33話 冒険者PTとレッドウルフ
俺は冒険者ギルドを後にして、時々道行く人に尋ねながらどうにか宿に着いた。
宿のベットの上に座って、一息ついて窓から見える空を見ると、赤く染まっていた。
そうして、ボーっと見ている間に腹が減ったので、宿でご飯をとることにする。
ご飯は簡素なもので、パンとシチューだけだったが、なかなかにうまかった。
正直俺は日本人だが味にうるさいほうではないとおもう。割と素朴でそこまでまずくなかったらなんでもいいのだ。寿司とかでも高いネタより安いほうで満足してたぐらいだ。
まぁ、そのうち料理してみようとは思っている。
ご飯食べた後は宿の部屋に戻り、ベットに横たわる
(まぁ…一時ここで路銀を稼いで次の街に行く…って感じな…)
俺は今後の計画を立てていく上であることに気づいた。
(あれ?魔法石でも作れば、あっという間に路銀たまるんじゃね?)
だが、その案は意外な理由で却下された。
(いや…この旅は俺の修行みたいなもんだし、真面目に稼ぐか…)
俺はその後、眠気が少しずつ迫ってきたので意識を手放した。
翌日
俺は宿の人に出かけてくることを伝えて宿を後にする。
まだ日は出ておらず、あたりを薄く照らし出している。
俺はまだ朝と言うことで人通りの少なくなった道を楽々進んで、冒険者ギルドへ入った。
「あら?昨日の人ですね?どうかしました?」
と受付に居たのは昨日の受付嬢さんだった。いやはや働き者と感心してしまう。
「今日は依頼を受けに来ました」
と答えると、受付譲さんは書類をいくつか出してきた。
「えーっとFランクですから、受けれるのは薬草採取と掃除…ですね」
「薬草で!」
俺は即答だった。こんなとこまできて掃除とは少々めんどくさいと思ったからだ。それに…
(薬草採取ってことは外に出る!だからそこで結果出せばあっという間にランクが上がってテンプレが起きるかも!)
という思惑が存在した。
途中で危険な魔物に襲われる少女を助けて、惚れさせる…。うむ、すばらしい!
だが俺はそこでシャーリーが居たのを思い出す…。
(いや!これは人助けだし!下心なんてないから!うん!ないから!)
と途中から変な思考に脱線しなぜか言い訳を開始してしまった。
「では、これで受注完了となります…。失敗した場合は違約金があるので注意してくださいね?」
と俺が変な妄想している間に手続きは終わったようだ。
俺は書類を受け取る。
「わかりました、では行ってきます」
「お気をつけて!命は大切に!」
とまた言われてしまった。まぁ親切な人なんだろうなとは思う。
俺はギルドの外にでると、そのまま町の外に出て薬草を探しに行った。
4時間後、俺は大量の薬草をゲットしていた。依頼が10個であったのに関わらず、集めた数は140個以上…ちょっと取りすぎたかな?と後悔している。
なんだかんだ言ってテンプレの美少女救出イベントは起きなかった。
俺は諦めて、町に戻る。
俺はそのまま帰ろうとしていると、遠くのほうから悲鳴が聞こえた。
その声は野郎の声だったが、このまま死なれると後味悪いので一応見に行くことにした。
俺は悲鳴を上げた方角に走っていくと、3人の冒険者パーティーが6匹の狼みたいな魔物に襲われているところだった。
確か狼みたいな魔物の名前はレッドウルフ…目が赤いことから付けられた名で脅威度はDランク。単体ではDだが、その数の多さを生かした連携は脅威度CやCCランクが付くこともあるそうだ。
俺は改めて冒険者パーティーを見ると、3人の冒険者のうち1人は守護戦士そしてもう1人が剣士と最後に魔法師という組み合わせだった。
守護戦士が今はレッドウルフの攻撃を受け止めているが、その顔には疲労の色が見える。
というか、このパーティーは見たところ俺と同じ年代のやつで構成されてた。
魔法師は女の子だったけど3人の新米冒険者ではいささかきついのだろう。
俺は懐から師匠にならった投げナイフで投擲を行う。
今にも飛び掛りそうなレッドウルフの首元に刺さり、それだけで合計2匹のレッドウルフを倒した。
俺は投げている間にパーティーとレッドウルフの間に割り込む。
「大丈夫?」
「え、あ…大丈夫…じゃない」
と前衛の守護戦士は答えた。
「わかった。ここは僕が引き受けるからすこし下がっておいて」
「っ!?無理だろ!俺達でさえ倒せないんだ!一人で4匹相手は無謀だぞ!」
と必死の喧騒で言ってくるが、俺にとってはこのぐらいなら造作もないことだ。
「大丈夫だよ」
と言って改めて、レッドウルフを見つめると残った4匹は俺を警戒してかまだ襲い掛かってこなかった。どうせなら話してるうちに攻撃してくればいいものを…と思ったが、まぁ魔物相手にそんなこと思ってもしょうがないことである。
俺は腰から剣を抜くと、構える。
俺は身体に強化魔法を掛けないで、地面を蹴ると勢いよく剣を振って、1匹のレッドウルフの首を刎ねる。
その攻撃している間に襲い掛かってきた3匹の狼を体を捻って交わす。よけ際に1匹のレッドウルフの胴体を真っ二つに切り裂いた。
俺はその間に体勢をすぐに立て直し、着地して硬直していたもう1匹のレッドウルフの首を刎ねた。
そこで改めて残った1匹のレッドウルフを見つめると、こちらを警戒しながらグルルルと喉を鳴らしながら後ずさって逃げていった。
俺は逃げたのを確認すると冒険者のパーティーに向き直る。
「あ、ありがとうございます…助かりました」
「どういたしまして、同じ冒険者同士だし助け合わないとね」
と言ってはみたものの守護戦士である前衛は傷でぼろぼろだった。俺は彼に近づくと、回復魔法で傷を癒してあげる。
「っ!?あ、ありがとうございます!!!」
と勢いよく頭を下げられたが、なんかこっちのほうが恥ずかしい気持ちになる。 俺はその後のこりの2人も回復魔法で治療してあげた。
誤字脱字等ありましたぜひお願いします。
(感想ほしいです!わがままですいません!)




