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転生ニートの剣と魔法で最強伝説  作者: 時崎 空魔
第1章  少年編
29/68

29話

 あれから時は過ぎ、俺は12歳を迎えた。

 師匠との訓練も相変わらず続けており、日々師匠を超えようと励んでいる。


 「ふぅ…今日はこんなとこか…」


 「はぁ…はぁ…ありがとう…ございました…」


 息をあがりっぱなしでこれ以上はさすがにきつかった。


 「「おにーちゃーん!」」


 と言って近寄ってきたのは、双子の妹のイリスとミリスだ。


 「あ!イリスが渡すの!」


 「だめ!ミリスが渡すの!」


 2人はお互いに頬を膨らませながらにらみ合っている。

 その姿は微笑ましくて自然と笑顔になる。

 そして、2人は諦めたようだ。


 「はい、これおにーちゃんに!」


 と2人が片手づつで両端を持って渡してきたのは1通の手紙だった。

 俺宛だが、裏を見返すとシャーリー・ブラウンと書かれてあった。ブラウンはシャーリーの名字だったので、間違いなくあのシャーリーだろう。

 俺は手紙を開くと久々に見るシャーリーの文字が確かに書かれてあった。


 お元気ですか?

 私は大分、王都の生活にも慣れてきました。

 私は今、魔法を習っています。偉い人が言うには10年に一度の天才らしいけど、フリード君と比べると、とてもそうじゃないように思えます。

 これも魔力が多くてイメージだけで使えるのもフリード君のお陰です。

 またフリード君と会えるのを楽しみにしています。

                  シャーリーより


 シャーリーからの手紙に思わず涙が出る。

 (そっか…シャーリー元気にしてるんだな…)

 シャーリーが元気にしているだけでも嬉しい気持ちになる。


 「イリスにも見せてー!」


 「あ!ミリスにも!」


 と言うので2人に手紙を渡す。


 そんな光景を師匠は何かを決心しかねているかのように見ていた。


 翌日、師匠がいつものように訓練の場所に行くのだが、今日はちょっと雰囲気が違った。

 いつもはゆっくりと慣らしていくのに、今日は最初から顔が険しかった。


 「…どうかしたんですか?師匠」


 と聞くと、なにかを決心したかのように鋭い眼光でこちらを見つめてきた。


 「…よし、坊主…全力で来い…奥の手もすべて使ってかかって来い」


 という師匠の口調はいつもの様子とはかけ離れており並々ならぬ雰囲気がひしひしと伝わってくる。


 「分かりました…では、全力で行かせて貰います」


 と言うと、俺は魔法で水を作り出し、それを体に纏うと氷に変えて鎧の形に変える。そこに魔力を込めると氷の鎧は赤く輝きだす。

 そして自身にも魔力による身体強化を施す。

 これが俺の奥の手のひとつである。師匠を倒すために隠していた切り札なのだ。

 この赤い鎧はその硬さも優れることながら、何より身体強化と相性がいいのだ。なぜかはよくわからないが、赤い鎧を着て身体強化をすると、相乗効果のように倍以上の力が発揮できるのだ。


 だが、相変わらず師匠の目は鋭くこちらを見つめている、普段なら驚きそうだが、それを表には出していない。


 「…行きますッ!」


 俺は氷の剣を作り出すと、一気に踏み込み師匠の懐に飛び込む。

 師匠もそれに反応して剣を抜くと迎撃をしてきたので、それに剣を重ねる。

 激しい剣戟が続くと、ちょっと気を抜いた瞬間に鋭い一撃が飛んできて、それを避けるためにバックステップをして、距離をとる。


 そして、距離をとると魔力をこめた火弾を数十発作って師匠に向って放つ。

 師匠はそれをよけるようにこちらに接近してきた。時折よけられない火弾は切り裂きながらなおも近づいてくる。

 師匠が間合いに入ったとこで、俺は剣を縦一文字に振る。

 すると、師匠はピタリと止まって一瞬のうちにバックステップをして俺の間合いから外れる。そして俺の剣は師匠の前を掠めるだけだった。だが、そこから剣を途中で止めると、そこに魔法で水を作り、剣に水を付け足しながらその形状は剣から槍へと変化する。

 これが俺の奥の手の一枚で、本来なら届かない一撃を届かせるのだ。

 これを僅か1秒以内の間に済ませるのはかなりの修練を積んだ。


 師匠はよけるのが不可能と察したのか、剣で防御をする。

 そして、剣が氷の槍と接触した瞬間に俺は雷魔法を使い、氷の剣を通じて師匠の剣へと流れ込み、それが師匠に伝わる。

 師匠はその一撃から顔を一瞬歪めるが、防御して稼いだ瞬間にすぐさま俺から距離をとった。


 そして、ダメージを負っている間に師匠に重力魔法を掛ける。

 これも奥の手の一枚で遺跡にあった本から学んだ。


 師匠はその重力によって僅かにひるんだ隙に次の一手を打つ。

 水を大量に作り出すと、それを師匠に向けて飛ばし、師匠の腕や足を赤く輝く氷の鎖が拘束する。


 そしてとどめの一手に剣を作り出し、師匠に飛ばす。

 

 師匠はその瞬間にニヤリとすると、師匠の剣が赤く輝きだす。

 そして強引に氷の鎖を引きちぎると、飛んでくる氷の剣を叩き切った。


 師匠はそのまま、俺に近づいてきたので剣を振り、剣戟を重ねる。

 お互いがぶつける剣の衝撃により辺りに亀裂が走る。

 そして、その衝撃によりお互いが飛ばされ、僅かに距離が出来る。


 そしてお互いが走りこみ、剣を振るう。

 ”この一撃に決める!!”



 そして俺の全力を込めて振った剣は空しくも、師匠の肩を捕らえ、師匠の剣は俺の鎧の隙間を縫い俺の首に迫っていた。


 (あぁ…全力でも勝てなかったのか…)


 だが、師匠の顔はすこし満足そうな顔をしている。

 師匠は剣を鞘に戻すと、めんどくさそうに頭を掻きながら俺に背を向けて歩き出す。


 「…ったく、これだから才能あるやつを育てると、あっという間に強くなるからおもしろくねぇ…」


 俺きょとんとしてしまった。


 「あーもう!お前はもう十分に強い!だから好きなとこにでも行って来い!…坊主の留守はしっかりと俺が守ってやる!」


 

「え…でも…」


 「俺が良いと言ったんだ!師匠の言うことぐらい聞きやがれ!!」


 とめんどくさそうにぼりぼりと頭を掻く。


 「師匠…ありがとうございます…」


 そして俺は旅に出る決心を固めた。

さてと、これでやっとフリードは冒険に旅立つことが出来ます。

戦闘描写は割りとすきなのですが、得意ではないと思います。いわゆる下手の横好きってやつですかね?


 とまぁ誤字脱字等ありましたらぜひともお願いします。

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