(2-2)
(差別表現はありますが、著者に差別の執筆意図はありません)
(作品中、暴力的な言葉が用いられています。あらかじめご了承ください)
「最近はブログは変化ないか?」
「そういえば以前のコメントで、佐倉さんを支持する人からのコメントが一件削除されていました」
「誰が削除した?」
「自主削除でした」
「そうか。弱いやつは去れ。そういうやつは戦場へ赴く前に国家反逆罪にて、ガス室送りになるような奴だ」
「そうですね」
「他にあるか?」
「はい。コメントといいますか、感想がつけられていました」
「そうか。おれはゲームしているから、不座君、読み上げてくれたまえ」
「はい。では読みます。
『まず、過去作を含めてジャンル設定をお間違えですよ。
エッセイとは社会通念上「具体的事実や実体験からの思索や考察を作者自身が述べた
ノンフィクションの文章」です。
フィクションである時点でそれは「小説」であり、エッセイではありません。
カテゴリー違いは検索のノイズになり、読者の邪魔になるだけでなく、作者様の見識を
疑われることにもなります。
速やかにふさわしいジャンルに修正されることを強くお勧めします。
そして、連続した内容で継続的に投稿されるのであれば、きちんと「連載」で投稿してください。
マニュアルでもそうなってますし、読者の立場で言えば短編で連投は非常に邪魔です。
あなただけの話ではありませんが、これも作者様の見識を疑われることにもなりますよ』
以上です」
「ふん。あいかわらず、つまんねーコメントだな」
「お答えになりますか?」
「ま、いいだろう。答えてやっか。下々のクズどもに。
まずジャンルなんて別にどうでもいい。別にこだわらん。ここの投稿は、自分のツイッターとかではいえないことを不座君を通じて、俺の本音を吐き出してるだけだ。なんでそんなものに、ジャンルとかこだわらねーといけねーんだよ!カス。
フィクションだろうが、ノンフィクションだろうが、んなこと問題じゃない。んなこといいだしゃ、日本の憲法には天皇条項だってあるんだぞ。あれだってフィクションだろ、いってしまえば。フィクションが現実の、公法の国家基本法たる憲法に書き込まれているんだぜ。これこそ重大な問題だろ。問題だといいだしゃ。
なにが検索のノイズだよ。知るか!検索されるためなんてこと、考えないし、ノイズになろうがなんだろうが、興味なけりゃ、読まなきゃいいだけだろーがよ、カス。なにが読者の邪魔だよ、バカタレ餃子のタレが。
作者の見識なんぞ問うな。見識をもって発言するのは、自分のツイッターでやってるわ。見識もなにもない本音をただ垂れ流してるだけ、それがここの投稿だ。んなこともわからんのか。ジャンルだの、検索だの、それで世の中になんの迷惑かけるっつーんだよ。迷惑かけるっていうんなら、もう一回ヨシフ・スターリン・アリタにヘイトスピーチ規正法で、不座君の投稿もとめりゃいいだろ。はっきりいって不座君の投稿ができようと、できなくなろうと、俺にとっては痛くも痒くもないわ!
仮に不座君の投稿が止められれば、他に頼むだけだ。表現媒体はいくらでもあるんだからなぁ。」
佐倉はここで話を終えた様子であったため、不座は言葉を添えた。
「佐倉さん。あと『連載』の投稿にすべきという点について、残っているんですが・・・」
「あ、あ、そうか。どうでもいいんだがな。
そもそも連載だろうが、単発だろうがこだわることか?
それにそもそもおれが不座君の取材を受けて、それを通じておれの意思を表現するということについて、連続的にやるという約束については、なにもかわしてないぞ」
「はい。連続の約束、契約はしておりません」
「そうだろ。だから連載の約束なんかなにもしていない。たしかに佐倉という人間は連続するし、不座君が私に取材するということは連続している。しかし、それはあくまで一回一回の読み切りだ。連続投稿するとかなんとか、そんな約束をおれは不座君ともしていないし、不座君の読者に対しても約束していない。ただ結果的に連続してるというだけのことだ。勘違いするな!
読者のための連載ではないんだぞ!あくまでもこの俺様のための投稿だ。表現だ。読みたくなければ読まなければいい。検索のひっかかっても、飛ばしゃいいだけだろ。クリックしなけれりゃいいだけだろ。
なんでこの俺様がただただ民一人のためにそんなくだらんこと合わせなくちゃいけねーんだよ。バカヤロ。改憲したら、そいつ投獄だな」
「佐倉さん。念のため確認ですが、ジャンルや投稿の仕方について、従来通りでよろしいですか?」
「ああ。かまわんよ。従来通りで。不座君自身、困ることはないんだろ?」
「はい。私は困ることはなにもありません。普通に投稿さえできればそれで良いんで」
「ならそうしよう。仮にダメならダメでいいんだ。しかし、その場合、新しい問題が出てくる。とりあえず、投稿するということは言論の自由だよな。仮に内容がなんらかの不都合があるとかで削除されてしまった場合、言論の自由の問題もでてくるぞ。
確かにリアルで特定の民族への差別を助長するということはいけない、ということは日本国憲法下で規制することはできるだろうと思うし、現実にヘイトスピーチ法は成立した。しかし、これを架空世界にもってきた場合でも、ヘイトスピーチ法で規制できるというのか?言論の自由をまじめに考えたことがあるのか?」




