き出す。

 気まぐれな風伯らも息を潜める、殺伐とした赤きこの世界の中に、呑まれていい者達が、どれほどいるだろうか?

 ― 、、、いやしない。誰一人として ―

 それは、結論であり、陰陽頭としての責務であるかのようだった。

「だが、此度だけは、お前に譲るぞ。【都守】」

 心得て、前肢を折った銀仁の背に乗ると、返事も待たずに、巨虎の脾腹を蹴った。

 宮中の、高い壁を駆け上がると、充慶の袖が振られ、霊符が放たれた。

 それらが、上空で白き鷺へと姿を変えると、

「我が名において、辻封じをさせよ。これ以上、魑魅魍魎共を、蔓延らせてはならん」

 言霊を得た式神らが四方八方へと、赤き空を横切り、飛び立っていった。

「、、、、、」

 充慶と銀仁を見送ってから、大気のざわめきに耳を澄ましていた、胡露。

 その胸中を察したのは、他でもない。

「胡露。布津稲荷の眷族を放ち、雑鬼を、祓えるか?」

「十分に」

「なれば、そのように」

「しかし、都守」

 胡露は首を擡げると、頭上の禍々しい浮城を、睨んだ。

 冷静な声とは裏腹に、白い毛が、怒りで逆立っている。

「地仙としての神格の高さは、天津国の中でも指折りだ。天狐を信じよ」

「、、、、、」

 隻眼は、空を睨んだ。

 前肢で大地を捉えると、

 ウゥォォォオオ―――ンッ………

 赤い月に向かって、白い巨躯が、吼える。

 程なくして、ちかちかと、青い狐火が瞬き応じたのを後目に、

「どうか、ご無事で」

 白い風となって、帝都に吹きぬけるべく、内裏の屋根へと跳躍したのだった。





 めっちゃくちゃ、痒いんすよ、マジ。。。


 見事に、発疹だらけ。。。


 アレルギー、なめとったわ。。。


 しかし、、、


 まっふもっふ。。。まっふもっふ。。。まっふもっふ。。。


 どうせアレルギー出るなら、僕も犬絶ち最後と覚悟を決めて、、、


 連れん家の秋田犬を、全力でモフり倒しに行こうとか、そんなくだんねぇことを考えていたりする、昨今。。。

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