26話
100本の氷の剣が流星のように赤い尾を引きながら、肉塊に突き刺さるとその衝撃で盛大に土ぼこりが舞う。
土埃を風の魔法で払うと、肉の塊はゆっくりと再生しているようだった。
そして、その肉塊の中央には黒く輝く魔石が存在した。
(あれかっ…!)
と思い、俺は再度槍を作り出し、魔力を込めて魔石目掛けて投げた。
槍は魔石に当たると粉々に砕け散り、肉塊は紫からただの腐った肉に戻った。そして、一段落着くと視界の端にゴブリンの進行方向と反対に逃げる影を確認した。
俺は飛行魔法で近づくと、それは灰色のローブを着た男だった。
男は俺に気づくと、火の魔法の初歩である火弾を放ってきたが、俺は障壁魔法ですべてを防ぐ。
そして、やつの上を通りやつの前に降り立つ。
俺は剣を作り出すと、それに魔力を込める。
男は慌てて火弾を2発放ってきたが、俺は難なく剣でその火弾を切り裂くと、俺はゆっくりと男に近づき、男は恐怖の色を顔に浮かべている。
俺はゆっくりと剣を振り上げると、男はひっと声を上げ障壁魔法を展開する。だが、それをもろともせず俺の剣が障壁魔法さえも切り裂いた。
男は恐怖の余りに、腰の抜かし尻を着いている。そこに俺はゆっくりと剣を振り上げ、そして剣を振り下ろした。
だが、その剣は男の首のギリギリで止まっており、男は気絶していた。
「おつかれさん」
と背後からの声に反応して、後ろを振り返ると剣を肩に担いでいる師匠の姿があった。
師匠の背後にはゴブリンの死骸が溢れていた。
俺は肉塊を倒すさいにゴブリンも巻き込みながら倒したので半分以下に減らしてはいたものの、その数は400はいたはずだ。それを師匠は1分もしないうちにすべてを一方的に狩り尽くしたのだ。
「おつかれさまです。師匠」
と言って俺は氷の剣を解除した。
それにしても、なんがかんだ言ってこの師匠もチート級だよな。と思うフリードであった。
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