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自衛隊空母『あまぎ』戦記  作者: 高本五十六
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第十三話 防戦(盾)

『やまぎり』CICでは、艦長の瀬戸内せとない一等海佐が目の前のモニターを、睨みつけるように見ていた。

アスロックをかわした敵魚雷の1本が『あまぎ』に向かっている。今から再度アスロックを撃っても間に合わない。マスカーの効果も期待できない。

ならば、取るべき道は一つだけだ。

「取り舵いっぱい!全員、テッパチを付けろ!!」

「艦長!?」

「魚雷の1本や2本で、この『やまぎり』は沈まん!『あまぎ』を守る盾はイージスだけではない!!」

瀬戸内の考えがここで分かった。

「艦長より達する!我が艦を持って『あまぎ』を守る!最大戦速、魚雷へ向かえ!左舷各科員、CIC各員は艦尾へ退避、急げ!!」

(絶対に『あまぎ』を守る!死ぬのは自分だけで十分だ!!)

瀬戸内は奥歯を噛みしめ、全身に力を入れた。


『やまぎり』が波を切って進む。『あまぎ』の左後方から前に出て、その横に並ぶ。

そして『あまぎ』から離れたところで被弾するために、『やまぎり』が魚雷が来る方向へ進路を変えた。

「・・・まさか!!」

(自らが盾になろうと、魚雷に当たる気か?!)

『あまぎ』艦橋から『やまぎり』の動きを見ていた佐々木は、瀬戸内の考えを悟った。

「瀬戸内艦長!!」

思わず叫んだ。


「左舷の乗員、退避完了しました!」

『やまぎり』CICで瀬戸内は驚いて周りを見渡す。退避を命じたはずの隊員達が全員残っていたのだ。

「・・・貴様ら、退避しろと命令したはずだぞ!」

「どんな状況でも持ち場を離れるなと艦長から教わりました!たとえ地獄の果てでも艦長についていきます!!」

全員が頷く。瀬戸内も隊員一人一人の顔を見て頷く。

「左舷前方、魚雷来ます!」

一人の隊員の報告を聞いて、瀬戸内は全身の力を込めて命じた。

「総員、衝撃に備えーっ!!!」

全員が椅子に座り、頭を下げる。

そして、次の瞬間。

激しい爆発音と衝撃が襲った。


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