37話 正義のヒーロー?
俺は魔力結晶を手に持ちながら、歩いているとひとつのことに気づいた。
(あれ?…少しだけ強くなった?)
僅かながらだが、魔力結晶から感じる負のオーラが強くなったのだ。
俺はためしに、道を左折するとすこしだけ弱くなった。
つまり、この魔力結晶はどこかに対して反応しているのだ。きっとそこになにか手がかりがあると思われる。
俺は門をくぐり、外に出る。
そして数分後には森の中にた。
(あそこか…)
俺は森のなかでひとつの小屋を見つけていた。その周辺を歩いてみるが、この魔力結晶の負のオーラはあそこに行き着くことを示していた。
小屋を試しに覗いてみると、屈強な男が2人酒を飲んで談笑していた。
小屋の中は机と椅子とお酒しかない殺風景なものだった。
そして小屋の監視をしていると、人の気配を感じ、森の茂みに再度隠れる。
そして現れた男は大きめの麻袋を背に担いで小屋に入っていった。
だが、俺は気配でなんとなくその麻袋に人が入っていることを感じた。小屋のなかでは、男達は挨拶をしただけで、さっきと同じような会話に戻ったので、再度小屋を覗くとさっきの男と麻袋は居なかった。
(つまり、ここで何かしらの手がかりは掴める訳だ…)
俺はとりあえず、このままにしておくわけつもりはなかったので氷で仮面を作って、小屋をノックした。
小屋から出てきた男は酒臭く顔が真っ赤に酔っていた。
「あの…ちょっと道に迷ってしまって…あの、少しだけ小屋で休憩させてもらえませんか?」
と尋ねると、男はもう1人の男ほうに振り返ると、なにかを了承したかのように首を振って俺のほうを向いてきた。
というか仮面つけているのにあっさり入れるとか…
「そっか、そりゃあ大変だったな…まぁ水くらいは出すから飲んでけや」
そして、俺は小屋のなかに入ると、手を伸ばしてきた男に対し雷魔法で電気ショックを与えて一時的に意識を奪った。
「て、てめえ!なにしやがる!」
ともう1人の男が襲い掛かってきたが、それを雷魔法で意識をあっさりと刈り取る。
(さてと…秘密の通路はどこかな?)
俺は魔力をこの小屋に満たしていき、わずかに床の1枚のタイルの下から魔力が通り抜けていくのを感じた。
俺はタイルを外すと、そこには真下に下りる階段があった。
俺は音をたてないようにゆっくりと階段を降りて、1本の通路を歩いていると、声が聞こえてきた。
「や、やめろ!」
とおっさんが叫ぶ声が聞こえる。そして、そのすぐ後になにかに殴られるような音と悲鳴が聞こえる。
「だまれ、さっさと歩けや」
俺は慎重に近づき、部屋の中を覗く。
すると、部屋の中には魔方陣と鎖に繋がれた人たち。
そして妙にいい身なりの男といかつい男共。
いかつい男は首輪に繋がれた中年の男を魔方陣のなかに引っ張りだすと、魔方陣が輝きだし、一際輝いたあとそこに男の姿はなく、魔力結晶があるだけだった。
つまり、ここでは人を魔力結晶に変える魔法が使われているのだ。
そしてもちろん、このような魔法は禁止されている。
俺はこのような行為に歯軋りする。
そして俺は部屋の入り口に立っていた。
「正義のヒーロー!ここに参上…ってね」
久しぶりでごめんなさい。
がんばってかきます・・・・。
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