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「私は、おおよそ、生まれて、この方、きちんと生きてきてね。

子供のときから今に至るまで、ずっとだよ。

そんな私には、やはり必然と、きちんとした人間が集まってくるのだ。だから、私は、なおのこそ、きちんと生活できて、今日に至るわけだ。

そんな私の回りにいた者たちも、今や次々と、この世を去っていってね。私は、ほぼ可能な限り、そんな彼らの最期に立ち会った。


そんな彼らが、息絶える前に、全員同じことを言った。」



「彼らは、なんと言ったのですか?」


「人生の、ある時期、ある時、たった一度だけ、『あれは、もしかしたら、過去、あるいは、未来の自分では、なかったか?』という何らかの姿を見たかもしれない、と。」


「・・では、つまり、こういうことですか、田白さん。

貴方は、あと一時間くらいで絶命する。

そして、僕になる、と。」


「そういうことなら、あと一時間、僕も、ここにいますよ。」


「そうしてもらえるなら、有難い。

ところで、黒田くん、君は、今までに、あれは、過去、または、未来の自分ではないのか?と思えるような何かの姿を今まで見たことあるかね?」


僕は、そう聞かれて、少し間をおいて、田白さんに、こう言った。

「ありますね。

しかし、それは、決して、今、僕の目の前にいる田白さん、貴方のような姿ではなく、

絶対に、ああは、なりたくないな、と思う姿でしたよ。」


【オワリ】

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