32話 冒険者ギルド
俺は馬車に揺られながら、パーナを目指す。
「あ、そういえば貴方は商人なんですよね?」
と御者に尋ねると、御者は頷く。
「まぁな。旅をしながら商売するしがない商人だけどな…」
「じゃあ、このワイルドピッグを買い取ってもらえませんか?」
と言うと商人さんは驚いた顔をしている。
「え?いいのか…?でも俺そこまでお金ないぞ?ワイルドピッグ3匹に出せるのは銀貨6枚限界だし…町で売れば銀貨8枚…いや銀貨9枚はいきそうだがな…」
そういう商人さんの表情は動揺している。確か銀貨は強引に日本円に換算すると銀貨1枚で1万円ぐらいに相当する。
さらに金貨は100万円で銀貨の下には銅貨があり銅貨については数種類存在する。
白金貨=1億
大金貨=1000万
金貨=100万
大銀貨=10万
銀貨=1万
銅貨=1000
半銅貨=500
小銅貨=100
銅貨の種類が他とくらべて多いのは貴族や王族ではない平民の人々たちにとって日常生活は銅貨と銀貨だけでどうにかなるので、種類が増えたらしい。
「まぁ、お近づきの印ってことで…銀貨6枚でいいですよ」
「そ、そういうことなら…有難く買い取らせてもらう…」
と商人は買い取ってくれたので、お金が手に入ったのだ。
そうしていうるちに遠くのほうに街が見えてきた。
「お?あれがパーナですか?」
「あぁ、なかなかでかいだろう?」
「えぇ…とっても大きいです…」
決してあっちではない!あえて言おう!あっちではないと!
遠くから見るパーナは距離がかなりあるのにかなりの規模のようだった。
街を囲む城壁はないが、あちこちにテントや建物がいっぱい見える。
そんなこんなで街に着くと、中かは予想通り人で溢れていた。
「ありがとうございました!」
と商人さんにお礼を告げると商人さんは手を差し出してきた。
「こちらこそ助かったよ!俺の名前はバロット・ブーヤだ、しばらくの間ここらの露天で商売するから困ったことがあったら尋ねてこいよ!」
「えぇ…そのときはお願いします」
とお互い手を握りその場を後にした。
(さてと、まずは冒険者の登録と宿の確保だ…)
そう思い、まず冒険者ギルドを探す。
そうしたら、冒険者ギルドはあっという間に見つかった。まず建物が他と比べると明らかに大きかったし、そのまわりには冒険者と思われるものがたくさんいたのだ。
俺冒険者ギルドの中に入ると、酒のにおいで充満していた。
まだ昼間というのに早くも飲み会をしている連中が居るようだ。
俺はそんな人たちを尻目に受付に向う。
「いらっしゃいませ~。本日のご用件はクエストの依頼ですか?」
と受付の女性は聞いてくるが、まぁ…まだ子供だししょうがないかもしれない。
「いえ、冒険者登録に…」
「あら?そうでしたか、だけど冒険者って命の危険もあるし大変よ?」
「えぇ…それをわかった上でのことです」
と言うと、受付の女性は何か書類を出してきた。
「登録ですね…えっとこちらの書類に書いてくださいねー登録費用は銀貨3枚になります。あ、代筆がいるようなら遠慮なく言ってくださいね?」
「いえ、大丈夫ですよ」
と銀貨を渡し、書類に名前や年齢を書き込んでいると、受付の女性はため息をついた。
「はぁ、あなたのような子供がこんな危険な仕事しなくてもいいのに…」
「大丈夫ですよ、剣術に心得があるので」
と言ってみたものの受付の女性はまだ不安そうな顔をしている。
「そう?だけど、危なくなったら逃げるのよ?」
「肝に銘じておきます」
とだけ返事して書き終わっ書類を受付嬢に渡す。
「はい。確かに確認しました」
と言って書類をしまってなにかをしてあと冒険者カードが出てきた。
「こちらが冒険者カードになります。再発行には銀貨5枚が必要になります。冒険者のランクはSSSからFまであり、Fからのスタートとなります。無くさないようにお気をつけください」
「気をつけます!」
と返事をして、そこから離れようとすると
「ほんとに命だけは大切にしてくださいね?」
と念押しされたので俺はそれに手を振って答える。
そして俺は冒険者ギルドを後にした。
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