49話 旅立ちと別れ
俺達はパーナに戻ると、まず宿に戻ってここを立つ準備を始める。
あの親子を助けたこともあったので、もしかしたら俺のとこまで事情を聞きに来るギルドの人が来るかもしれない。
そう思うと、めんどくさそうなので一刻も早くこの町を立つことに決めたのだ。なにかと最初の町でいろいろなことがあったので、今となってはすこし寂しい思いはするが、しょうがないであろう。
俺はシィリスと旅路の準備を終え、今となっては軽い挨拶をするまで仲良くなった宿の受付の人に挨拶をして、宿を出る。
そこで、見知った人物で出会ったのだ。
「あ!フリード君…あの噂聞きましたか?キングウルフがこっちに来ているって…」
と心配そうに話しかけたのはラルドであった。
その後ろにはフレデリーとシュリナがいる。あの元気な2人も今は不安そうな顔をしている。
「あぁ、そうらしいね…だから早めにここを発とうと思っている」
と言うと、ラルドはほっと安心したような顔をした。
「そうですか、僕達もそろするつもりでしたし…僕達は南のほうに行くんですがフリード君はどちらに?」
「俺は王都方面だから東だな…」
と言うと、ラルドは少し寂しげな顔をする。
なんだかんだ言って、ラルドとは結構仲良くなっていたし、別れが惜しいのは自分も同じだったのだ。
「まぁ、ここでお別れだけど、2度と会えないわけじゃないし、また機会があれば会おう」
と言うと、少しラルドは落ち着いた顔をする。
「そうですね…ではお元気で」
「あぁ…そっちも達者でな」
と言うと、ラルドの後ろのフレデリーとシュリナも話しかけてきた。
「フリード!絶対お前に追いついてやるからな!そん時は手合わせ願うぜ!」
「いろいろあったけど、あの時助けてくれてありがとう…べ、べつにあんたなんかに感謝してないんだから!」
とシュリナに関しては支離滅裂だったが、微笑ましい気分になってくる。
「シィリスちゃんも元気でね?」
とラルドはシィリスにも気を使っていた。それに対してシィリスも頷いて返事をする。
「はい。マスターが居るので大丈夫です」
と答えるシィリスにラルドも満足げに頷いた。
「じゃあ、またいつか…」
「あぁ、またいつか…」
そして俺とシィリスはパーナを後にしたのだ。
うーん。誤字脱字等ありましたらお願いします。




