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自衛隊空母『あまぎ』戦記  作者: 高本五十六
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第十九話 空戦(会敵)

8月2日 17時


「『ガウルン』を発艦した敵編隊、高度、進路、速度変わらず。ガルーダ隊との距離200キロ。ミサイル射程圏内まで約5分!!」

『F35BJ』5機編隊のガルーダ隊は、『ホーク・アイ』からの無線を聞きながら目標へ向かっていた。もうまもなく敵の東亜国軍戦闘機の編隊と会敵するはずだ。

「5対10、一機も失うな・・・か」

『ガルーダ3』の高本がつぶやく。

彼らの乗る『F35BJ』が搭載する対空ミサイル『AIM120 AMRAAMアムラーム』の射程は70キロ。対する東亜国軍の『Su30』もほぼ同じ射程のミサイルを装備している。しかし向こう側はステルス効果で上回る『F35BJ』をまだ捉えていないはずだ。逆にガルーダ隊は相手をすでに捉えていた。

同じ射程のミサイル同士なら、先に撃てば確実に優位に立てるのが戦闘の常識だ。このまま接近すれば5対10の近接戦闘になり、5機編隊のガルーダ隊が絶対不利となる。

敵味方識別信号に応答のない東亜国軍の『Su30』は明らかに攻撃意志を持った敵だ。

「迷ったら撃て・・・、もうすでに迷っている」

詩織のぬいぐるみを出そうとした時。

「『ホーク・アイ』よりガルーダ隊へ、東亜国軍機前方グループ5機がミサイルを発射した!距離80キロ、ミサイルの数計10発!!」

「何?!」

射撃管制レーダー波はまだ感知していない。

(ロックオンされていないぞ。一体何を考えている?)

「『ガルーダ1』より全機へ、敵はすでにミサイルを撃った!飛んでくるぞ、警戒を!!」

隊長の西村からの無線が入った直後、コクピット内でミサイル接近を表す警報音が激しく鳴り響く。

「ロックオンされた!?」

西村は「しまった!!」と思った。敵が発射したのは発射母機の誘導ミサイルで、発射しておいて30キロ圏内に達した瞬間に、ミサイルのレーダーに変換、作動させた。敵ミサイルはすでに30キロ以内に達していた。

相手が先に撃ったことを認識した西村はガルーダ隊各機に命令を出した。

「『ガルーダ1』より全機へ、武器使用許可!ウエポンズ・フリー!!チャフを撒いて散開し、ミサイルを回避。各自の目標と交戦せよ!」

「了解!!」

「迷うな!行くぞ!!」

ガルーダ隊5機がレーダー誘導式ミサイルをかく乱するためのチャフを撒いて散開する。

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