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プロローグ

 新小説、テンプレに感謝を。投稿開始。

 これは過去か、それとも未来か・・・・・・

 目の前に二つの選択肢がある。

 それを前に一人の青少年は腕を組みながら深く考えていた。が、同時に焦っている様な(てい)でもあった。

 そんな中で、焦る少年を急かす様な声が響く。


「ほらほら早く決めないとどんどん壊され、焼きつくされて行くぞ」


 少年の目の前には、業火に包まれた世界の姿があった。ずっと悩んでいた少年がようやく腰を上げる。目の前に表示されている空間プレートには、一つの選択肢だけが表示されていた。

 立ち上がった少年は、目の前に広がる業火を腕の一振りで消し去った。その結果を見た少年は空中に浮き始め、周辺が見渡せる高度まで来ると上昇を止める。

 するとまた不快な声が響くが、その声は真剣に問い掛けてきた。


「それがお前の選択か」


「もう答えは決まった」


 目の前に広がる世界を見渡し、そこそこ居る人間達を一瞥(いちべつ)するその中で、少年はこう思う。

 今から自分がやろうとしている事は本当に正しいのか。或いはもう一つの選択、人間ももろともに滅ぼす、その方が正しかったのではないかと。そんな考えをもう決めた事だと思い不安を打ち消す。


「まだ引き返せるぜ」


 不快な声が惑わせる様に少年の耳に届くが。少年はその声に、すぐそばにいる人影に対して強く言う。


「・・・・・・もう決めた。それに、引き返せると言っても代償が必要だ。そうだろ」


 そんな少年の返答に男は口に笑みを浮かべ、気味悪(きみわる)い顔をしていた。


「(失ったものは、そう簡単にはもう一度手に入らないのだから)」


 少年は心の中でそう思い、改めて前を向き広がる世界を見渡す。自分がするのは世界を滅ぼすだけ、人間は対象外だ。


「人間は強い、こんな世界でも生き残る者が必ず出てくる。僕をいや、俺を憎んでもいいから、世界をもう一度始める為に俺は。此の世界を、滅ぼす」


 改めて自分の意志を確認した少年は、手を上げる。すると空が急速な勢いで(がげ)っていき、雷鳴まで鳴り始めた。それだけでなく、豪雨、尋常ではない突風も吹き始めた。

 そして次から次へと始める天変地異の数々。地震が始まり地は裂け、木々は燃え、何処かで土砂崩れが起き、爆発音が鳴り響いている。だが、これらはまだ序章に過ぎなかった。


 (これ)が後の世に伝わる、天変地異の宴の始まりである。


 少年は世界を破壊し、壊していく途中で幾人(いくにん)に戦いを挑まれた。

 その人間達は腕試し、英雄への憧れ、力を手に入れる等の思惑が各々(おのおの)にあったが。この世界を守るという強い意思があった。

 だが、意思だけではどうにもならない事もある。挑んで来た者達には強い一撃を与えるだけに(とど)めた。それで死んだら死んだ、生きたら生きた。人間を滅ぼす訳ではないが、挑んで来たなら死ぬ覚悟があるはずだと思って。


 挑んで来る者達を返り討ちにし、世界を破壊している最中(さなか)。一人の人間に片腕、右腕を斬られた。すぐに右腕を掴み、傷口に当て再生しようとしたが寸前で止め、其処(そこ)らに放り投げた。何でかは分からない。ただ、此の一撃は確かに自分に届いた。

 自分を神と思っている訳では無いが、これ程の力を手に入れた自分に届く(やいば)が在る事を、忘れないでいるためなのかも知れない。

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