45話 遭遇
俺はゆっくりと門を出て、森のほうへ向う。
森に向うにつれて行きかう人が多くなりほとんどの人が、パーナに向っている。
そして、人があまりすれ違わなくなった頃、遠くのほうから必死に走ってくる子供とその母親らしき人物を見つけた。
そして、その後ろには追いかけるようにレッドウルフの群れが追いかけている。
俺は魔法で水を作り出すと、氷にしてそこに魔力を流し込む。氷の剣は高さ15m横幅3mもある巨大な剣になった。
そしてそのまま氷の剣を飛ばして、二人の親子の後ろに突き刺さる。そして噛み付こうとしていた狼たちが剣nぶつかって転がる。
「あ、ありがとうございます!」
「気にしないで…はやく逃げてね」
「はい!」
と軽い挨拶を交わして狼に振り返る。
俺は氷の剣を宙に浮かせて、他に同じものを3本作る。
狼は俺を警戒してぐるるると喉を鳴らしている。
「犬も歩けば剣に当たる…ってね」
といった瞬間言葉の意味が分かったのか知らないが襲い掛かってきたので、腰の剣を抜刀しながら2匹のレッドウルフを切り落とした。
そして群れの奥を見つめると、そこには赤色の毛をなびかせるロードウルフが数十匹と王者のごとく金色の毛を靡かせながら、こちらを見つめる真紅の瞳。
あいつが…キングウルフか…それから発せられる圧迫感は師匠を思い出させてくれる。
俺は思わず口元がにやけてしまう。
「マスター…」
シィリスが俺のローブのすそをつかんで不安げに見つめる。
俺はぽんぽんとシィリスの頭を撫でて、にっこりと微笑みかける。
「大丈夫…ちょっとしつけてくるよ」
「マスター…絶対死なないでください!」
俺はシィリスの言葉に思わず顔をしかめる。これじゃあまるで戦争に旅立つ夫とその新妻みたいだな…死亡フラグがたちまくりだな。
「あぁ、大丈夫だよ」
そう言って、俺は改めてレッドウルフの群れに向き直る。
レッドウルフはさっきより増えていてすべてが集まったようだ。
「じゃあ…俺も本気を出すか」
俺は水魔法で大量の水を作り、それを鎧を着た騎士を氷で作っていく。その数500近く。すべてに魔力をこめているので赤く輝いている。
この魔法はゴーレム魔法とも呼ばれていて、簡単に言うとルースの劣化版である。周りから魔力を吸い上げることも出来ないし、命令されたことしかしないだけで、ほとんど前衛職がいない魔法師が使ったりする。
だが、それでも数体が限界なのに500近く作るあたり、フリードの異常さが分かる。それに、ルースが知識を受け継いでるように、このゴーレムも劣化版だが、俺の技術をインプットしてある。
「さぁ…殺り合おうか!」
レッドウルフは600匹近く、ロードウルフは10匹近く、そしてキングウルフと氷のゴーレム騎士500近くと俺との戦いが幕を開けた。
誤字脱字等ありましたらお願いします。
結局始まらなかった…くそぉ




