16話
翌日から俺達家族は領主の屋敷で暮らことになった。
結果的に領主を守る騎士の役目に穴が開いたので、俺がそこに入ることになった。普通なら子供だからと領主の護衛をやらされるとこだが俺は自ら志願して、村周辺の警護とモンスターの殲滅をすることにした。
それからの日課は朝起きての素振りと妹達に魔法を教えて午後には出かけて村周辺の魔物討伐をしている。
ちなみに、領主の護衛はもう1人の騎士がやっている。
見た目は初老の騎士で30年以上ここの領主に仕えているらしい。
俺は魔物の殲滅はルースと2人がかりでやっている。そしてあらかた殲滅したら、素材の回収をしてルースとの模擬戦や魔法の勉強をしている。
別にルースに魔物の殲滅を任せてもいいのだが、やはり実戦というものに慣れておく必要があると思う。彼女自身が魔法が効きにくい質であるため魔物は魔法の試し撃ちにはもってこいだった。
「そういやさ…ルースってさ製作者の知識の大部分が内臓されてるんだよね?」
と確認の意味を込めてルースに問うとルースも肯定の意味で頷く。
「はい、ご主人様のおっしゃるとおりです」
と彼女は答えた。
「それなら…もしかして、自分の作り方とか知ってたりするの?」
と俺はそんなことを聞く。なぜこんなことを聞くかといえばぶっちゃけルースのようなゴーレムの作り方を本で読んだが難解すぎるのだ。
そのため、ルースが製作者の知識があるなら聞いておきたかった。
「はい、もちろん知っておりますが作るために必要な魔力はご主人様に用意してもらわないと作ることができません」
その言葉を聞いて俺は思わず嬉しくなる。彼女のようなゴーレムは量産することができればすさまじい力を得ることができる。
だが、ひとつ思ったのが…
(もし、自分達で魔力を用意することができたら…そして、人類に対して戦争とかしたらこれってターミネー〇ー並に恐ろしいことじゃね?)
いや、彼女たちはきっとそんなことをしないはずだ…いや、しないと信じたい。
「なるほど…じゃあ1体作ってみたいんだけど作れる?」
と彼女に問うと彼女もまた肯定を示す。
「もちろんですご主人様」
と言って彼女はナイフを取り出し腕の一部をそぎ落とした。
「え…!な、なにやってるんだ!!」
と言うと彼女は平気な顔をしている。
「私はゴーレムなので痛覚は操作できます。それに怪我した部分は魔力で修復できますので」
と言った彼女は腕のそいだ部分を見るとすでに傷跡は消えていた。
俺はそれをみると、少しホッとするがやはりそういうのは心臓に悪いものだ。
「はぁ…次からそんなことをするときは言ってくれ…君が心配だから」
と少しため息をつく。
痛みはなく傷はすぐに回復するからと言ってそんなことはできれば強要させたくはない。
「では、ゴーレムを作りたいと思うのでご主人様…お手を」
と言われたので俺は手を差し出すと彼女は手を握る。
ゴーレムとは思えないほど手が暖かかった。
「ご主人様…ご希望の容姿…あるいは、性格はお有りでしょうか?」
と彼女の聞かれるので意識をそっちに回す。
「そうだな…美少女で黒髪のロングで…俺に尽くしてくれるタイプで」
と答える。
正直、俺に尽くしてくれるタイプってのは…生前彼女がいなかったからこういうのが欲しかったのかもしれない。
「了解しました。それでは作ります」
と言って彼女はそぎ落とした腕の一部に魔力を送っている。
俺はそれを見ていると突然魔力が吸い取られていく、かなりの量だ。
魔力を送られた腕は徐々に大きくなり、人の形をかたどっていき、魔力を注ぐこと1分ぐらいで完成した。
見た目は超美少女の黒髪のロングで見た目は15~6歳に見える。
俺はそれに見とれていると、ルースがこちらを見ていたのであぁと思い出す。
横たわる美少女に近づき合言葉のようなものを呟く。
「登録」
そして再度魔力を吸われて、彼女は目を覚ます。
「ふぁ~おはようございます。ご主人様」
と俺のゴーレム2号が誕生した。
誤字脱字等有りましたらお願いします。




