51話 迷宮都市ルンリューナ
「ま、マスター!ごめんなさい!」
「あ、気にしなくていいよ。抱き心地良かったし」
朝起きての開口一番がそれだった。
シィリスは顔を羞恥で真っ赤にしており、その姿がまた可愛らしくてついついからかってしまう。
実際抱き心地は最高だった。良い香りもしたし、女の子特有の肌の柔らかさがあったのだ。
「えっ、そ、その…マスターは意地悪です…」
と上目遣いで睨まれても怖くもないし、むしろ可愛さで抱きしめたくなる。
「あはは、ごめんね」
と謝って見せるも、少し拗ねたようでそっぽを向いてしまう。
俺は荷物からりんごに似た例の果物を取り出すと、それを切ってシィリスに差し出す。
シィリスは顔をそむけたまま、こちらの果物を見つめている。
そして、シィリスの中で何かが決着ついたようで果物に手を伸ばしてきた。
「ありがとうございます…マスター」
未だ拗ねているが、おいしそうに果物を食べる姿に思わず顔が綻ぶ。
そして、俺も朝食を済ませて、荷物をしまう。
「よし、じゃあいくか…」
「はい!マスター!」
そして俺達は歩いていくと、ひとつの大きな城壁が見えてきた。
あれが迷宮都市ルンリューナ…
そして、この新たな都市で新たな出会いがあるとはフリードはまだ知らないのである。
誤字脱字等ありましたらおねがいします。
もう・・・力尽きました。




